「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)」について
更新日:2025年12月3日
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法改正の概要
2024年(令和6年)5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後も子供の利益を確保することを目的として、子供を養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。
この改正法は、2026年(令和8年)4月1日に施行されます。
改正内容についての詳細は、下記法務省のホームページをご覧ください。
法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)」について(外部サイト)![]()
法改正の主なポイント
親の責務に関するルールの明確化
父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子供を養育する責務を負うことなどが明確化されています。
子供の人格の尊重
父母は、子供の心身の健全な発達を図るため、子供を養育する責務を負います。子供の意見に耳を傾け、子供の人格を尊重しなければなりません。
子供の扶養
父母は、子供を扶養する責務を負います。子供が親と同程度の水準の生活を維持することができるようなものでなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
父母は、子供の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。
なお、次のような行為は、この義務に違反する場合があります。
- 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動
- 別居親が、同居親による日常的な監護に、不当に干渉すること
- 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断で子供を転居させること
- 父母間で親子交流の取決めがなされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
子供の利益のための親権行使
親権は、子供の利益のために行使しなければなりません。
親権に関するルールの見直し
離婚後の親権者
これまで父母の離婚後は、父か母のどちらか一方のみを親権者と定めなければなりませんでした。
今回の法改正により、離婚後は、父母双方を親権者と定めることも、これまでどおりどちらか一方を親権者と定めることもできるようになります。
親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)
親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
なお、次のような場合は、親権の単独行使ができます。
- 監護教育に関する日常の行為(※注1)をするとき
(※注1)日々の生活の中で生じる監護教育に関する行為で、子供に重大な影響を与えないもの
- 子供の利益のため窮迫の事情(※注2)があるとき
(※注2)・DVや虐待から避難(子供の転居を含む)する必要がある場合
・子供に緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合 等
養育費の支払確保に向けた見直し
子供の健やかな成長を支える養育費を確実に受取ることができるように、新たな制度の創設やルールの見直しが行われます。
合意の実効性の向上
これまでは、養育費の支払を怠ったときに相手方の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。
今回の法改正により、養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、「債務名義」がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成された文書に基づいて、差押えの手続を申し立てることができるようになります。
「法定養育費」制度の創設
これまでは、父母の協議や家庭裁判所の手続により養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。
今回の法改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続き子供の監護を主として行う父母は一定額の「法定養育費」を請求することができるようになります。
※「法定養育費」は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。子供の健やかな成長を支えるためには、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。
裁判手続の利便性向上
裁判手続をスムーズに進めるために、家庭裁判所が、当事者に対して収入情報の開示を命じることができるようになります。
養育費を請求するための民事執行の手続においては、地方裁判所に対する1回の申立てで、財産開示手続・情報提供命令・債権差押命令という一連の手続を申請することができるようになります。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
親子交流や父母以外の親族(祖父母等)と子供との交流に関するルールが設けられています。
親子交流の試行的実施
家庭裁判所は、子供の心身の状況に照らして相当であるかや、調査の必要性があるかなどを考慮して、親子交流の試行的実施を促すことができます。
婚姻中別居の場合の親子交流
婚姻中別居の場合の親子交流については、子供の利益を最優先に考慮し、父母の協議により定めます。協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定めます。
父母以外の親族と子供の交流
子供の利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族と子供との交流を実施するよう定めることができます。