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2012年6月10日 第1390号

にしのみや歴史見聞録 銭塚地蔵(山口町下山口5丁目)

このコーナーでは、西宮の歴史スポットを紹介します

働かずして富は得られず

写真:銭塚地蔵
※アクセス
さくらやまなみバス
「下山口」バス停下車
北へ徒歩約1分

下山口墓地の前にまつられている銭塚地蔵。今もお参りする人が絶えないこの地蔵にはどんないわれがあるのでしょうか。

その昔、下山口に武士であった夫と死別した女性が住んでいました。女手ひとつで2人の息子を育てることは大変でした。貧しい暮らしのなか、母親として子どもへの教育には熱心でした。

ある日、子どもたちが垣根の修理のため地面を掘り起こしたところ、たくさんの銭が入ったつぼが出てきました。

そのことを告げられた母親は、「武士たるもの、働かずしてお金を得ることは恥です。そのようなお金を手にしても、家の災いになるだけです」と言い、元の場所に埋め戻すようにたしなめました。

常日頃から自身の力によることなく、富は得られないと厳しく戒められた子どもたちは、その後、立派な成長を遂げました。

子どもの1人は母の供養のため、また戒めを忘れないため、銭を埋めたところに地蔵を建立しました。それが銭塚地蔵の由来といわれています。

※銭塚地蔵は、毎月1日と23日に行われるお勤めで見ることができます(8月は24日の地蔵盆)

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