多文化共生社会を考える
「グローカル」な自分に変わるチャンス
兵庫県立大学准教授 乾 美紀

皆さんの中で、日ごろ外国人の人たちと出会ったり交流したりする機会がある人はどのくらいおられますか。意図的に機会を作らないと難しいのが現状かもしれません。私が講義で学生などに体験を聞いてみても、「話しかけたいが勇気がない。」「高校時代には外国籍のクラスメートがいなかった。」などの反応がほとんどです。

高校などで外国人生徒に出会うことが少ないことの背景には、そもそも外国人生徒数が少ないことに加え、高校進学率が比較的低いことが影響しています。日本語の支援が必要な外国人生徒にとって高校受験の壁は厚く、進学したくてもできないのです。高校に入学できないと、当然大学にも進学できません。

このような現状を受けて、兵庫県では平成28年度入学選考より「外国人特別枠」を設け、日本語を勉強中の外国人生徒でも高校のスタートラインに立ちやすい制度を作りました。 また、関西学院大学では「難民を対象とする推薦入学制度」を設けて、難民の生徒を積極的に受け入れています。さらに、西宮市では、西宮市国際交流協会で日本語支援や放課後の日本語教室を行っています。

このように、教育機関や行政がローカル(地域)レベルで受け入れ体制をつくることにより、外国人生徒が教育を継続できますし、日本人生徒は外国人生徒との交流から、グローバルな視野や多様性の中で生きる力を身につけることができます。平等な教育機会が多文化共生につながっていくのです。

外国人を取り巻く地域社会が変わりはじめた今、私たちも変わらなければなりません。グローバルな視野を育むための最初の段階として、異文化に触れることから始めてみてはいかがでしょうか。2月6日(土)に開催される「西宮国際交流デー」は、多様な海外の文化に触れ、日本を客観的に見つめ直し、地域で自分にもできることを考える機会になると思います。この機会に脳のスイッチを切り替え、国境を越えたグローバルな視野と草の根のローカルな視点を持つ「グローカル」な自分に変身しませんか。

【問合せ】秘書課(0798・35・3459)

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