とっとこ文化財 神呪寺仁王門

このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します

荘厳な山門に歴史あり

写真:神呪寺仁王門
※神呪寺では、5月18日(日)に開催する融通観音大祭で
国指定文化財の如意輪観音坐像などの開帳を行います。
問合せは神呪寺(0798・72・1172)へ

甲山の中腹に位置する神呪寺。阪急甲東園駅と門戸厄神駅の間に位置する神呪町。同じ「神呪」と名の付く「寺」と「町」がなぜ離れているのか、不思議に思ったことはありませんか。神呪寺は災難に見舞われ、一時期神呪町付近に下山していたことがあり、地名として残ったと言われています。

「神呪寺仁王門」は、文化元年(1804年)に神呪寺第63世寛眼が建立した山門で、西宮市指定文化財となっています。左右の屋根を段違いに掛けた珍しい形式で、旧地に復興した寺院の象徴的な建物です。

平安時代に甲山に建立された神呪寺は、戦国時代に織田信長が荒木村重を追討した有岡城の戦いで、信長により焼き打ちにされました。さらに豊臣秀吉の太閤検地で寺領の大半を没収されてしまいます。堂塔も寺領も失った神呪寺は山を降り、法灯を継いでいきました。江戸時代中期、歴代住職による甲山への復帰運動がようやく実を結びます。そして荘厳な造りの仁王門を完成させたのです

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