石井市長の"てくて句歳時記"
更新日:2024年9月10日
ページ番号:70274713
てくて句歳時記
令和6年9月
明治時代末頃から、自然豊かな環境で生活する「郊外生活」が都市部の商人・知識人によって築かれました。その機運の中で、甲陽園地区も開発が進められました。今は閑静な住宅地ですが、開発が始まった大正時代は、一大リゾート地でした。大池周辺には、甲陽公園と称して、温泉・旅館・社交場・劇場・活動写真上映館・植物園・遊園地などが整備され、特に現在の阪急甲陽線が開通した大正13年以降、かなりにぎわっていたそうです。当時の様子を想像するだけで心が躍る気持ちです。
昭和の恐慌や戦争により、これら一帯の施設は姿を消してしまいますが、自然環境と調和した住宅地として今に至っています。まちの性格は変わりましたが、大池は昔も今も、甲陽園の人々の心を潤し、草木や鳥、虫たちの憩いの場となっています。
8月に大池公園で開催された甲陽園夏まつりは盛況で、かつての甲陽公園が復活したかのようでした。大池には立派なスイレンが元気に生育し、その存在感ある姿が、心を落ち着かせてくれます。普段の大池は静寂そのものですが、じっとスイレンの葉を見ていると、大正時代の楽しげな様子が浮かび上がってくるようです。
≪写真≫ 大池と甲陽園の街並み
バックナンバー
- 令和6年8月(歓声や 山ふところの 水遊び)
- 令和6年7月(鳴尾なる 一本松へ 南風)
- 令和6年6月(花卯木 かむさるように 百間樋)
- 令和6年5月(青蛙 はぐくみ継ぎて 学び舎に)
- 令和6年4月(晴れ渡る 廣田の山に つつじ咲く)
- 令和6年3月(若鮎や 生瀬トンネル 開通す)
- 令和6年2月(雪解風 きづなつむぎて 復興へ)
- 令和5年12月(北おろし まちと人とを 育みて)
- 令和5年11月(朝焼けの 沖からきたる 百合鴎)
- 令和5年10月(天平の 空からきたか 鬼やんま)
- 令和5年9月(学文の 坂本ですが 鳥渡る)
- 令和5年8月(いにしへの あの夏空を 忘れまじ )
- 令和5年7月(夏空に 塔屋の威風 六角堂 )
- 令和5年6月(北山の 花木喜ぶ 梅雨の空)
- 令和5年5月(一望の いちご畑や 鳴尾村)
- 令和5年4月(浜大根 咲いて鳥待つ 人を待つ)
- 令和5年3月(先人の 思いをつなぐ 桜かな)
- 令和5年2月(鳥も木も 頬を緩める 梅の花)
- 令和4年12月(落葉掃き 我がまち思う 宮っ子ら)
- 令和4年11月(時超えて 町を見守る 紅葉山)
- 令和4年10月(芸術の 秋を市民と 半世紀)
- 令和4年9月(学び舎に 子等の育てし 稲香る)
- 令和4年8月(ひたむきに 白球を追う 夏の空)
- 令和4年7月(海猫と 永遠の少年 帰還せり)
- 令和4年6月(思ひのせ 蘭学のみち 蛍舞ふ)
※西宮市政ニュース令和4年6月からおおむね月1回掲載
お問い合わせ先
西宮市六湛寺町10-3 西宮市役所本庁舎 4階
電話番号:0798-35-3432
ファックス:0798-22-7272