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第13回「家庭ですること・しないこと4」(平成31年3月)

更新日:2019年5月31日

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思春期(小学校高学年~高校生ころ)になると、
身体的な変化(二次性徴)とともに精神的・情緒的な変化がみられます。
具体的には、自分自身に目を向けるようになり、自己顕示欲や他者からの評価を意識するようになります。
また社会参加への意欲が生まれ自分の将来を具体的に考え始める時期です。
 
発達障害あるいはその傾向をもつ子どもたちも、
(定型発達のこどもに比べるとやや遅ればせながらの傾向はありますが)
やはり「自分への気づき」が芽生えます。
 
己を知ることは大切なことです。
得意なことを生かし至らない点を反省し更に成長する機会としてほしいのですが、
対人関係や成績のことなど今まで見えていなかった自分の弱点に気づきが生まれることで
自信をなくしやすい時期でもあります。
 
子どもが落ち込む姿をみるのは親としては不安なことです。
しかし、今まで周りのこと・自分のことが見えておらず自己中心的だった子どもに
「物ごころ」がついてきたからこその悩みとも言えます。
 
親が家庭でできることとして、
やはりこれまで同様に子どもの話をしっかり聞き、よき理解者でいてほしいと思います。
 
求められれば子どもに助言・指導をしますが、その際注意点があります。
それは、親はこどもの理解者でありつつも「子どもと適度に距離をおく」ことです。
つまり、親の子離れが求められます。
 
この時期は親主導で物事を決めていくことを控え、
子どもに自分で考えさせる・自分主体で決定する・行動する経験をさせましょう。
親は黒子のような役割に徹し、子どもの試行錯誤を見守り、
わが子がどれくらい主体的に考える力があるのか?実行力があるのか?を見極めてください。
 
子どもの考えを理解し能力を冷静に見極めることで、
親がどのくらいサポートするべきなのかが見えてくると思います。
子ども自身が「自分で考え、実行できた。」という手ごたえを得ることが大切ですので、
黒子は裏方としてひっそりと手助けをするくらいでお願いします。
 
例えば高校などの進路選択について、
子どもが親の希望に沿わないあるいは現実的でない進路を希望したとします。
その際、頭ごなしに否定しても反発・不信感を招くだけです。
本人がどんな気持ち・考えで選択したのか、入学から卒業までの必要な能力や費用、
卒業後の進路など具体的な事案について子どもの意見を聞きます。
子どもが分からないことや気づかなかった点について親が補足し、
浮かび上がった課題についてどう解決していくのかを子どもに考えさせます。
 
こういった過程は親としてはヤキモキするものですが、
親子ともに学びの機会となりますし、思春期の子どもと親のすれ違いを少なくすることにつながります。
 
4回シリーズで「家庭ですること・しないこと」を取り上げました。
何度も繰り返しますが、“安定し自立した生活習慣を身につける”、
“親は子のよき理解者になる(審判にならない)”ことが年齢に関係なく「すること」です。
いつから始めても遅すぎることはありませんが、
できるだけお子さんが小さい時期から実行されることで後々の問題を防げると思います。
 
難しく考えず、まずは“よく食べ、眠り、一緒に笑うこと、ただ話しを聞くこと”を心がけてみてください。
とはいえ、ライフステージの様々な場面で対応に迷われることもあるでしょう。
親にもよき相談先があると心強いと思います。
困ったときはこども未来センターや専門機関に是非ご相談ください。

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