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第28回 「発達障害に対する薬物治療について 2」(令和2年10月)

更新日:2020年12月2日

ページ番号:23082159

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに用いられる薬物についてお話します。
 
ASD特性のある子は、こだわりが強く、環境の変化や、
(本人にとって)イレギュラーと感じる出来事に対して非常にストレスを感じる場合があります。
不安のあまり普段なら難なくできることも手がつかなくなり生活が立ち行かなくなる場合すらあります。
 
「慣れさせよう、乗り越えさせよう」と頑張らせるのはやってはいけない対応ですので注意してください。
苦手な刺激を減らしたり、できるだけ変化をつけない・避けられない変化は事前に伝えて見通しをつけさせる、
などの対応を行ないます。(前回コラムでお話した「心理社会的治療」です。)
しかしそれでも子どもの状態が芳しくない場合は、薬物療法が検討されます。
 
具体的には強迫症状(何度も手を洗ってやめられない、など)や自傷・他害行為、ひどいチックなどの
身体症状がみられるとき、などが薬物治療を検討する目安です。
お薬は不安を取り除いたり、イライラする・気にしすぎるなどの感情をコントロールする等の効能があります。
眠気などの副作用に十分注意しながら使用します。
 
根本的には不安を惹起させる要因を除くことが必要ですので、
投薬中も心理社会的治療は継続します。
また、症状の改善具合と子どもの成長にあわせて適切な時期に減量・断薬していきます。
この辺りはADHDに対する薬物療法と同じ考え方です。
 
子どもの心身発達と睡眠は密接な関係があるとされています。
良質な睡眠によって成長が促されることは容易に想像できると思います。
 
しかしながら発達障害の子どもは睡眠障害の合併が多いとされています。(コラム第8回参照)
原因のひとつに「メラトニン」と呼ばれるホルモンの分泌不足が挙げられています。
最近、メラトニンを有効成分とした入眠改善薬が承認されました。
 
お子さんに睡眠の問題、とくに寝つきがあまりに悪い場合は
メラトニン分泌がうまくいっていないタイプの睡眠障害かもしれません。
 
生活習慣や環境に気をつかっているのに夜なかなか寝付けずお困りの場合は、
小児科や発達の専門機関で相談してみてください。
 
薬物治療の考え方をまとめますと
 
1.薬物にたよらない心理社会的治療が第一選択である
 
2.子どもの日常生活や将来のためにメリットがあると判断した場合は有効な選択肢になりえる
 
3.適切に使えば子どもの成長に役立ち、経過によって減量・中止できる場合も多い
 
となります。参考にしてください。
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、公式twitterで随時お知らせしております。
 引き続きご参照ください。

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