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第37回「排泄の自立について」(令和4年2月)

更新日:2022年4月26日

ページ番号:95199200

オムツが手放せなかった子どもが、トイレで排泄できるようになった姿をみるのは、
親としてはわが子の成長を実感するひと時でしょう。
 
個人差はありますが一般に子どもは3歳頃にトイレでおしっこができるようになります。
そして5歳頃までには多くの子が夜間もパンツで過ごせるようになります。
 
発達障害やその傾向のある子どもたちは、排泄の自立が遅れがちです。
 
このため、私の外来でもよく親御さんからご質問をいただきます。
「トイレに行くのを嫌がる、おむつが外せない」
「おねしょが治らない」等です。
 
排泄の自立が遅れる理由は様々ですが、大きく分けると3つあると思われます。
 
一つ目は定型発達の子どもと共通した理由ですが、
「排泄を感知・調整するホルモン分泌や膀胱機能が未成熟なため」です。
しっかり膀胱に尿を貯めて、尿意を感じ、トイレに行く、
という流れは脳ホルモン分泌と膀胱機能の連携プレーなのですが、
この連携が未熟なうちは自立できないのです。
夜尿(おねしょ)や遺尿(日中のお漏らし)の原因のひとつと考えられています。
発達障害の子どもは定型発達の子と比べ、この機能の成熟に時間がかかることが多いようです。
しかしほとんどの場合、
いずれは自立できますので基本的な対応は「見守る」ということになります。
ただ、本人が気に病んだり長引く場合はお薬の治療もありますので、
かかりつけの小児科や泌尿器科でご相談ください。
 
二つ目は自閉スペクトラム症の子どもに特徴的ですが、
「こだわりや感覚特性の問題」です。
「お家のトイレでないとダメ」といった特定の場所へのこだわり、
オムツへの執着等から排泄の自立が遅れることがあります。
また、感覚を適切にキャッチできないために尿意・便意に鈍感で、
ちょうどいい排泄タイミングがつかみづらい子どももいます。
いつもギリギリまで我慢してトイレに行く
(そして、しばしば“ちょろっと”漏らしてしまう)子はこのタイプの可能性があります。
対応としては無理強いしないことです。
本人が安心してできるやり方を中心にしつつ、
少しずつ受け入れられるよう進めていくことです。
感覚の問題がありそうでしたら、
(排泄してもしなくてもいいので)毎日決まった時間に
便器に座る等の日課を作るのも良いでしょう。
 
三つ目ですが、「本人ニーズが低い」ことです。
つまりトイレでおしっこしたい、できた方がかっこいい、
という気持ちが肝心の本人には乏しい、ということです。
「なんだそんなことか!」と思われるかもしれませんが、
「発達障害のある子は、自分の中の優先順位にとても忠実である」
という独特の特性に基づいた原因なのです。
このタイプの子どもは「周りの子がそうしてるから」「親が言うから」
じゃあ、自分もトイレでやろう、、とはなりません。
本心では「オムツの方が便利やん」と思っているうちは自立は進みにくいのです。
しかし一旦トイレで排泄するメリットや達成感を実感できれば、
その後意外なほど速やかに自立することが多いのです。
ですから、本人のタイミングを待つということも大切になります。
 
排泄の自立を阻む三つの理由をご紹介しました。
 
対応方法として、共通していえるのは「無理にすすめないこと」です。
本人任せでいいということではありません。
親が見本を見せる、少しでも進捗があればしっかり褒める、
失敗したときは淡々と処理する、といった関わりをお勧めします。
叱りつけたり無理にトイレに連れていくなどして、
トイレや排泄自体にネガティブなイメージを子どもに持たせてしまうと、
結局遠回りになってしまうのでご注意ください。
 
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、
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