令和7年8月(秋蛍 祈る平和や ニテコ池)
更新日:2025年9月10日
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てくてく歳時記
令和7年8月
満池谷町にあるニテコ池は、江戸時代の絵図でも確認できる池で、平成19年度まで越水浄水場の貯水池として利用されていました。背後に甲山を望み、春になると、ニテコ池周辺は鮮やかに咲く桜で彩られます。
このニテコ池は、野坂昭如さんの小説「火垂るの墓」の舞台として知られています。戦禍により家も親も失った14歳と4歳のきょうだいは、食料も十分にない中、池のほとりの防空壕で暮らし、懸命に生き抜こうとします。何の罪もない子供たちに、あまりに辛くふびんな思いをさせてしまう、戦争の悲惨さを本質的に問う作品です。私もこの夏、久しぶりに映画を見ましたが、改めてその切なさに、強く心を打たれました。
5年前には、ニテコ池に隣接する震災記念碑公園に、「火垂るの墓」の記念碑が有志により建立されました。今では、各地からニテコ池や記念碑を訪ねられているようで、この地が人々に平和の大切さを訴えているように感じます。
今年で終戦から80年となります。戦争が二度と繰り返されないよう、また、世界の戦禍が一刻も早く収束するよう、心から願うものです。
※現在、市の調査ではニテコ池でのホタルの生息は確認されていません
≪写真≫「火垂るの墓」の舞台となったニテコ池
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