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「第41回 西宮湯川記念賞受賞者」が決定しました

更新日:2026年10月23日

ページ番号:27805318

稲吉 恒平(いなよし こうへい)氏、第41回 西宮湯川記念賞を受賞

 西宮市では、理論物理学分野における研究者を奨励するため、若手研究者(40歳未満)の顕著な研究業績に対して、西宮湯川記念賞を贈呈しています。
 今年度は、全国から19件の推薦があり、西宮湯川記念賞選考委員会(委員長:肥山 詠美子 東北大学大学院理学研究科・教授、理化学研究所仁科加速器科学研究センター・室長)および西宮湯川記念事業運営委員会(委員長:大野木 哲也 大阪大学大学院理学研究科・教授)での審査の結果、稲吉 恒平 氏が受賞者に選ばれました。
 今年度の西宮湯川記念賞贈呈式は、令和8年12月5日(土曜日)13時から西宮市プレラホールで行われます。
 なお、贈呈式は「西宮湯川記念科学セミナー」とあわせて実施し、市民の皆様にもご参加いただけます。
 贈呈式・科学セミナーへの参加をご希望される方は、 事前のお申込み(11月13日必着)が必要です。

開催概要・申込方法などの詳細は、「令和8年度 西宮湯川記念科学セミナー」申込等ページ新規ウインドウで開きます。をご覧ください。

【受賞者】

稲吉 恒平(いなよし こうへい)氏

北京大学 Kavli Institute for Astronomy and Astrophysics(和名:北京大学 カブリ天文天体物理研究所) 准教授

(受賞者写真の無断使用を禁じます)


【受賞研究】

「超巨大ブラックホール形成に関する理論的研究」

【受賞理由】

 多くの銀河の中心には、太陽の100万倍から100億倍の質量をもつ「超巨大ブラックホール」が潜んでいる。近年、宇宙誕生からわずか数億年の時代に、すでに太陽の1億~100億倍もの質量をもつものが存在することがわかってきた。これほど短時間での成長は従来の描像では説明できず、それらがいつ、どのように生まれ成長したのかは現代宇宙物理学最大の謎の一つとなっていた。
 稲吉氏は、まず宇宙で最初に生まれた銀河の中で巨大なガス雲が一気に収縮し、ブラックホールの「種」となる超大質量星が誕生する過程を理論的に明らかにした。星の重力崩壊により形成されたブラックホールが超巨大ブラックホールへと成長するためには、周囲のガスが急速に降り積もる必要がある。しかし、ガスが降着する際に放つ光の圧力がそれ以上の降着を妨げるため、成長速度にはエディントン限界と呼ばれる上限があると考えられてきた。稲吉氏は理論的考察と数値シミュレーションによって、ガスの密度が十分高い場合には、ブラックホールが周囲のガスを飲み込み、エディントン限界を超えて急成長しうることを示した。さらにその自然な理論的帰結として、宇宙初期ではブラックホールが母銀河に対して著しく「肥大化」しうる、すなわち、超巨大ブラックホールの質量が母銀河の質量に対して占める割合が著しく大きくなりうることを予言した。2022年に観測を始めたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、稲吉氏が予言したように、母銀河に対して肥大化していると思われるブラックホールを多数発見した。
 このように稲吉氏は、超巨大ブラックホールの誕生から成長、銀河との共進化までを見通す理論的枠組みを築き、宇宙物理学の難問の一つに解決への道筋を示した。その業績は西宮湯川記念賞に相応しいものである。

西宮市池田町11-1 フレンテ西宮4階

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