夢はぐくむ教育のまちの教育大綱改定 ~社会全体で子供を育てる~

昨年11月に行われた西宮浜義務教育学校の開校記念式典の様子。
同校は「ふるさと教育」を大切にし、地域とともにある学校運営を行っています。

【問合せ】政策推進課(0798・35・3441)

石井市長、重松教育長に聞きました
「夢はぐくむ教育のまち」の教育大綱にこめた思い

写真:石井登志郎 西宮市長

石井登志郎(西宮市長)
市長4年目、父親8年目。どちらも毎日勉強中。庭いじりとウオーキングが趣味。実は高校公民の教育免許を所持

写真:重松司郎 教育長

重松司郎(教育長)
教育者として、小学校から大学、特別支援教育に関わる。城巡りが趣味で、全国の城を巡るのが目標

まず、教育大綱とは何ですか?
写真:重松司郎 教育長

重松教育長

「教育大綱」は、平成27年(2015年)に改正された地方教育行政法で市長に教育大綱を定めることが義務付けられたもので、その趣旨は、そのまちの教育に関する理念や方針を示したものです。西宮市でも平成28年(2016年)11月に教育大綱を定めました。この教育大綱では、子供たちの育ちに焦点を当て、「西宮の子供たちへ」、「西宮の大人たちへ」として、それぞれに対して「こうあってほしい」と期待することを記載しており、全国的に見ても、とてもユニークな構成になっています。改定後の教育大綱でもこの部分は引き継がれています。

なぜ、改定したのですか?
写真:石井登志郎 西宮市長

石井市長

改定前の教育大綱も良い内容でしたが、私も教育長も、学習指導要領の改定などを受けて、もう少し内容に厚みを持たせたいと思っていました。
特に、私が付け加えたいと考えたのは、「子供たちも社会の一員として位置付ける環境をつくっていこう。子育ては行政だけでなく、地域全体で温かく支えていこう」という教育や子育ての場を通じた市民一人ひとりの「シチズンシップの醸成」という考え方です。
西宮には転勤族の人も多く、また、近所で親しく付き合うという意識が希薄化してきているようにも感じます。核家族化が進み、今は新型コロナの影響で帰省もしにくくなっている中で、社会との接点を持ちにくい子育て中の方もおられます。そのため、「シチズンシップの醸成」や社会全体で子供を育てていこう、ということが重要だと考えました。

写真:重松司郎 教育長

重松教育長

以前の教育大綱には、子供たちの育ちとしての「知育・徳育・体育」という面がはっきり示されていませんでした。特に今の子供たちは体力が落ちており、「知・徳・体」について教育大綱で触れておくことは必要なことだと考えました。
単に勉強するということだけではなく、がまんする力、傾聴、表現力、コミュニケーション力などの社会性を獲得することで、全ての子供が生涯にわたって自立して、個人として豊かな人生を送るための基礎となる力を育むことが公教育には求められていると感じています。

教育大綱の改定で、目指していることは何ですか?
写真:石井登志郎 西宮市長

石井市長

教育大綱の改定は、「ただ文言を変更しました」「作り変えました」というものではありません。教育大綱に込めた思いを市民の皆さんに広く知ってもらい、共有することにより、「生涯にわたって学び、豊かな人生を送ってもらいたい」と考えています。市としても、教育大綱を礎とした生涯学習の場を提供するなどの施策・取組を進めていきます。

これからの西宮の教育をどうしていきたいと考えますか?
写真:重松司郎 教育長

重松教育長

教育委員会で導入を進めているコミュニティ・スクール()は、まさに教育大綱の理念を進めていく取組で、市長の考えているシチズンシップの醸成とも親和性のあるものです。今はまだ取組を広げている段階ですが、今後は学校を中心に、保護者だけでなく地域も一緒になって子供を育てていこうという取組が広まることで、社会全体で子供を育てていくという姿の実現に近づくのではないかと思います。

(注) 市ホームページ コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

写真:石井登志郎 西宮市長

石井市長

本市では、現在もトライやる・ウィークや環境学習事業など、地域における実践的な学びの場を提供するさまざまな取組を行っていますが、これは、子供たちにとっての学びにとどまらず、子供たちとの触れ合いを通じて大人も地域の課題を学ぶ場になっていると考えています。
教育大綱に込めた理念を具現化するさまざまな事業を展開する中で、文教住宅都市・西宮らしい、公教育の在り方、生涯学習の在り方が実現できるのではないかと考えています。

西宮市教育大綱は、概要版を市内公立小・中学校で配布したほか、各支所・市民サービスセンター等に配架、
市のホームページで公開しています

市のホームページ 西宮市教育大綱

改定のポイント
大切な要素を追加しました

  1. 知・徳・体
    (確かな学力、豊かな心、健康・体力)のバランスのとれた学校教育
  2. 社会全体で子供を育てる、子供も社会の一員であることを意識したシチズンシップの醸成
  3. 生涯学習の機会を提供し、子供も大人も共に学び、豊かな人生を送ることができるまち

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