マダニの感染症「日本紅斑熱」「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」等に注意しましょう
更新日:2025年6月24日
ページ番号:14397458
【医療機関の皆様へ】
ダニ媒介感染症について
ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニ(主にマダニ)に刺されることによって起こる感染症のことです。
人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、刺された人が病気を発症することがあります。
ダニ媒介感染症(厚生労働省)(外部サイト)
ダニ媒介脳炎について(厚生労働省)(外部サイト)
マダニに注意!ダニ媒介感染症(兵庫県疾病対策課)(外部サイト)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はウイルスを保有しているマダニに咬まれることで感染します。
日本では、2013年1月にSFTSの患者が国内で初めて確認されて以降、毎年60名前後が報告されています。
現在までに西宮市内での発生はありませんが、兵庫県内では患者報告がありました。全国でこれまでに確認された患者の年齢層は5歳から90歳代で、全患者の約90%が60歳以上となっています。
潜伏期間は6日から2週間で、発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状、リンパ節腫脹、出血傾向などが現れ、血液中の血小板が減ることが特徴です。
主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状で、重症化することもあり、致死率は10~30%となっています。
今のところ有効なワクチンや特異的な治療がなく対症療法が中心です。
【国立健康危機管理研究機構】重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(外部サイト)
【厚生労働省】重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(外部サイト)
日本紅斑熱について
日本紅斑熱の病原体は、日本紅斑熱リケッチア、媒介ダニはマダニ類です。潜伏期間は2~8日で、症状は高熱、発疹、刺し口等で重症化し、死亡することがあります。
主に西日本で発生がみられ、兵庫県内や西宮市内でも患者発生が確認されています。春から秋にかけて、日本紅斑熱の患者が増加傾向です。
【国立健康危機管理研究機構】日本紅斑熱について(外部サイト)
【国立健康危機管理研究機構】日本紅斑熱リケッチア媒介マダニの国内分布状況(外部サイト)
マダニに咬まれてしまったら
マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。
吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科など)を受診し、処置(マダニの除去、洗浄など)を受けてください。
また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合はマダニに咬まれたことを告げて医療機関を受診してください。
マダニに咬まれないために(感染予防策)
マダニの生息場所に近づかない!
マダニは、シカやイノシシ、野ウサギなど野生動物が出没する環境に多く生息しています。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。
また、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。農作業や草刈り、山中での山菜採りや狩猟等はダニに咬まれる恐れがあります。
肌の露出が少ない服装をする
マダニは全国各地の山野に広く分布していることから、草むらや藪に入るときは長そで・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。
外出後は、衣服の表面や体にマダニが付いていないかよく確認しましょう。上着や作業着を家の中に持ち込まないようにし、すぐに洗濯したり、日光にあてて乾燥させてください。
ガムテープを使って服に付いたダニを取り除く方法も効果的です。
屋外活動後はシャワーや入浴をして、マダニに刺されていないかチェックしましょう。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。
忌避剤(虫よけ剤)の使用
マダニに対する忌避剤が2013年から新たに認可されました。現在は、ディート、イカリジンの2種類の有効成分の忌避剤が市販されています。
忌避剤の使用でマダニの付着数は減少しますが、マダニの付着を完全に防ぐわけではありません。
忌避剤を過信せず、様々な防護手段と組み合わせて対策を取ってください。
マダニ対策、今できること(国立健康危機管理研究機構)(外部サイト)