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第34回  「オーダーメイドの指導」(令和3年8月分)

更新日:2021年10月20日

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こども未来センター診療所では、親子への支援はもちろんですが、
教育機関(学校・幼稚園・保育所等の先生方)への支援・指導も行っています。
 
具体的には、アウトリーチ(診療所スタッフが学校園へ訪問します)・
療育の見学・支援会議(先生方と診療スタッフによるケース会議)などを実施しています。
 
また、この夏休み期間は教職員向けの研修会での講演などもお引き受けしました。
現場の先生方のスキルアップに貢献できればと思っています。
 
さて、学校の先生からのご意見あるいは悩み事としてよくお聞きするのは、
「一斉指導と、個々の子どもの特性に応じた個別指導
 (ここでは“オーダーメイドの指導”と呼ぶことにします)の両立の難しさ」です。
 
以前は授業といえば学年ごとに定められた目標に対しての一斉指導が中心でしたが、
最近は特別支援教育、通級指導、合理的配慮、といったオーダーメイドの支援の重要性が指摘されています。
 
発達障害をもつ子どもは一斉指導だと十分理解できないことも多いため、
オーダーメイドの指導の推進は好ましいことだと思いますが、現場の先生は一斉指導を行いつつ、
オーダーメイドの指導にも目を配らなければいけないということです。
両者のバランスやどこまでが合理的なのか?など確かに悩ましいところだと思います。
(一般のクラスでは担任の先生ひとりがこの両立を担っているのが普通で、これは実際大変な苦労だと思います。)
 
オーダーメイドの指導は、「指導内容に根拠があること」「子どもの同意が得られていること」
「子ども・教員双方にとって無理なく実施できること」が重要です。
私たちが教育機関と連携する際は、
子どもの特性を伝えるだけでなく上述のような先生の悩みどころについて理解し、
現場で実現可能性のある支援策をともに考えていきます。
 
今回のコロナ禍では休校や行事の取りやめなど残念なことも多いですが、
リモート授業などの「(一般に広く受け入れられるのは)しばらく先かな。」
と思われた学び方が一気に浸透しました。
感染拡大防止のための手法が、結果的にオーダーメイドの指導の可能性を切り開いたとも言えます。
 
近い未来の学校の授業は、手書きで板書して学ぶ子もいればタブレットで学ぶ子もいる、
教室で学ぶ子もいれば別室や自宅でリモート学習をする子もいるなど、
一人ひとり多様な学び方をしている姿がみられるのではないでしょうか。
子どもも先生も生き生きと学べる教育現場であるよう、これからも教育機関との連携をすすめていきたいと思います。
 
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、公式twitterで随時お知らせしております。引き続きご参照ください。

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