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市長コラム 令和4年(2022年)12月

更新日:2023年1月4日

ページ番号:40429372

部活動の地域移行をどう進めるか

先月の11月29日、西宮市総合教育会議を開催し、部活動の地域移行について議論を行いました。
 
昭和の時代に部活人間として育った方からすれば(私も昭和の部活人間でした!)、部活動の地域移行と聞いて違和感があるかもしれません。部活動は学校生活の一ページであり、授業に面白みを感じない生徒でも、部活動があるから学校に行ける、居場所がある、そういう生徒はたくさんいると思うからです。また、学校を代表して他校と交流し競い合うことで、自分の学校に対する愛着、アイデンティティを強く抱くことにつながる、またとない機会を与えてくれるのも部活動のよいところです。

一方で、部活動の現状は、全国的に持続可能性が厳しさを増していると文部科学省は指摘をしています。例えば、小規模校ゆえに人数が集まらないためチームが編成できないことや、そもそも選択肢として生徒が望む部活動がないことが往々にしてよくあるようです。また、部活動の顧問を多忙な教員に依存しているというだけでなく、教員自身が、その部活動のプロフェッショナルでないことの方が多いという実態も指摘されています。確かに、生徒の才能を本当に伸ばす上では、サッカーのようにクラブチーム等で専門的に競技をする方が、可能性が拡がります。西宮市にとって身近な例は、今回のワールドカップで活躍した尼崎市出身の堂安律選手ですが、彼は西宮のサッカークラブに所属していたことがよく知られています。

こうした背景から、文部科学省としては「運動部活動の地域移行に関する検討会議」を立ち上げ、令和5年度以降段階的に、まず休日の部活動を地域移行していくことを基本とする提言をまとめています(文化部活動の検討会議提言も同様にあり)。何とも急な展開のようですが、西宮市においても課題は認識しているところなので、対応していく以外にありません。とはいえ、これは教育現場だけの話ではありませんし、一朝一夕に進められる話でもないので、それこそ段階的に進めて行かねばなりません。

実は西宮市では、国の補助を受けた実践研究事業として、令和3年度より部活動改革に関して二つの取り組みを実施しています。一つが、「連携校型合同部活動」で、もう一つが、土日の部活動を地域のスポーツ団体において行う「地域連携型部活動」です。兵庫県内において、この実践研究をしているのは、前者については西宮市のみ、後者については西宮市のほか二市町のみという状況で、兵庫県議会委員会の視察も受けるなど、現時点においては先進的な取組みとされているようです。

具体的には、連携校型に関しては、浜甲子園中、鳴尾南中、高須中の3校において、半径400メートル以内に立地するという地理的特性を生かし、野球部や水泳部、サッカー部などが合同で部活動を行っています。1校であればチームが成立しない、練習も少人数でしかできないという課題が、合同で実施することによって改善されます。また、部員が複数の指導者にサポートされたり、教員自身も余裕を持つことができたりするという成果も出ているようです。地域連携型に関しては、西宮浜義務教育学校後期課程(中学校にあたる課程)において、卓球部とバドミントン部、そして陸上部が、休日に地域スポーツ団体と合同で活動しました。もともと、受け皿となり得るスポーツ団体があったことから実現したと言えますが、生徒たちはハイレベルな指導を受けられ、教員の負担は軽減されるというメリットも確認されたようです。

 

今後、文部科学省の方針に沿って、今回の実践研究を進めて行くために、市と教育委員会は、(仮称)西宮市部活動地域移行推進協議会を立ち上げることとしています。この協議会には、教育委員会や学校関係者だけでなく、地域のスポーツ団体や文化団体、そして市長部局も入って今後の方針や課題を整理して進めて行くこととしています。

こうして書くと、それなりに順調に進んでいるようにも見受けられます。しかし、実際のところ、まだ全くこの先のビジョン、数年先の姿がクリアーに見えていない、というのが正直なところです。今回の提言を進める上で、目指すべき成果は何か? 地域移行することで何かを失うことはないか? 受け皿となる地域の方々に理解は進んでいるか? 膨らむであろう経費をどう工面するか?

等々、疑問や不安は尽きません。といいつつも、地域移行が進むと、学校と地域との関わりが深まるとか、生徒らが本物の指導に触れる機会が増えるなど様々な経験を積めるようになるとか、ポジティブな成果も期待できそうなところもありそうです。総合教育会議では、部活動の地域移行について、地域移行自体を目的とするのではなく、西宮市として目指す目標をしっかりと定めて共有することから始めていくこととしました。これを、今後の協議会で議論されていくこととなります。

とても大きな難問ですが、市民の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、教育現場としっかり意思疎通しつつ、何よりも子どもたちにとってより良い環境が提供できるように、前に進んで行きたいと思います。

syasinn

令和4年12月8日


※今回の総合教育会議については、会議の模様を録画配信することとしました。会議の様子をご覧いただけますので、どうぞご視聴ください↓↓↓

令和4年度第2回西宮市総合教育会議


西宮市教育委員会作成の部活動地域移行のイメージ図

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