西宮をスポーツでつなぐ 朝原 宣治
北京オリンピック銀メダリスト 大阪ガス株式会社 陸上競技部副部長

写真:朝原 宣治さん
明けましておめでとうございます。初めまして、朝原宣治と申します。

私は平成7年に大阪ガス株式会社に入社して以来14年間、西宮今津にある福利厚生施設でトレーニングをしてきました。入社した年には阪神・淡路大震災が起こり、当時グラウンドは地震対応の基地となっていました。夏は地面に手が付けられないほど暑く、冬は冷たい浜風が吹きつけますが、ここは私が世界に挑むためにトレーニングをしてきた非常に思い入れのある場所です。

そして現役選手を引退し、その地で「NOBY T&F CLUB(ノビー ティーアンドエフ クラブ)」という陸上クラブを設立しました。当初は初めての試みということもあり、指導法を学びながら運営も手探りで作り上げてきました。クラブに関わる皆さんの支援もあって、昨年は開設10周年を迎えることができました。当初、100名くらいの会員から始まったクラブも、今津では約550名の小学1年生から80代の方まで幅広い年齢、さまざまな目的を持った方々に利用していただいており、通ってくれている会員の大多数は西宮在住の方です。

私は現役時代にドイツでトレーニングをした期間がありました。ドイツでは地域に根付いたスポーツクラブが各地区にあり、そこでは老若男女がスポーツを楽しむだけではなく、スポーツを通じてコミュニティーを形成し、生活を豊かにする文化が醸成されていました。そのような環境でトレーニングをしていたので、現役選手を引退したら陸上クラブを作りたいと思うようになりました。子供達にはまず「ここに来たい」と思ってもらいたいです。家や学校でもない、もう一つの「仲間がいる居心地の良い場所」として今津グラウンドがあり続けて欲しいです。今ではNOBYに関わってくれている卒業生もいます。

今年はオリンピックイヤーです。アスリート出身のコーチから指導を受け、ここから世界に羽ばたく選手も出て来て欲しいと願っています。

それから、西宮での活動に私が会長を務めさせていただいている「アスレチック・リエゾン・西宮」があります。西宮にゆかりのある個人やスポーツ団体、大学などが連携して西宮をスポーツで元気にすることを目的に設立されました。つながりを持続することで、気楽に相談し協力し合える関係が構築されています。今後もさらに活動を活発にしていきたいです。

最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい年となるよう祈念いたします。

朝原 宣治(あさはら のぶはる)さん
兵庫県出身。オリンピックに4度出場。北京オリンピック男子4×100メートルリレーで銀メダルを獲得。「アジアマスターズ陸上2019」男子4×100メートルリレー(M45クラス)で世界新記録を樹立。西宮市と協働し、スポーツを通じてまちづくりを行う異競技連携組織「アスレチック・リエゾン・西宮」の会長を務める。

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