令和8年度西宮市施政方針
更新日:2026年2月16日
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令和8年度西宮市施政方針演説(令和8年2月16日)
目次
令和8年度西宮市施政方針
本日ここに、西宮市議会第16回定例会の開会に当たり、新年度予算案をはじめ諸議案の提案とともに、私の施政方針を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。
はじめに
令和7年度は、市制施行100周年となる、本市にとって大変重要な、記念すべき年でありました。昨年4月に開催いたしました記念式典では、これまで市政や市民生活を支えていただいた地域団体や事業者の皆様をはじめ、多くの市民やご関係の皆様と共にこの節目をお祝いすることができました。
記念式典をはじめとする周年事業を通じて、地域の絆や市民力の強さを改めて実感するとともに、次の100年に向けて、まちを支える「人」と「つながり」を育てることの重要性を再確認いたしました。
この記念すべき年に市長を務めさせていただいた者として、この先に続く未来に向け、「文教住宅都市・西宮」の堅持と、さらなる発展を目指していくことに対し、決意を新たにしたところです。
<市の将来像について>
本市においては、関西圏で「住みたい街ナンバー1」の評価を受けており、令和2年から5年まで、転入者が転出者を上回る人口の社会増が続いていました。令和6年こそ49名の社会減となりましたが、令和7年はふたたび507名の社会増となっています。
こうした状況のもと、文教住宅都市としての価値を保ち、選ばれ住み続けていただく、そして住むことで誇りと憩いを感じていただけるまちであり続けることを目指し、しっかりと市民生活を支えられる持続可能な行政サービスを構築しながら、良好な住環境の保全と向上、公共施設の老朽化対策などによる安全・安心の確保とともに、まちの価値を高める新たなまちづくりをバランスよく進めてまいります。
また、この国の将来を担う子供達について、これまで子供・教育施策には重点的に取り組んでまいりましたが、新たに子供達自身を直接支えられるような取組についても検討し、子供の最善の利益を中心に据えた施策展開につなげてまいります。
<財政構造改善の取組>
本市では令和6年度より、市の最重要課題として財政構造改善に取り組んでおります。社会保障関係費の増加や物価上昇、施設の老朽化対策など、歳出の増加要因が重なる中でも、市民サービスを将来にわたり維持するためには、事業の選択と集中、歳出構造の見直し、歳入確保を総合的に進める必要があります。
「財政構造改善実施計画」でお示しした取組を着実に進めることとし、令和6年度におきましては、一定の効果を生み出すことができました。引き続き、一つひとつの取組を丁寧に積み重ね、財政構造そのものを変えていくことで、財政収支の均衡と持続可能な市政運営の実現を目指してまいります。
続いて、新年度に実施する主要な事業・施策について、本市の最上位計画である「第5次西宮市総合計画」の体系に沿ってご説明いたします。
1 住環境・自然環境
基本計画の第1部「住環境・自然環境」についてです。
本市の特徴である利便性と自然が調和したまちづくりを継続し、良好な住環境の保全と向上を図ります。そのため、魅力的な都市核の形成、都市機能の更新、交通機能の充実を進め、誰もが利用しやすい歩行者と公共交通を中心とした交通体系の整備や、市民に憩いや安らぎをもたらす公園・緑地の整備に取り組みます。
また、限られた財源の中でも事業を厳選し、民間事業者との協働などにより効果的に整備を進めることで、まちの価値や魅力を更に高め、引き続き「住みたい街」としての高い評価を維持していきたいと考えております。
阪神西宮駅北側地区では、土地区画整理事業の施行認可を取得し、事業に着手いたしました。令和8年度は、市街地再開発事業の施行認可など工事着工に向けた手続を進め、同地区が本市の都市核にふさわしい賑わいと活力のある駅前空間となるよう、引き続き民間事業者と連携して取り組んでまいります。
また、同地区に移転整備する新中央図書館につきましては、基本構想及び基本計画の具体化に向け、着実に準備を進めてまいります。
市役所本庁舎周辺地区では、居心地が良く歩きたくなるウォーカブルなまちなかづくりを進めており、既にリニューアルが完了した本庁舎前空間に続き、隣接する六湛寺公園について、国の補助金などを活用した再整備を進め、回遊性と滞在性の向上につなげてまいります。
JR西宮駅南西地区では、令和9年7月の竣工を目指し、引き続き沿道施設及び複合施設の整備を進めます。都市核にふさわしい新たな都市機能の導入と、賑わいと魅力ある都市空間の形成により、土地の合理的かつ健全な高度利用を図ってまいります。
森永乳業近畿工場跡地ほか周辺の工場等跡地における大規模な土地利用転換については、南部市街地の中心部にふさわしい計画的で良好なまちづくりが行われるよう、関係者と協議を進めてまいります。
臨海部では、「臨海部の土地利活用構想の基本方針」に基づき、各埋立地における大規模公園の一体的な価値向上を目指しております。鳴尾浜臨海公園南地区では、パークPFI制度を活用した官民連携による公園整備及び管理・運営を進めるため、令和8年度は旧リゾ鳴尾浜の解体工事を行います。市民が日常的に利用しやすく、来園者にも魅力ある臨海部となるよう、公園機能の向上に取り組んでまいります。
公共交通については、利便性の向上と生活移動手段の確保に向けた取組を着実に進めます。阪急武庫川新駅設置事業は、駅舎の詳細設計を進めるとともに、令和8年夏頃から準備工、秋以降から本格的に工事着手いたします。令和13年度末の新駅開業を目標に、地域の皆様のご意見をお聞きしながら、尼崎市及び阪急電鉄と協力して取り組んでまいります。
コミュニティ交通は、生瀬地区・名塩地区に続き、本年3月から甲陽園地区でも本格運行を開始いたします。引き続き、地域が主体となって進める取組を積極的に支援し、地域の移動課題の解決につなげます。さらに、甲子園エリアで実施した自動運転バス実証実験については、令和8年度も国の補助制度を活用し、特定の条件下で自動運転装置が運転操作を行う自動運転レベル4での運行を目指して取り組んでまいります。
公園については、整備後30年以上が経過した都市計画公園を対象に、老朽化した公園施設の改修やバリアフリー化など、地域ニーズに対応したリニューアルを進めています。令和8年度は名来南公園で工事を実施するほか、浜甲子園運動公園では老朽化した船の遊具を複合遊具へ更新し、子供の遊び場の充実と安全・安心の確保を図ります。公園が世代を超えて集える身近な居場所となるよう、利用しやすさにも配慮してまいります。
市営住宅については、真に住宅を必要とする方に効果的に供給するため、入居者選考にポイント方式を導入いたしました。近年の建築費高騰等により建替に係る財源の確保が難しくなる中、「(仮称)市営住宅建替・住替計画」を策定し、入居者の安全確保とともに、事業費縮減を図り、事業の継続性を確保してまいります。
2 子供・教育
次に、基本計画の第2部「子供・教育」についてです。
少子化が進む中、本市にとっても子供・教育施策は最も重要な政策分野です。子供の育ちと学びを守り、家庭の状況に左右されない支援を行うことが、まちの将来の力につながります。行政、学校、地域、医療などが連携し、切れ目のない支援体制の充実を図ってまいります。
子育てを行う全ての家庭が必要な医療を受けられる環境を整えるため、令和8年1月より18歳までの子供にかかる医療費を無償化いたしました。令和8年度も引き続き実施し、子育て世帯の負担軽減と安心の確保につなげます。
昨今の物価高騰に大きな影響を受けている学校給食は、栄養バランスの取れた食事を提供するだけでなく、食育の観点からも重要な役割を果たしています。物価高騰の影響を踏まえ、国の方針に基づき給食費の負担軽減を行うと同時に、給食の質の向上を図ります。あわせて、運営の効率化に努め、児童生徒や保護者の声も取り入れながら、継続的に改善を進めてまいります。
保育については、当面高い需要が見込まれることから、既存施設の有効活用などにより受入枠の拡大に努め、保育士確保とあわせて待機児童の解消に向けて取り組みます。
また、公立園の再編にあたり、子供の教育・保育にとって望ましい集団活動が継続的に可能となるよう、公立認定こども園の開設を進めます。あわせて、幼児教育・保育センターを、子育て総合センター付属あおぞら幼稚園の跡施設に移転し、幼児教育に関する研修・研究や、就学前から小学校への円滑な接続の支援など、公私幼保問わず本市全体の幼児教育・保育の質向上につながるよう機能の充実を図ります。
ひとり親世帯の養育費確保については、公正証書作成等の補助に加え、強制執行申立費用の補助を実施してきました。令和8年度からは養育費保証契約の保証料補助やADR(裁判外紛争解決手続)に係る手数料等補助も開始し、確実に養育費を受け取ることができるよう、多様なニーズに対応してまいります。
発達に特性のある子供への支援については、乳幼児健診等での気づきから、相談機関でのアセスメント、そして一人ひとりの特性に応じた福祉サービスの提供など、本人や家族への切れ目ない支援体制の整備を進めてまいります。
産後ケア事業は、令和8年度から県内広域連携の集合契約に参加し、利用可能施設を県内全域へ拡大することで、利便性の向上につなげます。身近な場所で必要な支援が受けられる環境を整え、産後の不安軽減と母子の健康保持に取り組んでまいります。
放課後施策については、留守家庭児童育成センターの需要増に対応するため、学校の特別教室等を一時利用するタイムシェア方式の活用や民設放課後児童クラブの開設等により、受入枠の拡大と環境改善を図ります。あわせて、令和8年度中に放課後キッズルーム事業を全校展開し、全ての小学校において子供の自由な遊び場や学びの場を提供いたします。放課後の時間を安全に、そして豊かに過ごせるよう、学校や地域の理解と協力も得ながら進めてまいります。
また、子供達の朝の居場所づくりについては、深津小学校で実施されてきた見守りの取組を踏まえ、令和8年度はモデル的に市が主体となって、保護者や学校、地域と協力しながら、同小学校において実施いたします。
学校施設については、長寿命化計画に基づき効率的かつ効果的な整備に取り組みます。安全確保のための床改修や屋根改修をはじめ、給食室の空調整備を前倒しで実施するとともに、トイレの洋式化を推進し、教育環境の改善を図ります。また、少子化を見据えた学校のあり方や適正配置について丁寧に検討を行い、子育て関連施設や市民集会施設など、公共施設との複合利用の可能性についても視野に入れつつ、大社中学校の改築を進めるほか、西宮浜義務教育学校では給食調理場の一元化を図り、業務の効率化やコストの抑制につなげてまいります。
不登校児童生徒数は、市内でも、令和3年度以降4年連続で1,000人を超える状況が続いており、学びの機会の保障が大きな課題です。そのため、魅力ある学校づくり、一人ひとりに寄り添う校内環境づくり、多様な学びの場の充実という3つの柱で支援を進め、時代の変化や子供の声を踏まえ、「誰もが安心してつながり、学べる環境づくり」を目指します。
そこで、子供の声をしっかりと受け止め、それを出発点と捉える学校づくりに向けて風土改善に取り組んでまいります。
本市では、これまで、武庫川女子大学と共同開発した心理状態チェックシステム「こころん・サーモ」を活用した予兆把握の手法を検討してきました。この取組は国の実証事業に採択されたほか、統計データ利活用で表彰されるなどの評価をいただいています。今後は、この成果を生かして早期支援、教育活動の改善につなげたいと考えております。
また、校内サポートルームの充実、学びの多様化学校の設置検討などを進め、支援が有機的に結びつく体制を構築してまいります。
部活動については、地域クラブ活動「プレイにしのみや(プレみや)」に関し、本年9月の本格実施に向け、多くの中学校の部活動で設置されていた種目だけでなく、部活動にはなかったダンスなども地域の中で選択できる環境が概ね整いました。今後も引き続きプレみやクラブの募集を行ってまいります。あわせて、統括団体を中心とした運営基盤の強化、経済的困窮世帯への支援、生徒・保護者等への広報、学校施設整備等について更に取組を加速化させます。子供達の選択肢を広げ、継続的に活動できる環境を整えることで、心身の健全な成長にもつなげてまいります。
また、学校水泳授業については、熱中症リスクの高まりやプールの老朽化、維持管理コストなどの課題を踏まえ、民間施設を活用したモデル事業により、本市の実情に合った効果的・効率的な方策を検討してまいります。
3 福祉・健康・共生
次に、基本計画の第3部「福祉・健康・共生」についてです。
少子高齢化が進み、福祉・医療等に係る行政需要が増大する中、各施策を継続・充実しつつ、より効果的に進めるためには、既存事業の見直しや、時代に適合した新たな支援の組み立てが必要です。市民一人ひとりが生き生きと自分らしい生活を営めるよう、持続可能な福祉施策の構築に取り組んでまいります。
認知症施策については、「共生」と「予防」を両輪とした国の方針等を踏まえ、早期発見・早期対応を推進し、必要に応じて医療・介護などの支援につなぐ体制を構築するために、令和8年度より認知症無償診断を開始するとともに、認知症賠償保険制度の開始、福祉サービス利用援助事業の拡充等を図り、本人と家族の安心を高め、認知症になっても自分らしく暮らし続けられる地域づくりを進めます。
また、短期集中型通所サービス「リエイブルメントサポート」は令和8年度もモデル実施を継続し、効果検証を行ったうえで令和9年度からの本格実施を目指します。
西宮歯科総合福祉センターで実施している歯科診療事業について、障害者歯科診療事業の運営方法を見直し、持続的かつ安定的、安全にご利用いただける体制を整えます。
統合新病院「(仮称)西宮総合医療センター」は、令和8年7月1日の開院に向け、順調に工事が進んでおります。新病院開院と市立中央病院の閉院を円滑に迎えられるよう、引き続き課題の整理・調整に取り組みます。
統合後の中央病院跡地のうち本館敷地部分については、民間医療機関の誘致を前提として土地・建物を一体的に売却する方針のもと、令和8年度中の売却を目指し取り組みを進めてまいります。
差別のない、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向け、人権教育・啓発に努めます。また、戦争や被爆体験のない世代が増える中、体験の継承も重要であることから、平和意識を高める機会を継続して提供してまいります。
4 都市の魅力・産業
次に、基本計画の第4部「都市の魅力・産業」についてです。
参画と協働の理念に基づき、地域住民等が主体のまちづくりを推進するとともに、地域課題の解決に向けた相談支援の強化、地域との顔の見える関係づくりを推進します。また、文化・芸術やスポーツ、生涯学習などに親しむ豊かな市民生活や、様々な地域資源の魅力を地域活性化や産業振興に結び付け、まちの更なる発展を実現させてまいります。
地域課題が複雑化・多様化する中、担い手の高齢化や活動人口の減少などにより、地域活動の継続が難しい地域もあります。こうした状況を踏まえ、「参画と協働の推進に関する条例」を時代に合わせて改正しました。改正の趣旨も踏まえ、市民の皆様が地域への愛着と誇りを持ち、課題を自分事として捉えて主体的に関わっていただくことに加え、多様な主体による協働が生まれ継続する環境整備を進めてまいります。
また、市民交流センターと大学交流センターを再編し開設した市民・大学共創プラザでは、多様な主体のつなぎ役として地域課題解決を支援してまいります。
地域コミュニティ活動は本市のまちづくりに不可欠であり、担い手不足などの課題に直面する中、行政と地域が一体となって課題解決に取り組むことが重要です。職員がこれまで以上に地域に出向き対話を重ね、課題の把握と解決につなげてまいります。公民館、市民館、共同利用施設については、将来の一体的運用も見据え、利用基準の平準化等により利便性向上を図り、地域に身近な活動拠点として機能を高めてまいります。
生涯学習については、西宮市生涯学習推進計画の中間評価を踏まえ、地域団体、民間企業等の多様な主体との連携促進や庁内研修等を通じ、関連部署と連携しながら取組を推進します。越木岩センターについては、図書館とコミュニティプラザの複合施設として整備を進め、交流と学びの拠点としての機能を高めてまいります。
市民や学生が本市で学んで良かったと実感できる「大学のまち・西宮」を目指し、ふるさと納税を活用した大学への応援制度を開始しました。市民・大学共創プラザでの取組とあわせ、大学と地域の連携や学生の社会活動支援を進め、若い世代が地域で学び、活動し、その成果が地域に還元される好循環をつくってまいります。
スポーツ・文化の拠点整備として、中央運動公園等の再整備では、埋蔵文化財の本発掘調査を進めつつ、令和8年度中に新陸上競技場の建設工事に着手する予定です。市民会館については老朽化対策として大規模修繕が必要であり、令和9年度中の工事着手を目指して取組を進めます。あわせて、誰もが文化芸術に触れ体験できる機会を広げ、世代や立場を超えた交流を促進し、都市の魅力向上と地域活性化につなげてまいります。
産業振興では、原材料費やエネルギー価格の高止まり、人手不足など厳しい状況を踏まえ、中小企業等への省力化・生産性向上、設備導入に対する支援や、医療機関等に対するDX支援、福祉介護施設等における物価高騰対策などの支援を実施します。
また、起業家支援センターを通じて起業前から拡大期まで切れ目なく支援し、新たな担い手の育成につなげます。引き続き、西宮商工会議所と連携し、国・県等の支援も活用しながら、事業者の実情に即した支援を行うとともに、本市の産業振興の発展に努めてまいります。
5 環境・都市基盤、安全・安心
次に、基本計画の第5部「環境・都市基盤、安全・安心」についてです。
誰もが安全・安心で快適に暮らすためには、生活インフラの整備・充実が不可欠です。ごみの減量・再資源化、都市基盤の更新、防災・消防・救急体制の強化など、各施策を着実に進めてまいります。
本市では、平成15年に全国初となる「環境学習都市宣言」を行い、「第3次環境基本計画」に基づき取組を進めております。地球温暖化や生物多様性の喪失など環境課題が深刻化する中、市民一人ひとりが課題を自分事として捉え行動につなげることが重要です。令和7年度より中学生の「トライやるウィーク」期間中に、環境に関するレクチャーや体験を行う「トライやるウィーク+環境学習」事業を開始し、約50の事業者・団体に参画いただきました。学校、地域、事業者など多様な主体との協働により、地域に根差した環境学習を支える仕組みづくりを引き続き進め、学びが行動に結びつく取組を広げてまいります。
また、「2050ゼロカーボンシティにしのみや」の実現に向け、公共施設のLED化、再生可能エネルギー設備や電動公用車の計画的な導入を進めるほか、リバースオークションを活用した低価格な環境価値付き電力の利用拡大を図ります。地域の脱炭素化については、個人住宅等に対する再生可能エネルギーや省エネルギー設備の普及を促進するとともに、令和7年度から始めた武庫川女子大学との連携による環境啓発に努めてまいります。
本市では、「快適な市民生活の確保に関する条例」に基づき歩きたばこの規制を行い、市内の主要駅周辺での喫煙マナー向上に向けた啓発を行ってきました。国、県による受動喫煙の規制強化をふまえ、今後も一層の対策が必要であり、喫煙禁止区域の追加指定も含めて、路上喫煙規制に係る啓発、指導について見直しながら、路上喫煙対策を総合的に進めてまいります。
西部総合処理センター焼却施設については、老朽化が進行しており更新が必要です。ごみの減量も踏まえ、東西2施設を1施設に集約した新たな焼却施設の整備を進め、令和14年度の稼働を目指して着実に取り組んでまいります。
また、東部総合処理センター新破砕選別施設の稼働に合わせ、生活系ごみの分別区分・収集回数を変更し、住民負担の軽減や収集・処理業務の効率化、ごみの減量を図ります。プラスチック製品と包装類の一括収集・再資源化を推進し、温室効果ガス排出量の削減と処理施設の延命化につなげます。あわせて、一定量以下の排出事業者を対象とする少量排出事業者制度を開始し、適正処理の推進とリサイクル率向上を図ってまいります。
斎園事業につきましては、多死社会の到来を踏まえた墓地の適切な供給を行うため、空き区画となった墓地の整理を進めるとともに、満池谷納骨堂、甲山墓園など対象を拡大して使用者を公募しました。白水峡公園墓地については、一般墓地における随時募集の実施を目指してまいります。
また、多様な墓地ニーズに対応するため、合葬式墓地の申込状況を注視しつつ、墓じまいされる方に対する支援策を検討します。その他、火葬場設備維持などに係る財源確保を目的とし、残骨灰に含まれる有価物の収益化に取り組むほか、市立墓地等における指定管理者制度の拡充について検討してまいります。
上下水道については、老朽化した管路・施設の更新を進めるとともに、南海トラフ地震や局地的豪雨等に備え耐震化等を継続します。一方で、人口減少による料金収入の減少や更新需要の増大、物価上昇等により厳しさを増す経営環境を踏まえ、投資・財政計画を見直した結果、水道料金及び下水道使用料の改定が必要と考えております。今後は、市民の皆様に、料金改定の必要性について丁寧に説明し、ご理解を得られるよう努めてまいります。
道路については、橋梁などの長寿命化や耐震対策などの維持管理に努めるとともに、幹線道路等の整備を進めます。北部地域においては、山口南幹線の整備を進め、国道176号(名塩道路)の早期完成に向けて、引き続き国への働きかけを行うとともに、南部地域では、門戸仁川線、今津西線などの道路整備や、小曽根線などの道路改良を着実に進めてまいります。
防災については、クラウドを活用した県下統一の被災者支援システム導入を進め、職員負担の軽減と業務の迅速化を図るとともに、被災者一人ひとりに寄り添った支援につなげます。消防・救急については、統合新病院の開院に合わせて救急ワークステーションを整備し、医療機関との連携を強化するとともに、救急救命処置の質の向上と迅速な活動を通じて救命率向上を図ってまいります。
6 政策推進
次に、基本計画の第6部「政策推進」についてです。
厳しい財政状況の下でも必要な行政サービスを安定的に提供し続けるために、財政の健全化に加え、公共施設マネジメント、組織の活性化、人材育成、DX、そして広報広聴などを一体として進め、行政運営の基盤強化を図ってまいります。
財政構造改善については、実質単年度収支の均衡を目標に取組を進め、基金の取崩しに依存しない財政体質の確立を目指し、社会経済状況の変化に対応できる財政基盤の構築、持続可能な財政運営や安定的な行政サービスの提供の実現を図ってまいります。
人件費については、定員管理計画に基づく職員数の削減や国や他市との均衡を失している各種手当の見直しを進めてきたところです。引き続き人員抑制と給与水準適正化の両面から人件費の抑制に取り組んでまいります。
外郭団体についても、団体共通の課題や団体ごとの課題解決に向けた取組を進めてまいります。
公共施設については、適切なマネジメントに向け、必要となる財源確保のため、基金を有効に活用できるよう条例を見直したほか、施設更新等の際には周辺施設も含めた複合化や集約化の検討も行うなどの取組みを進めているところですが、今後はさらに、各施設に関する個別計画の見直し・改定を進め計画の精度を高めるとともに、全体最適の観点から、各施設の修繕・更新に係る優先順位や予算配分などを一元的に管理する方策を検討してまいります。
“「伝える」広報から「伝わる」広報へ”を実現するための指針として策定した「西宮市広報戦略」に基づく取組の一環として、本市の情報発信の基本媒体と位置付けている市政ニュースを令和8年4月からリニューアルいたします。リニューアルでは月1回の発行にしながらもページ数を充実させ、これまでの「お知らせ」中心の記事から、テーマに関わる市民やその背景を取り上げる特集記事や、地域の魅力を発信する記事を掲載するなど、市民の皆様が読みたくなる広報紙を目指してまいります。
人事評価制度については、頑張っている職員が報われる制度となるよう更なる見直しを進めるとともに、公募型庁内FA制度の試行結果等を踏まえ、職員の主体的なキャリア形成と適材適所の配置、組織の活性化につなげます。あわせて、カスタマーハラスメント対策を組織的に推進し、職員が安心して業務を遂行できる環境を整えてまいります。
DXに関する取組については、西宮市DX推進指針に基づき、自治体システムの標準化、生成AIの活用、手続きのオンライン化、窓口DXなどを進めます。さらに、東京大学大学院との連携による先進的な取組として、ローカルな環境で動作するAIモデルを使った問い合わせ対応、屋外広告物のAI検知、ウォーカブルなまちづくりのためのAIシミュレーションに着手するなど、市民の利便性向上と内部事務の効率化を両立させた、抜本的な変革を実現してまいります。
予算
次に、令和8年度予算について概要を説明いたします。
新年度予算は、財政構造改善の取組を進める中にあっても、市民生活を支える基礎的な行政サービスを確保し、将来のまちの価値を高めるために必要な投資を厳選して計上したものです。子供・教育、福祉、防災、都市基盤など、暮らしに直結する分野の安定運営を図りつつ、将来世代への責任を果たす観点からも、効果と優先順位を踏まえて編成いたしました。
このように編成いたしました新年度予算は、
一般会計 2,214億2,249万円 前年度比 0.9%減
特別会計 1,055億6,064万2千円 前年度比 8.8%増
企業会計 441億8,052万6千円 前年度比 5.1%減
合計 3,711億6,365万8千円 前年度比 1.2%増
となっております。
以上、新年度の市政に臨む私の決意と施策の大要を申し上げました。
市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、地域とともに課題解決に取り組みながら、「文教住宅都市・西宮」のさらなる発展につなげてまいります。
議員各位並びに市民の皆様のご支援をお願い申し上げますとともに、予算案をはじめとする諸議案にご賛同賜りますようお願いいたします。
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