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「戦争にまつわる体験談」

更新日:2018年2月23日

ページ番号:26517891

戦争にまつわる体験談


原田 清美


 何から進めようかと迷いますが、1つずつ書いてみます。

 赤紙の召集令状で、父は2度目の出征です。千人針といって、白い布地(サラシ)に赤い糸で玉を刺してもらい、運針千人とか、又、日の丸の旗に心を込めた祈りの署名を多くの人々から頂き、町内の方々のお見送りで1人で広島に行き、入隊致しました。しばらくし、母が面会で、重箱に何か作って広島に行ったのを想い出します。それが戦地に出る前だったのでしょう。母は何も語りませんが、私が今その場の母なら大声で泣くと思います。やはり日本人として強い立派な人間です。

 戦争中はB29の飛行機が来ると、警戒警報発令のサイレンが鳴りひびき、壕にもぐり込んで去り行くのを待っていました。穴の中では、父を見送った時、汽車に乗る父の姿を思い出し、「お父ちゃん助けてー」と泣いていました。岡山市内に爆弾を落され、炎の海となり、北の方角が赤く燃えるのを、私は恐ろしくて見ることが出来ず、防空豪の奥で震えていました。昼間でも灯のもれないよう、ガラスに白いテープ状の紙を張り、夜は裸電球を黒い布でおおい、灯りをもらさないような生活でした。

 当時は髪の毛にしらみが発生し、すきぐしで毎日すかれて痛く、又、卵は髪の根っこにうみつけるので、すきの後はその卵を根っこからひきとるのがどんなに痛かった事か、それがその暗い電気の下での母の仕事でした。朝礼で校庭に並んでいると、前の子のえりに、しらみが動くのがいつも見えました。のみ、しらみは平気でどんどん増えている世代です。どうして、いつからいなくなったか今でも判りません。

 防団帽を肩に掛け、一里の通学、夜は枕元に着る物をきちんと置き、くつもそろえて置いていました。私は体の弱い女の子で病気ばかりし、母に反抗し、叱られてばかりの小学生でした。学校で靴や洋服の配給があるけれど、数が少ないので、くじで当たると受けられる状態でした。私はくじ運が良く、靴も服も不自由なく頂いていました。山の赤松に昇り、すべり落ちた事もありましたが、母が言うには体の傷は癒えるが、洋服は直らないと叱られました。折角頂いた洋服はすり切れて、もう着れないでしょうと言われ、『私、木から落ちたら死んでいるかもよ、赤松が良くすべる事を知っていたので、必死で大樹を抱いてすべり落ちてけがをしていないこと』をほめて欲しいと思っていました。山に入るのは、父がいないので、代わりにお風呂のたき木を集め、まつ葉も取りに行くためでしたから、叱られる事もないのに…と思っていました。

 学校の田植や稲刈、麦刈の作業で、時折、遠い長い道のりの田んぼに6年生が前と後で、4年生と5年生を守りながら、土手を一列となって進行中、大きな牛が土手につながれて2,3頭で道をふさいでいるのが、ものすごく恐ろしかったです。牛のいないある日、土手を歩いているとB29が来て、空から金色のテープらしき物がシャラ、シャラ、シャラと金色の光一杯舞い落ちて来て、必死で麦畑に伏せ、「お父ちゃん助けて」と泣いていました。ここで死ぬかとも思いました。6年生に助けられて農業もやらされていました。

 駅の倉庫に荷物が重ねて積まれ、そこが子供の遊び場となっていました。時には、あわ、ひえ、きびとか食物がこぼれているとひろって、ドンゴロス(麻袋)の穴を大きくして、袋に入れていると、おまわりさんが来て見ていましたが、何も言わず笑ってくれていました。母が粉にして団子を作って食べました。私だけではなく、みんながやっていました。山の竹やぶも切り開き、おじと母と私も手伝って畑を作り、さつまいもを植えたことも苦しい想い出です。母は着物や帯を食べ物に交換し、大きなリュックでさつまいもを持って帰ったこともあり、農業の家はいいなあ、両親がいて食べる物もあるし、どうして私は父がいないのかと残念に思っていました。

 終戦でアメリカ軍の戦車が何やらしゃべりながら列を作って多く進んで来て、恐ろしくて近くの家にかけ込みました。又、日本兵が帰省する際の駅のホームで、ごくろう様と子供達がお茶をサービスしていました。私は父を知っている兵士がいないかと、聞きまわって淋しかったことを忘れません。やはり戦争は反対です。

平成29年2月21日寄稿

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