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2012年2月10日 第1382号

にしのみや歴史見聞録
今津灯台(今津西浜町) 港を見守り200年

このコーナーでは、西宮の歴史スポットを紹介します

写真:今津灯台
※アクセス…阪神久寿川駅下車、
南西へ徒歩約15分

今津は江戸時代に酒造と酒の積み出しで栄え、樽(たる)廻船の出入りでにぎわった港町でした。その今津の港の一角に現役の木造灯台が立っています。名前は「今津灯台」。

今からさかのぼること200余年。江戸時代の今津郷を代表する酒造家のひとつ、長部家の5代目・長兵衛がこの港に出入りする船の安全を願い建造しました。

その後、6代目・文次郎によって再建されたものが、現在の灯台の原型となっています。

当初、灯火には油皿を用い、これをツルベ式の滑車で引き上げる構造でした。大正時代のはじめに電化されるまでは、長部家の奉公人が毎夕、点火に行くのが日課だったそうです。現在は戸外の明るさに応じて自動点火する仕組みとなっています。

昭和43年の灯台記念日には、航路標識として海上保安庁から正式に承認され、「大関酒造今津灯台」の名で海図にも記載されるようになりました。また、49年には市の文化財指定を受けています。

現在、灯台周辺ではかつての美しい海岸風景を望むことはできませんが、夕暮れ時にはほのかに灯りをともして、波の穏やかな港内に優しい光をなげかけています。

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