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平成28年4月15日 市長定例記者会見

更新日:2020年4月3日

ページ番号:33546995

2016年4月15日資料提供

【発表項目】

(1)空き家等地域活用支援事業、空き家等公益利用情報提供事業について
(2)訪問型病児・病後児保育の実施について
(3)JR福知山線廃線敷の一般開放に向けた安全対策工事について
(4)「アウトライン西宮」の発行について

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【会見の要旨】

◎平成28年熊本地震について
【市長説明】
まずは、被害にあわれた皆様に、心からお悔やみ申し上げたいと思います。もちろん、西宮はご案内のとおり被災している自治体で、全国に助けて頂いている自治体ですので、やはりこの案件についても我々がやるべきことをやっていきたいというつもりはございます。ただ、このことについて、現在のところこちらからお話できることはあまりなく、西宮市として独自に何かをして、どこかに行って、ということはあまりすべきではないので。色んな支援が必要な分野それぞれにおいて、それぞれ然るべき所から西宮市が照会を受けたり、要請を受けたりして対応を行うというものになっております。そういう部分について、現在、支援とか対応の要請についてはございません。今、西宮市が熊本の地震について具体的に対応しているものはございません。何かご質問がおありであればそれについてはお答えできますので、何かご関心がおありでしたらお伺いします。

【質疑】
記者:何か要請があれば対応できるような準備であったりだとか具体的な動きは何かあるか。市長:具体的な動きとしてひとつだけあったのは、消防についてです。消防については、こういった場合では、要請は総務省の消防庁から来ることになっております。昨日の時点で、緊急消防援助隊の出動準備態勢及び派遣可能消防隊についての照会がございました。県下で43隊あって、うち、3隊が西宮です。そのことについて1隊の出動準備はしましたが、今朝の11時の時点で緊急消防援助隊の出動準備態勢については解除となりました。なので、今の時点では西宮市から消防が援助に向かわせていただくということは無いものと考えております。もちろん、引き続いて総務省消防庁から要請がございましたら、それに対応するつもりはございます。他については実際に照会があったり、お願いされたり、ということはございません。対応についてもうひとつあるのは、応急宅地建物危険度判定という仕事があります。そのことについては、西宮市としては、もし要請があるとすれば兵庫県から来ますが、建物判定2名1班、宅地判定2名1班の派遣が可能です。西宮市は人選を済ませております。その他も、例えば物資・医療・保健・水道等について支援する場合がございますが、今のところは具体的な要請はございません。
記者:熊本県内で、自治体や団体など、恒常的に西宮市と付き合いのあるところはありますか。
市長:西宮市が個別に連携をとっている、もしくは協定を結んでいる自治体はございません。似たようなものであるとすれば、中核市市長会というものがあるが、熊本県内には中核市がございません。中核市市長会では対応を検討中であるとは聞いていますが、九州地方の中核市で被害はないと聞いています。なので、同じ中核市として支援をするという流れは無いのではないかと思っています。
記者:募金の話などはありますか。
市長:見舞金について、阪神淡路大震災のときに、西宮市が頂いている自治体というのがございます。実は、東日本大震災のときにも、西宮市が頂いた自治体がございましたので、そういう自治体については即日、市の判断でお見舞いをさせて頂いているのですが、現在、被害がある自治体の中にそういった自治体はないと思いますので、西宮市としてすぐに見舞金を出す、もしくは募金を募るというつもりは今のところありません。市長会から見舞金の要請があれば、もちろん対応するつもりはございます。独自の動きとしては、今は無いとお考えください。
記者:阪神淡路大震災のときに見舞金をくれていた自治体があったら、していたということですか。
市長:そういうことですね。
記者:今は無いからするつもりもないということか。
市長:今のところはないですね。
記者:阪神淡路大震災の時に、熊本からこちらに長期派遣で来ていた職員もなかったのか。
市長:宮崎からはあったと思う。こういうものは大体、皆が一緒のところに一斉に行くのではなくて、何県と何県でやりましょうとか。例えば、東日本大震災の時には、宮城県と兵庫県のように、連携のパターンがあったはずです。
記者:今のところは、ボランティアなどを社会福祉協議会などで募って一緒に行くというような計画はないのか。
市長:市として企図しているものは今のところございません。

1.空き家等地域活用支援事業及び空き家等公益利用情報提供事業について

【市長説明】
地域にある空き家を、維持する側も持て余している、一方で活用したい、という方もきっといるでしょう。今後、どんどん増えていく地域福祉の要請に対して行政がどんどん建物を建てていくのはあまり現実的ではないので、もし、地域にある空き家などが活用できるのであれば、マッチングできれば大変素晴らしいですよね、ということで、そういう事業を始めます。そのうちのひとつが、空き家等地域活用支援事業というものです。「空き家を使ってもらって良いよ」と言ってくれている人がいたとして、ただし補修が必要などで「このままでは少し難しいですよ」といった場合の改修工事費の一部を助成するというものです。イメージとしては、活用しようとする人(所有者や賃借人)が申請を西宮市にして頂いて、それに対して工事費を助成します。もちろん、市が助成するわけですから、「後は使ってください」というわけにはいかなくて、「こんなことに活用しています」ということはきっちり報告頂きましょう、というものです。空き家を活用する、というパターンですと、補修工事費用に要する費用の2/3、上限100万円で出せます。これについては半分は国費です。そして、空きスペース活用タイプ、こちらは補助対象工事に要する費用の1/2、上限20万円、これは市単独の事業ですけれども行います。

【当局補足】
この事業は地域コミュニティの活性化推進の目的のために利用される方について、空き家を改修しようとする費用の一部を助成する制度となっております。

【市長説明】
次に、もうひとつご案内したいのが、空き家等公益利用情報提供事業についてです。これは、いわゆる“マッチング”を行うという事業でして、「私はこういう物件を持っているのだけれども、もし良かったら活用したい人はいますか?」というような情報と「こういうことをしたいので、こういう場所が欲しいな」という活用したい側の情報、そういったものの両方を西宮市のほうに登録をして頂いて、マッチングを図るというものです。実際にマッチングする以降の契約云々の話は、当然、不動産関係団体、事業者がやって頂くことになるのですが、情報を収集してお互いに共有するということについて西宮市が連携を取るハブになりましょう、ということです。空き家情報を公開して、利用希望者がいらっしゃればマッチングをする。後は不動産屋さんで契約してください。オーナーさんなどの利用希望情報があれば、「こういう利用希望があります」ということでご提案してマッチングをする。契約は、こちらも不動産屋さんで行います、ということです。もちろん、一定の条件はございますが、マッチングが成立しますと、先ほども申し上げた空き家等地域活用支援事業の補助もご活用いただくことも可能です。今後のスケジュールですが、4月中に宅建協会、全日本不動産協会といった不動産関係団体との協議・調整を行ったうえで5月上旬から制度の運用を活用したいと考えております。

【質疑】
記者:市内の空き家はどのくらいあるのか。また、他市に同様の事例があるのか。
当局:市内の空き家は平成25年度の住宅土地統計調査によると2万4千です。近隣では宝塚市が同様の制度を立ち上げておられ、平成22年9月から運用されています。現時点ではマッチングが実現したケースはないと聞いています。
記者:「空き家」の定義とはどんなものか。
当局:約1年間、居住の実態がない場合は「空き家」と認定するようにしています。記者:それは市が認定するのですか。
当局:それは判断基準のひとつでして、国が昨年の2月に特別措置法を施行しており、その説明会の際に国の空き家の定義として「1年間居住の実態がないもの」と定めておりましたので、市としてもそれを準用して判断しようと考えております。
記者:登録情報は市が一括して管理するのですか。
当局:その予定です。公開は市の公式ホームページ、もしくは台帳で閲覧していただくことになっております。
記者:空き家等地域活用支援事業では補助の2/3のうち、半分が国費で、ということだが、それは国にそういった制度があってそれを活用するものか。
当局:国の社会資本整備総合交付金というものがありまして、その中のメニューのひとつに「空き家再生等推進事業」という事業があります。それを運用して国の補助金を活用しようと考えております。
記者:今、不動産関係団体などはそういったマッチングは行っていないのか。市が関わることにどういったメリットがあるのか。
当局:不動産業者などは、個人間の賃貸や売買契約などはされていますが、地域活用を目的とした取引はあまりされていないと聞いております。そういった取引に市が事業を立ち上げてマッチングを進めていけば空き家の利活用に繋がりますし、地域コミュニティの維持にも繋がると考えています。

2.訪問型病児・病後児保育の実施について

【市長説明】
病児・病後児保育については、施設型で言うと市内で1箇所あります。「つぼみの子保育園」という民間の保育所で、中央病院の隣にあります。そこだけです。秋ごろに、もう1施設を予定しているのですが、絶対数として少ないです。というところで、この病児・病後児保育というのは、それを推進していくべきかどうか、色々と議論はあるところですが、一定のニーズはありますので、行政の対応として選択肢を一定の選択肢を用意することは必要かと思っていまして、施設型ではなくてベビーシッター等の派遣型による保育の利用料を一定助成するというサービスを行います。助成内容としては、サービス利用保育料の半額を助成します。ただし、児童一人あたり年間4万円が上限額で、ベビーシッターの派遣前後7日間に医療機関で受診していることが必要です。要は、単なるベビーシッターを派遣してもらったのではなくて、その子供が病児だったよという担保はいります。その利用料金について助成します、ということです。これには色んなサービスがございまして、入会金が要る、年会費が要る、月会費が要る、というものはたくさんありますけれども、これらに準じる費用については助成の対象ではありません。助成対象となるベビーシッターについては、公益社団法人全国保育サービス協会の加盟事業者を対象としております。対象の子供さんについては、生後6ヶ月から小学校6年生までです。

【当局補足】
市長が申したとおり、今は1箇所しか施設がございません。秋にもう1箇所増える予定ですけれども、やはり地域偏在が課題です。今回の派遣についてはどこに住んでいてもサービスを利用することはできますので、一定の拡充ができるのかなと考えております。
【質疑】
記者:秋ごろに新設される施設はどこなのか。
市長:まだ調整中です。
記者:いつからですか。
市長:4月1日からです。

3.JR福知山線廃線敷の一般開放に向けた安全対策工事について

【市長説明】
ハイキングをする場所として人気があります。人気があるのですが、西宮側、名塩木之元のあたりから鉄橋を超えて長尾山第1隧道というトンネルを越えるところまでは、本当は入ってはダメなところなんです。そこより北側の宝塚市部分については、既に入って良い場所なんですけれども、この本当は入ってはダメな部分について、既に散歩に行っている人もいるし、本当に入って良いように、「ちゃんと最低限の整備をしましょうか」ということで、JR西日本と協議を続けて参りました。そういうことを踏まえて、JR西日本と西宮市で最低限の整備をして、あとは自己責任でハイキングをどうぞ、というふうにしようと思いましたので、今年の5月16日・月曜日から6ヶ月間、これは意図としてはゴールデンウィークが終わってから紅葉のシーズンまでの間は完全に閉鎖します。なので、「本当はあかんけど入れるで」と言っている人も、ここは本当に行けなくなりますので、これはあらゆるハイキングファンに告知をしなければいけないと思いますので、お知らせします。
整備をすると言っても、やはり廃線敷きだから楽しいわけで、綺麗に舗装したりすると全然意味がないので、できるだけ原型を残した「廃線敷き」の値打ちを損なわない範囲でJR西日本が整備してくれます。市はそれに併せて最低限の案内板を作るほか、お手洗いを名塩側に設置しようかなと思っています。あとは、清掃や除草、巡回パトロールなどの日常管理についてしようかと思っています。半年間掛けて、最低限の整備をJRさんとうちでさせて頂いたうえで、あとは、工事完了後は利用者の自己責任を原則としたハイキングコースをご利用いただけるようにしようと思っています。ちなみに、この6ヶ月間使えませんよ、というふうに申し上げましたけれども、先ほど申し上げました、既にぜんぜん使っていい場所である宝塚市側はこの機関もお散歩していただくことは問題ございませんので、武田尾駅周辺のお散歩はぜひしてください。

【質疑】
記者:ゴールデンウィークには立入禁止にも関わらず入ってしまう人が多いと思うが、ゴールデンウィーク明けから工事に入るのは何か理由があるのですか。
市長:本当はあかんけれども、と言いますか、JRの土地なので。
記者:逆にゴールデンウィーク前にやるほうが良いのかなと。
市長:ゴールデンウィークは人が多そうじゃないですか。多くの人が「えー、なんだ。使えないのか」と言って引き返したりして「いえ、いちおう市政ニュースには載せてましたけれどもね」みたいなことになったら困る人が多いでしょ。なので、お客さんが一番多い時期は外しましょう、というだけの話なんですけれども。
記者:一応、立入禁止で入れない状況ではないか。
市長:いえ、入れます。
記者:そうではなくて、立場として、今入ることはまずいのでは。
市長:物理的には入れます。
記者:物理的には入れますけれども、市という立場としては、入ってはいけないと言うべきかと。
市長:そういう面白くないことを言う人がいるとは思いつつ、要望が強いので検討した事業なんです。本当はダメなんですよ。本当はダメなんですけれども、ハイキングの本とかには普通に載ってますし、みんな大好きですよ、ここ。そこで、本当はダメなんやけどな、というものをずっと置いておくのも何なので、今年のお客さんがひと通り落ち着いた頃から一旦閉めて「もう入っていいよ」というような工事をしましょうか、という話なんですけれども。
記者:主旨はわかりますが、やはり入ってはいけない場所なので。
市長:すごいバリケードを作ったらええやん、という意味ですか?
記者:そういう意味ではないのですが。
市長:だから、そういうことになりますよね。ひと通りお客さんが落ち着くぐらい、そして、新年度の予算として計上していた事業なので3月中には言えませんでしたけれども、4月に予算もつきましたので、こうやって告知をさせて頂いて、ハイキングを愛好者の皆さんとかにも周知されたかなというぐらいの時に閉鎖をするほうが混乱が少ないでしょ、という意味なんですけれども。あくまでも現状を残しつつ、混乱が少ないように、ということでこの時期を選んだということですので。突然、今からやりだして、ゴールデンウィークも工事をしていますよ、とか言うと、「なんだ、楽しみにして来たのに」と言う人もいっぱいいますよね。その人たちに「本当は立入禁止なんですよ。お前が来たのが悪いんでしょ」みたいなことって言いにくいでしょ。なのでゴールデンウィークが過ぎてひと通り落ち着いたぐらいの時から、梅雨時にもなりますし、お客さんができるだけ少ない時にやったほうが良いでしょということですけどね。
記者:結局、立入禁止でありながら入ってしまう人がいること自体をどのように思っておられるのか。
市長:屈強なガードマンを立てたりとか、すごいバリケードを建てたりしてね、という意味ですか?
記者:立入禁止でありながら入ってしまう人がいること自体をどのように思っておられるのか、というところで聞いている。
市長:JR西日本さんの土地なので、JR西日本さんは嫌だなと思っているかもしれないですね。嫌だなと思いつつ、JR西日本がすごいバリケードを建てたら、JR西日本は無粋だなと皆から思われますよね。だからJR西日本はそういうことはあまりしたくないですよね。でも、ここで事故が起こって責任問題とかになっても困ると思っているでしょうね。だから、本当は入って欲しくないですよ。だからと言って「JR西日本はなんて無粋なの」と言われたくないでしょうね。そういうJR西日本さんとうちで協議して、これが一番良いんじゃないですか、ということで考えたんですけれどね。
記者:全部がJRさんの土地ですか?
市長:そうですね。
記者:宝塚側もそうですか?
当局:無償で借地をしています。
市長:西宮側は無償で借地するのではなくて、JRの土地のまま、何のお世話をどっちがしますか、という取り決めをして何の整備をどっちがしますか、というところをやりました。
記者:では、一般開放をする主体はJRということですね。
市長:主体はJRですね。
当局:日常管理は市で負担しましょう、ということです。
記者:解放しようということも含めて協議がされたのですね。
市長:もちろんそうです。
記者:現在は、JR西日本としては黙認していたということか。
市長:そうですね。
記者:JRも西宮市としても、立入禁止ということにはしていないということで良かったか。
市長:JR西日本の土地ですよ。禁止とか禁止じゃないとかではなくて、本当はJR西日本に許可を得ないと通ってはいけないはずの所ですよね。
記者:だから、JR西日本も対策として入れなくしているということではないのですね。
市長:物理的な措置とかは取っていません。入口のほうに、今も看板はあります。「ここはJRの土地ですので入らないでね。入って事故にあっても知りませんよ」みたいなことは書いてあります。だからと言って、物理的に、フェンスがすごいとかガードマンが立っているとかではないです。JRの土地に勝手に入る人がハイキングをしています。本当はJR西日本に許可を取らないといけないし、許可を下ろすにしても事故が起こったらどうするのか、とかになって許可が下ろせなくなったりします。そうなると「JR西日本は無粋だ」となります。そこで、事故が起こらないような最低限の整備をJR西日本と西宮市で役割分担して散歩をして頂いても良いよいにしましょうか、ということです。
記者:その役割分担は今年度に決めたのか。
市長:去年までこの工事について協議を続けていて、「こういう工事はJR、こういう整備は西宮市」で役割分担をして、先ほども申し上げたように、清掃や除草、パトロールとかの日常管理については西宮市がしましょうと。
記者:維持管理についてはJR西日本がしましょうと。
市長:鉄道由来の鉄橋はどうるのか、トンネルの上から物が落ちてこないようにしてくださいとか、そういったものはJR西日本でチェックもして、落ちてこないようにはしてくださいと。それをハイキングコースとして利用するならば、こういうことは安全管理しないといけませんね、という所は西宮市がやりましょうか、というふうに役割分担しました。
記者:6ヵ月後の工事が終わったあとは、市の公認ハイキングコースみたいなものになるのか。市としては、事業に使ったりするようになるのか。
当局:JR西日本は立入禁止の看板を撤去しますが、規制の緩和みたいな位置づけなので、JR西日本としてはハイキングコースとしてどんどん売り出そうというスタンスではない。
市長:すでにファンがいるし・・・というところでしょうね。あくまで自己責任を原則としたハイキングコースになります。JRの土地ですから、そこで事故が起これば残念ながらJRの責任になったりしかねません。そういうことを言い出したら閉めることになる。
記者:では、市としてはこれを積極的に使っていこうというつもりはないのか。
市長:現状、人気のあるものなので。土日とか晴れていたらけっこうな人出ですよ。
記者:良いコースだと思うが、これまではなかなか市民にお知らせしたりPRしたりできなかったと思う。工事が終わればそういうことも言えるようになるのか。
市長:もし西宮市が「秋はここに行こう!」みたいなことを言いたければ、もちろんJR西日本と協議しないとダメですよね。JRの土地ですから。宝塚市みたいに、市がちゃんと借りていて事故が起こったら市が責任を取りますというふうになっているなら、市で宣伝したりするのは良いとは思うのですが。もしこれを何かに使うのであればJRと協議が必要です。
記者:まだそこまでの話はJR西日本とはできていないのですね。
市長:できていないし、そこまでするつもりもないです。既に人気があるし。ここが物すごくごった返したり、ここでひとつ何か当てたいとか、そういうものではないので。
記者:宝塚市は昨年、ここで出会い系ハイキングのようなイベントもされていましたが。
市長:そんなことやっていたんですか。西宮市側は地図を見てわかるかもしれませんが、物すごく長いトンネルがあったりします。これにポンポン、ライトを点けたら台無しになるでしょう。本当にここに行きたいなら懐中電灯が無かったら本当に危ないですし、やめてください、という感じです。そういうところで言うと、市が大々的に宣伝というのは、ちょっとな・・・と思います。大々的に宣伝するということは、じゃあ責任を持てるんですか、ということになって色んな所にフェンスを付けて、色んな所にライトを点けて、デコボコの所を全部直して、とかにするんですよ。そんなもの面白くないでしょ、ということになるので。JRの土地で、自己責任で入る所ですけれども、そこで事故が起こったりとか面倒が起こらない程度のことはお互いにしましょうか、ということでJRさんが大人の対応をしてくれたというところですね。報道の皆さんがドンと報じることはやってはいけないことではないとは思っていますけど、例えば西宮市が市政ニュースでとか、西宮市長・今村が「みなさん、ぜひここにお越しを」と言って良いかということは、JRさんからしたら「あまりお行儀が良くないね」と思われると思いますが。報道の皆さんに、書かないで、ということは全然ないので、それは現実的な対応で良いのではないですかね。
記者:宝塚のように借地にはならないのですか。
当局:元々、JR西日本から市に引取って欲しいという意向はあったのですが、大きな鉄橋とかトンネルを我々頂いて将来に渡って維持管理をするというのは、なかなか厳しいものがあります。今はこの形で合意していますので、このまま行きたいなと思っています。
市長:お金があったら、一番良いのは、全部市が買い取るということで、市が全部綺麗に整備して「福知山線廃線敷公園」として西宮市の公園にして、遊びに行ってください、となると思うんですけど。そこまではちょっとね。

4.「アウトライン西宮」の発行について

【市長説明】
「アウトライン西宮」の今年度版ができましたのでご案内させてください。これは元々、何物なのですかというと、行政関係者とか議会の関係者とかへ他市から西宮市へおいでの、視察でいらっしゃる方も多いです。そういう方々に「西宮はこんなんですよ」というご案内をするためのパンフレットというのは、一定、要るだろうと。どのまちでもやっていることです。ですが、去年、「もう少し内容を見直そう」ということでしっかり見直しました。せっかく、そういう意味で渡すのだったら、西宮市の魅力とか特徴とかをちゃんと見てもらえるようなものにしましょうよ、ということで、「何を書くか」というところで見直しました。そうしたところ、去年は結構評判が良くて市内の方にも「それ、くださいな」というふうなご意見も頂いて、結構出ました。その新年度版ができましたので皆様にご案内さし上げますというところなんです。A4版・30ページで4月24日から無料で配布いたします。特に、これは西宮市民全員に配るというものではないので、ご要望があれば無料でお渡しできますよ、というものでございます。3千部作りまして、無くなり次第終了です。広報課とか各支所、市民サービスセンター、アクタ西宮ステーションといった所でお配りするほか、西宮北口駅に置いております情報発信ブース「にしのみ屋」でもお配りしようと思っています。郵送をご希望の方は郵送料を封入して送ってくれれば送ります。手作りで広報課が一生懸命作ったものですけれども、せっかく作るんだったら、「西宮は素敵ね」と思ってもらうよう、「西宮の素敵」ってなんだろうということを真面目に考えてそれをどういうふうに表現しましょうかというのを広報課が考えてやってくれたものでございます。

【質疑】
記者:部数は去年と同じですか。
市長:去年に増やしました。その分だけございます。

【自由質疑】
記者:間もなく就任2年になりますけれども、2年間を振り返ってというところと、まだ2年間ありますが、これまでの実績としてご自身が思われていることを教えてください。
市長:よく一般的に、本気でやりたいことができるのは2期目だよ、みたいなことを同じ首長とかから言われます。その心は何かしら、と言う時に、市役所を知らない人がお越しになった場合には、職員がわからないと思うんですよね。どういう職員がどういう部門に向いているのか、こういう人はどんな能力を持っているんだとか、知らずに来ますよね。そういうなかで言うと、誰をどういうふうに使えば良いのかという人事に困るんだと思うんですけど、自分の場合は、市議会議員の時点で、色んな職員さんと接して色んな議論をしてきているので、それがわかったつもりでやっています。なので、過去、この4月も含めて大きな人事異動を既に2回やっています。西宮市役所の体制とか組織風土とかは早速に変えれていると、僕は思っています。「どの分野に力を入れて、何をしましたよ」と言うよりは、一番大事なのはそういう組織が動くこと。サッカーの監督とかでも選手起用とかが結構大きいですよね。誰を使うのかというのがちゃんとわかってないと良い仕事にならない。というところで言うと、今の西宮市役所の人員の配置のされ方、特に幹部とかは、どういう人をどういう部門に置くのかとか、どういう組織になっているべきか。そういうのがこれまで仕事をしながら、例えば、何課と何課が離れているからやりにくいとか、何局に何の仕事がいっているから縦割りになってしまって進まないとか、組織の問題というのが2年掛けてだいぶん改善されてきました。彼らの創意、クリエイティビティ、発想、といったものを、とにかく活かしやすい風土をとにかく作ろうということに腐心してきたので。僕はぜんぜん、トップダウン型ではないので。「俺はこういうことやるぞ。だからアンタたちはこういうことをやりなさい」というタイプではなくて、それぞれ現場で居る職員が一番物がわかっているはずなので、彼らがクリエイティビティを発揮する。それが西宮市の住民の福祉にちゃんと繋がっているかというところは僕がチェックしなければいけませんが、それをやってきたことによって西宮市役所自体の組織としてのアウトプットは格段に良くなったし、風通しも物すごく良くなっていると思っています。まずこれがひとつ。あとは、2年間掛けて色んな分野でやろうとしてきたのは、政策とか方向性とかのコンセプトの整理なんですね。西宮はどんなまちであるべきなんですか、こういう分野の福祉というのは何を目指すべきなのか、広報って何?とか、先ほどの「アウトライン西宮」って何のためのものでしたか?とか、一個一個のコンセプトとかを整理されずに惰性でやっている仕事は、どの組織も多いかもしれませんが、行政には結構多いと思います。なので、一個一個の事業について、施策について、政策について「これって何のためにやっているんでしたっけ?」と、「だったたこの方法で良かったのかしら?」と検証したり、再定義したりするということをやってきました。例えば、「アウトライン西宮」は元々あるんですよ。新しいやつが出ました、と。外見には「ああ、新しい今年版が出たのね」だけかもわからないけれども、「アウトライン西宮」が何物かと思って作っているのかとか、じゃあ、それがどういうものであるべきなのかとか、そういったものについて、一個一個の施策について中身がちゃんと地に足を付けていくということを2年間やってきたつもりがあります。実際、それが我々の仕事なのだろうなと思っていて、「こんなコンセプトでやりまっせ」と、ただ言っているだけだったら「夢物語」っぽいですよね。それが「一個一個の政策に根付いているな」とか、「この間言っていた方針でちゃんと、ひとつの事業を取ってもちゃんと作られているんだな」ということを大事にしたいなと思っています。
記者:人事を工夫されたというところと、事業のコンセプトを整理したというところでも、出された物が同じなら市民にとっては同じなわけですよね。市民が感じられる市長の2年間の実績というのはどういうものになるのか。
市長:方向性が合理的なところに落ちているというところがあります。たとえば、従前から政策を転換したものがいくつかあって、ひとつは西宮の公立病院の施策なんかもあります。医療関係者の感覚とか西宮の医療の状況などを考えた場合には、西宮で市立病院をそのまま建て替えるという政策はあまり合理的ではないなというのが一般的だったと思います。そういったものを、今は県と協議をさせて頂いて、それぞれの病院のあり方について考えましょうよというところ。こちらから統合させてくださいとプロポーズもして、というところですけれども、そういった方へ県と話を進めさせて頂いてはおります。そいうふうに、「そっちのほうが良いな」という方へ政策をどんどん振っていっている。例えば、第二庁舎を建てようという事業も、別に僕がやろうと言い出したわけではなくて、従前より「教育委員会庁舎が古いですよね。あれを建て替えないといけない」と。一方で災害に対応するためのそういう施設というのが必要でしたね、というのもありました。以前に検討されていたのは、今あるのは教育委員会だから、教育委員会の建て替え、プラス、防災の設備もちょっとそっちに入れましょうか、という感じだったんですね。せっかく災害に対応する建物なのに、教育委員会事務局と防災が入っているって、いまいち合理的でないよねと。もし災害のための施設を作るんだったら、防災であるとか消防であるとか、土木とか水道とか、災害対応をするときに緊密な連携を取るべき組織が一体的に同じ施設に入っていたほうが良いですよね。そういったものに方向を修正していきましょう、みたいな、混乱していたものとか、方向があまり合理的でなかったものを整理していくことをやっていっています。でも、見えるものを変えようとすればするほど上辺だけのものになると、僕は思っているのでね。皆に実感できるように、とか、2年経ったのでこれやりました、というふうに表現しようという意思があって何かをしようとするとハリボテっぽいものになったり、突飛なものになったりと。もっと言うと、僕は永遠に市長をやるわけではないので、それ以降に西宮で市長をやるべき人が西宮で合理的な仕事をしようとしたときに、「今村がぐちゃぐちゃにしたものを変えないかん」となったら、大変もったいないことなんでね。政策は継続性が必要なので、次以降にもちゃんと繋がるためにもあまり目立ったことをやるのもどうかなと、僕は思っていますけれどもね。
記者:残りの2年間で「これをやりたい」というような政策はあるか。
市長:どんどん課題に対応していくということですけどね。今の2年で言うと、コンセプトを整理しました、とか、取り掛かるための状況を整理しました、というものが本当に多いです。逆に言うと、それが整理されてなさすぎた。だから、それを使って新しい施策をやっていくというのは本当に今年と来年になっていくと思うので。「なるほど、だからこうなったのか」というものを皆に見ていただくとすれば、まだ先です。1年後とかに、例えばこんなもの、というふうに言えるかもわかりませんね。僕は何のまちにしたいとかいう熱い想いがあってとかで政治をすべきでないと思っている。僕の熱い想いで48万9千人を振り回すわけにいかないので。そうじゃなくて、西宮に必要なことをちゃんとやっていく。西宮というまちに相応しい施策をやっていく。それに徹して、僕は市長をやりたいなと思っているので。今の2年間もそうですし、これからの2年間もそのつもりですね。
記者:保育の問題が話題になっていて、今の議論をどう見ているのか。また、保育所を作るにあたって住民の反対があったりしたときにどう対応してきたのか、またはどう対応すべきと考えるか。
市長:保育所を作るということは「あなたたち、民間保育所を作るんでしょ」と、だから「あなたたちが地域と話してね」と、完全に放置したりはしていないと思います。やはりそういうのは整理をするために、当然、地域にうちのこども支援局は入っていっているはずなのでね。ご理解を得なければいけないということは行政もやっていると思います。正直に言うと、西宮単体で解決しきれるような課題でないというのが実際のところですよね。大きなもので言うと、こっちで予算を取ったりすれば解決するかと言えば、解決しないですよね。例えば待機児童を解消するために予算をもっともっと付けてガンガン保育所を作りますという方針を出すことはできるかもしれませんけれども、実際に受け入れる地域が「保育所はできて欲しくない」と言ったらできませんし、例えば「ここの土地を買ったからやって」と言ったところで、そこに保育事業をできる事業所さんが集まりません、社会福祉法人が来ません、とか、やりたいけれども保育士がぜんぜん足りません、というような状況であれば課題は解決しないですよね。なので、西宮市という自治体ひとつの努力で解決できるようなことだったら、どんどん解決したいと思って、本当に現場にいつも言っているのは、色んな政策をやるときにはハレーションが起こりますけど、例えば「なんで子育ての部門だけやるの」とか、「うちだってやりたいよ」とか、「そんな土地を使って良いのならうちだってこんなことしたかったわ」とか、他の部門から言われるかもわかりませんけど、保育所の待機児童の解消というのは市のなかでも土地を使う目的としては最優先で議論して良いよというのは現場には言っています。やはり保育の現場からすれば、「その土地、使わせてよ」と他の部局の土地にボンボン言えませんよね。それは言って良いから、と。全局に対しては、それにはちゃんと議論に応じるようにというふうな話はしているんですけれども、やはり根本的には保育士の待遇とかって国からどういうお金が下りてくるんですかという、そもそも国がそこに予算を割きますか、という制度の大きい問題がありますよね。そういうことをやってもらいたいなと期待しつつ、今の状態で西宮市ができることは何かということを本当にバタバタになってやっている感じだと思っています。それはやり続けるしかないだろうし、もちろん、住民の方とか、「保育所が近所にできたらうるさいよ」という住民の方もそうだし、「預けたいのに保育所ないのかよ」と言っている住民の方もそうだし、それぞれの不満に直接的に触れるのは当然、西宮市役所になりますよね。まさか、国ではないので。それをやりながら、対応させていただきながらやるしかないので。結構、厳しい政策なんですけれどもね。本当に一番の問題は保育所を作りたい所に土地が無い。西宮市はご案内のとおり人気のある住宅地ですし、より人気があって、より高額で土地が取引されたり、よりものが建ちやすい所であったりであればあるほど保育ニーズは高まってきますよね。そういう所に西宮市が、たまたま土地を持っていたとしたらそれを保育所に使いましょう、とかできるんですけれども、そういう場所に市が土地を持っていなかったりすると、できない。そこで、本当に土地を市がガンガン買ってそこに保育所を建てて、というような事業をもしやろうと思い切るとすれば、これはむちゃくちゃなお金が掛かりますのでね。もっと言うならば、他の施策を止めてでもやらないと。土地を買って、という話になると10億、20億の話になってきますよね。そういったことをやれますか?ということで言うと、今のところは、そこに行く手前ぐらいのやれることをやり切ってくださいということになっていますね。本当に厳しいです。さっきの病児保育とかもそうなんですよね。政治家個人としての話で言うと、子供を保育所に預けているという状態で、その子供が病気ですよ、という状態だったら、その日は仕事を休めるべきですよね。僕の発想からすると。親に対して「あなた休むべきですよ」というつもりはまったくないですよ。そうじゃなくて、そういう人たちが会社を休めるような社会であるべきですよね。子供が病気なんですよ、ということだったらね。そういう社会作りというのは、西宮だけでそういう社会作りをするのは極めて難しいです。そういうものこそが国に期待したいことですね。本当に。ワークライフ・バランス的なものもあるし、民間企業それぞれに対しての労政的なルールとかね。そういうものが整備されないと、そういうこともできませんよね。
記者:そのワークライフ・バランスについて、市としてできることはないか。
市長:例えば、西宮市役所のことだったら、うちの組織のことなのでできることは多いですよね。でも、「西宮の民間企業たち、こうしてください」という施策というのが果たして有効か、という問題がまずひとつ。それと、西宮に住んでいる人たちは別に西宮の企業に就職しているわけではないですよね、必ずしも。市外にお勤めになっている方々が、西宮の人を雇用しているその他の会社に対して、「西宮の人に対してこうしてください」ということを、果たして、できる施策がどれほどあるかと言ったら、現実的な特効性のある施策というのは極めて難しいです。どんな方法があるかというのは当然、現場でも一生懸命いやっているんですけれども、良い方法がなかなか無いなというのが、残念ながら現実じゃないですかね。そうなってくると、皆、勤めに行くのは市の外に行ったり、もちろん、外から西宮の企業に勤めに来てくださっている人もいるわけですから。と、いうことで言うと、市だとか県だとかじゃなくて、それはやはり国の施策じゃないかしらと思いますね。何でもかんでも国や県にお願いしたり、国や県のせいにするつもりもないし、これだけ大きい街ですから西宮だけで対応できるものという課題にはどんどん対応していきたいという矜持は持っている。やはり、なかなかその課題というのは難しいですね。

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