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貝類館ブログ

更新日:2021年11月9日

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いきものと自然について

干潮と満潮(令和3年11月4日投稿)

週1日、昼休みに近くの石積みの護岸に腰をおろして、水辺の生き物を観察するようにしています。貝類館の近くの、西宮浜の南西の角にあたる所です。2016年夏から始めてかれこれ5年半、埋立地の護岸にもいろんな生き物がしがみつくようにして生きていることがわかってきました。

先ずは現地のようすから。写真は左が干潮時、右が満潮時です。こんなに景色がちがいます。大潮(満月または新月の前後数日間)の時期には、干満による潮位の差が170cmを超えることもあります。

生き物たちはこのような場所で水につかったり、空気にさらされたりしながら毎日を過ごしいるのです。干潮時の写真の緑色の部分は、春先にしか見られないアオノリのなかまです。

 

担当:山西顧問

モクズガニ(令和3年9月7日投稿)

写真は甲子園浜にいたモクズガニです。このカニは海で生まれたあと、少し成長した子ガニは河口から川を上流にさかのぼり、旅をするように移動しながら成長して再び海に戻るという習性をもつため、川の上流から海岸沿いまで幅広い場所で見られる種類です。西宮では甲子園浜の他にも夙川河口、そして川があるところなら市内の全域で見られます。国内での分布は北海道から沖縄までと幅広く、なんと琵琶湖でも見られるということですから、日本で一番多くの場所で見られるカニかもしれません。

担当:渡部学芸員


タマキビ (玉黍) Littorina(Littorina)brevicula (令和3年8月2日投稿)

タマキビは軟体動物・腹足綱・タマキビ科に属する巻貝の一種です。和名の由来は、玉のような形をした黍(キビ)のことで、黍はトウモロコシ(唐黍)粒のような穀物の小型の種子の意味です。タマキビは小粒で殻の大きさは成長しても約1cm位です。殻の色や模様はバリエーション豊かで、茶褐色や紺褐色に黄白斑、黒褐色に白帯模様、白、黄土色の単色の個体など様々です。

生態は海貝なのに海水に浸かることを嫌う貝で、いつも海水面より上部の場所で暮らしています。試しにタマキビを海水に浸けると直ぐに這い出して海水のない場所へと移動します。潮間帯上部に生息するタマキビは乾燥や高温に対する強い耐性があり、約1ヶ月間、海水から離しても生き続けることが出来ます。また、約50℃に灼けた岩盤に半日ほど付着していても平気です。タマキビは夜行性で餌は岩に生えている微細な藻類などを削り取って食べます。この行動をグレージングと呼びます。

産卵期は2月~4月頃で、メスは交尾後に海水に浸かり、卵嚢(らんのう)を放卵します。ちなみに、タマキビは幼生期と産卵時以外は自ら海水に浸かることのない陸貝のような種類です。

卵嚢は直径約0.1ミリメートルで、一つの卵嚢(卵のカプセル)には5個前後の卵が入っています。卵は約2週間で孵化し、ベリジャー幼生として海中を漂います。約1週間後には直径0.5ミリメートルほどの稚貝となり、岩礁を這う生活を始めます。約1年で成貝になり、寿命は約3年です。

分布は、北海道以南~大隅諸島、朝鮮半島、中国沿岸にかけての亜寒帯~温帯域、生息環境は海岸の潮間帯上部~飛沫帯までの岩礁地、都会ではコンクリート堤防やテトラポッドの窪みなどに棲んでいます。

担当:高田学芸員

ヤドカリとイソギンチャク(令和3年6月7日投稿)

甲子園浜で、ユビナガホンヤドカリの背負ったウミニナの貝殻についたタテジマイソギンチャクを見つけました。
ユビナガホンヤドカリは西宮の海岸では最も多くみられるヤドカリの仲間です。タテジマイソギンチャクと同じように西宮の海では多くみられるイソギンチャクです。そして、ウミニナもまた、西宮の海岸では沢山みることができます。いずれも内湾の静かな海辺の環境が好きな種類です。
ヤドカリの仲間には、貝殻にイソギンチャクをつける種類が知られていますが、ユビナガホンヤドカリやタテジマイソギンチャクにはそういった習性は知られていません。また、イソギンチャクは岩などにくっついていますが、その場所が気に入らなくなると別の場所に移動してしまいます。今回見つけたものは、どうやら偶然イソギンチャクがヤドカリの殻についてしまったようで、しばらくするとイソギンチャクはヤドカリの背負った貝殻から離れていました。タテジマイソギンチャクの場合は動き回るヤドカリの貝殻に付くのはあまり好きではなかったのかもしれません。

担当:渡部学芸員


貝知識(令和3年4月27日投稿)

カバザクラガイ (Nitidotellina iridella二枚貝綱  Tellinidae ニッコウガイ科)
カバザクラガイは綺麗な砂浜に生息する二枚貝の一種です。湘南や江ノ島などの海岸を散歩すると浜辺に打ち上がった桃色のカバザクラガイが拾えます。

さて、皆様ここでお気づきかと・・・あれは確か「サクラガイ」ではないかと・・・

実はサクラガイと思って拾っていた貝のほとんどが、このカバザクラガイなのです。

殻は楕円形、薄質で平たく表面には光沢があります。通常は薄い桜色ですが紅桃色や薄黄色などのカラーバリエーションもあります。殻には2本の斜めの白線模様が入っています。

殻は大きなものでも16ミリメートルほどで、これ以上のサイズには成長しません。

カバザクラガイは房総半島以南~台湾にかけての潮間帯~水深30mまでの細砂底に生息しています。

和名のカバは、赤みを帯びた黄色のことで、形がサクラの花びらに似ていることより「カバ・ザクラ」と言う名前が付きました。なんとも可憐で美しい貝ですね。

担当:高田学芸員

ヤドカリ採集(令和3年3月31日投稿)


貝類館では只今特別展「ヤドカリの変」を開催中です。
色々なヤドカリの姿を見てもらうために、開催数日前に南紀串本にヤドカリを採りにいってきました。
誰もいない海岸で一人、潮溜まりを歩き回る1日でした。そして、今年の花粉は多いと聞いていましたが、マスク越しにも鼻がムズムズ・・・久しぶりの外だったので余計にひどいのかもしれません。
潮溜まりでは何種類かのヤドカリを見つけましたが、それとは別に大きなタカラガイ、ホシダカラの若貝を発見!1個体は殻になっていましたが、もう1個体は元気だったので撮影しました。9センチ近い大物です。とりあえず冬を乗り切ったので、これから大きくなっていけるといいですね。

担当:渡部学芸員

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TEL:0798-33-4888 FAX:0798-33-5885

アクセス

  1. 阪神西宮、JR西宮、または阪急西宮北口駅から阪神バス、マリナパ-ク行きに乗車、マリナパ-ク南下車すぐ(所要時間 約20分)

  2. 阪神高速神戸線
    神戸方面より西宮出口から南へ10分、大阪方面より武庫川出口から43号線を西へ札場 筋を南へ10分

  3. 阪神高速湾岸線
    神戸方面より芦屋浜出口から測道沿い西宮浜へ3分、大阪方面より西宮浜出口から南へ3分

開館時間

10:00~17:00(入館は16:30まで)

観覧料

一般(高校生以上)

:200円

小・中学生

:100円

幼児

:無料

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