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2011年2月25日 第1360号

平成23年度 西宮市行政方針

文教住宅都市・西宮 さらなる発展へ
文教住宅都市・西宮
豊かな「市民力」とともに西宮を「魅力あるまち」に

私が市長に就任してから9カ月が経過しました。

この間、わがまちを愛する「市民力」に支えられながら、「明るく元気な西宮」の実現に向け、全力で取り組んできたところです。

とりわけ、保育所待機児童対策や公共施設の耐震化・老朽化対策、中央病院のあり方の検討、外郭団体の抜本的な見直し、財政の健全化など本市が抱えるさまざまな課題に対し、積極的に取り組んできました。

保育所待機児童の解消に向け、庁内にプロジェクトチームを設置し、その対策に取り組んできたことなどに加え、念願であった平和市長会議への加盟、4年ぶりの阪神甲子園球場での小学校・中学校連合体育大会の開催、阪急今津線の高架完成など、いくつかの取り組みについて実現できました。

さらに、昨年9月に発表されましたアサヒビール西宮工場閉鎖の問題においては、アサヒビール側に工場閉鎖に伴う諸問題について協議していくとともに、市としても跡地利用について提案することを申し入れるなど、迅速に対処してきたところです。

こうした中、昨年に実施された国勢調査では、速報値で48万2790人、5年前の調査と比較して3.75%の増と、兵庫県下の市において最も高い伸び率となりました。

このことは、先人の方々が築き上げて来られた成果を礎に、市民の皆さんのまちづくりに対する熱意と不断の努力が実を結び、西宮が「魅力あるまち」と評価された結果であると考えます。市民の皆さんに心から感謝します。

昨年、我が国では、米国パデュー大学の根岸英一特別教授、北海道大学の鈴木章名誉教授の二人がノーベル化学賞を受賞したこと、宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が7年に及ぶ宇宙の旅を終えて、太陽系の起源を解明する手がかりとなる小惑星の微粒子を持ち帰ったこと、また、サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会で、日本代表が他国開催での初の決勝トーナメント進出を果たしたことなど、日本人の地球規模での偉業が続き、各分野での水準の高さを世界に大きくアピールしました。

一方で、沖縄・尖閣諸島周辺領海内における中国漁船衝突事件に対する政府の対応や、その後の情報の流出事件などに関し、国の危機管理や情報管理のあり方が大きく問われたところであり、これらのことは、私たちに国民や国家というものを改めて意識することを迫ったものでありました。

本年1月に、宮崎県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されて以降、日本各地で鳥インフルエンザに感染した鶏や野鳥が相次いで発見されています。私たち自治体関係者は、集中豪雨などの自然災害に加え、こうした感染症などへの対応も必要であり、複雑・多様化する危機管理事案への備えを怠ることはできません。

我が国経済の基調について、内閣府が発表した平成23年1月の月例経済報告によりますと、「景気は足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。また、景気の先行きについては、持ち直しが期待される一方で、さらに下押しされるリスクが存在する。」と示されています。

地域経済においても、いまだ回復の動きは弱く、大学卒業予定者の就職内定率が過去最低を記録し、若者の完全失業率が高水準で推移するなど、厳しい雇用環境が続いています。

地方分権改革の取り組みについて、政府は、昨年6月に「地域主権戦略大綱」を閣議決定し、国と地方の協議の場に関する法律案などの「地域主権関連3法案」の成立を目指しましたが、先の通常国会で継続審議となり、新年度から導入を打ち出している国庫補助金の一括交付金化についても、全国知事会などからさまざまな懸念が寄せられています。

このような中で、昨年12月、兵庫県と他の2府4県が結集して関西広域連合が設立されました。府県を越えて広域的な課題に取り組むとともに、国からの権限移譲の受け皿を目指すなど、地方分権改革の突破口になるものとして、評価すべき動きであると考えています。

とりわけ、兵庫県知事が初代連合長としてリーダーシップを発揮されており、中核市である本市も、県との連携を強めながら、より質の高い行政サービスを行い、文教住宅都市・西宮のさらなる発展に努めていきます。

新年度の主要な取り組み
子どもたち
子どもたちの夢をはぐくむまちに

新年度におきましては、時代の潮流を的確に捉えながら、「心温かい行政を執行する」との方針の下、「人にやさしく、市民が輝いて暮らせるまち」づくりに取り組んでいきます。

予算編成にあたり特に留意したことや主要な取り組みについて説明します。

変化の激しいこの時代にあって、子どもたちが自分らしく、たくましく成長するためには、社会全体で一人ひとりの育ちを応援することが必要であると考えます。

このため、家庭・地域とも連携しながら教育の質的向上を図るほか、幼稚園保護者負担の公私間格差の是正に着手します。さらに、次代を担う子どもたちの教育環境の整備について、引き続き、学校施設の耐震化などを進めるとともに、小・中学校の空調設備の整備に向け、手法等の調査に取り組むなど、子どもたちの夢をはぐくむ学びのまちをつくります。

本市の素晴らしい自然環境や美しい都市景観は、先人の方々の公害問題への取組みなど地道な努力により守られてきたものです。

この恵まれた環境を、次世代に持続可能な状態で引き継ぐため、環境問題に対する理解を一層深めていくとともに、阪神・淡路大震災で得た貴重な教訓を活かし、災害に強い安全安心なまちづくりを進めます。

西宮の顔とも言える阪神甲子園駅について、バリアフリー化と周辺整備に着手するなど駅前空間の整備を進め、安全で快適な都市環境を築いていきます。

少子高齢化の進展など社会経済状況が大きく変化する中で、すべての市民が住み慣れた地域で、生涯にわたって安心して暮らせるまちづくりが求められています。

人権が尊重される社会の実現を目指すとともに、市民一人ひとりの健康を守るため、福祉や医療の充実を図っていきます。

現行の市民サービスの水準を極力維持するよう努めるとともに、高齢者や障害のある人への福祉施策を拡充し、年々増加している保育所待機児童の対策に、引き続き積極的に取り組むなど、すべての人にやさしい福祉の心あふれるまちづくりを進めます。

西宮は、交通の利便性が高いことに加え、集客力のある商業施設や観光スポット、特色のある産業活動や文化イベントなど、多彩で魅力的な観光資源を有しています。これらを有効活用し、多くの人が西宮を訪れることによるまちのにぎわいを、産業の活性化につなげていきたいと考えています。

観光・産業振興の新たな施策に着手するとともに、文化・スポーツの振興を図り、文教住宅都市に調和したにぎわいと活気のあるまちづくりを進めます。

社会の成熟化が進み、市民ニーズが多様化する中、自治体においては、このような社会情勢への適応力や行政運営の仕組みの見直しが求められています。

将来にわたる持続可能な行政運営のため、財政の健全化に努めるとともに、職員に対しては、業務改善のための調査・研究を支援するなど、一層の「やる気」を喚起していきます。

参画と協働によるまちづくりの推進と併せ、市民の視点から限られた経営資源を最も効率よく有効に活用できるよう、西宮版事業仕分けに取り組むなど行政運営の改革を引き続き進め、市民に信頼される公正で効率的な行政を実現していきます。

以上のような考え方を基本として、新年度に実施する主要な事業・施策について、総合計画の施策の大綱に沿って説明します。

いきがい・つながり
男女共同参画プランの中間見直し など

宮水学園
北部地域での本格実施が決まった「宮水学園」、
生涯学習の場がますます広がります

「いきがい・つながり」については、市民一人ひとりが輝いて生きるまちづくりを進めます。

男女共同参画を取り巻く制度の変化等に対応するため、「西宮市男女共同参画プラン」の中間見直しを行うとともに、プランの中の「女性に対するあらゆる暴力の根絶」の項目を拡充して「西宮市DV対策基本計画」を策定し、配偶者などによる人権侵害に対応していきます。

アメリカ・スポーケン市との姉妹都市提携50周年を迎えるにあたり、市民団体や西宮市国際交流協会などと連携して、市民の相互訪問や交流パネル展等の記念事業を実施します。また、鹿児島県奄美市や高知県梼原町との友好周年事業に取り組んでいきます。

市民館など老朽化した集会施設の補修工事を行い、市民自らが行うコミュニティ活動の支援を進めていきます。

生涯学習大学「宮水学園」では、オープンカレッジの評価を踏まえ、北部講座を本格実施します。

芸術・文化振興事業においては、事業全般の検証を行う中で、協働事業提案やブラス・フェスティバル、能楽講座の拡充を図り、フレンテホールの活性化事業や西宮少年合唱団創立50周年記念事業などを実施し、豊かな市民文化の振興を図っていきます。

スポーツ・レクリエーション活動の推進については、老朽化した中央運動公園野球場の照明の改修にあたり、周辺の公園照明も一体的に整備することで、球場利用者だけでなく近隣住民や公園利用者にとっても安全で快適な施設にしていきます。

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すこやか・はぐくみ
保育ルームの開設 など

保育所待機児童
待機児童の解消に引き続き取り組みます

「すこやか・はぐくみ」については、子どもたちの笑顔があふれるまちづくりを進めます。

喫緊の課題である保育所待機児童の解消に向けては、本年1月に賃貸物件を活用した民間保育所分園や保育ルームを開設しましたが、4月には「幼保連携型」の認定こども園や民間保育所分園など3園を開設します。

また、特に待機児童が多い3歳未満児の受け入れを確保するため、市営住宅や小学校などにおける用途変更が可能なスペースを活用することで、保育ルーム10カ所を開設します。これらさまざまな取り組みにより、昨年4月に比べ、計240名分の定員増となります。

新年度には、今後とも増加が予測される保育需要に応えていくために、「西宮市保育所待機児童解消計画」に基づいて民間保育所の新設整備を進め、平成24年度には、さらに529名の定員増が図れるよう取り組んでいきます。

また、旧中央病院院内保育所の会議室を利用し、病児保育事業を新たに開始します。公立保育所については、耐震診断の結果に基づき、鳴尾東保育所の建て替えに向けた設計に取り組みます。留守家庭児童育成センターについては、待機児童解消のため、高木小学校内に第2育成センターを整備します。

小学校就学前の子どもの教育および保育のあり方については、「西宮市幼児期の教育・保育審議会」で調査・審議をしていただいており、子育て支援施設の適正配置などの諸問題の解決に向けた検討を継続していきます。とりわけ、幼稚園における保護者負担の公私間格差の是正については、私立幼稚園就園奨励金を新年度から段階的に増額していきます。子ども手当については、国の基準に合わせ、中学校修了までの子どもを対象に支給を行います。

教育環境の整備については、「西宮市立学校施設耐震化推進計画」の目標達成に向け、新たにPFI手法など民間活力の導入を図り、効率的・効果的に進めていきます。また、環境モデル校として夙川小学校の校舎改築工事に取り組むとともに、各学校園への洋式トイレの設置を進めるほか、小・中学校の普通教室等への空調設備の整備に向け、実施手法の検討を開始します。

廃校後の船坂小学校については、建物の老朽化対策などさまざまな課題の整理を行っていますが、地域活性化に向けた暫定利用を行いながら、引き続き地域とともに活用策の検討を進めていきます。

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あんしん・あんぜん
総合療育センター整備への取り組み など

保健福祉センター
地域の保健福祉センターを拠点に、
健診や相談などの充実を図ります

「あんしん・あんぜん」については、みんなが安心して暮らせる安全なまちづくりを進めます。

高齢者の福祉については、特別養護老人ホームの入所待機者解消に向け、枝川町の大規模施設や、室川町と上大市4丁目の小規模施設の計3カ所、214人の施設整備について補助を行うほか、既存の認知症高齢者グループホーム等がスプリンクラーを設置する費用について助成します。

民生委員・児童委員の協力を得て、65歳以上の高齢者の実態把握調査を実施しています。これを効率よく管理・活用できるよう、データベースのシステム改修を行います。

障害のある人の福祉については、施設入所者の地域移行を支援するコーディネーターを配置するほか、作業所で働く人の工賃の増額を図るため、福祉的就労支援員を配置し、製作する商品の販売先の開拓などを行います。

また、肢体不自由児通園施設「わかば園」については、施設の老朽化対策等と併せ、多様化する障害児の療育ニーズに対応するため、「総合療育センター」として移転整備することとし、用地の確保、および基本構想の策定・施設の設計に取り組みます。

また、高齢者や障害のある人の権利擁護の相談・助言・法的支援などを行うため、権利擁護支援センターを4月に開設します。

「西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画」および「西宮市障害福祉推進計画」については、次期計画を策定します。

平成10年以降、全国の自殺者数は連続して3万人を超えています。このため、本市においても、国の自殺対策に基づき、自殺予防のために「気づく・つながる・支えるいのち」をテーマとして普及啓発事業や人材養成事業を引き続き実施します。

母子保健事業については、虐待予防や育児不安軽減を目的とした健康診査の強化を図るため、乳幼児健康診査において、保健師や保育士などの人員体制を充実します。

また、妊婦健康診査について、成人T細胞白血病の原因となるウイルスの抗体検査を追加し、費用助成の増額を行います。

予防接種の促進については、国が日本脳炎予防接種の積極的な勧奨を再開したことに伴い、接種者への対応を図るほか、子宮頸(けい)がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの各予防接種を促進するため、国の交付金を活用して、引き続き費用助成を行います。

また、塩瀬センター健康相談室を保健福祉センターとし、他の4カ所の保健福祉センターと同様に、精神・難病関係の相談や費用助成の申請受付業務等も行い、市民サービスの向上に努めていきます。

中央病院については、施設の移転・建て替えも視野に入れながら、本市の医療環境の中で必要とされる公立病院の具体的なあり方を議論しているところです。経営の健全化にも留意しつつ、方向性について早急に取りまとめていきます。

昨年7月から実施している「中学3年生までの医療費無料化」についてはこれを継続し、子育て世帯を支援していきます。

国民健康保険については、平成20年度から3年間、一般会計からの繰入れにより、保険料率の抑制と低所得世帯に対する減免を実施してきましたが、23年度においても保険料負担の軽減を図っていきます。

消防
災害に強い安全・安心のまちづくり

災害・危機に強いまちづくりに向けては、災害時における通信機能を確保するため、MCA無線機をデジタル式に更新します。また、市内に約2万基ある防犯灯の効率的な管理を進めていきます。

消防については、消防緊急情報システムなどを更新整備するとともに、消防・救急無線のデジタル化への移行に着手します。また、消防庁舎の耐震化や老朽化した消防分団車庫の改築を行うなど、消防力の充実に努めていきます。

都市施設の整備については、阪神本線連続立体交差事業や名塩道路の整備促進を図るとともに、市役所前線などの都市計画道路の整備、JR甲子園口横断地下道などの改良工事を進めるほか、計画的な修繕による橋梁の長寿命化を図っていきます。

さらに、JR西宮名塩駅前広場の再整備のための調査・設計や小曽根線の自転車通行帯の改良工事に着手するほか、阪急西宮北口駅等での自転車駐車場整備に取り組んでいきます。

バリアフリー化を含めた阪神甲子園駅の改善事業については、鉄道事業者への支援により事業促進を図り、駅利用者および周辺住民が安全で快適に利用できるよう取り組むとともに、駅前のにぎわいづくりについても関係機関と協議していきます。高齢化が進展する中で公共交通不便地域が点在し、その対策が求められていることから、公共交通について、導入の可能性などを調査・検討していきます。

上水道については、「西宮市水道ビジョン」に基づき、阪神水道企業団からの受水量の増量に伴う浄水場施設の統廃合を進めるとともに、配水施設の耐震化を進め、安全な水を安定して供給していきます。また、工業用水道については、大口需要者の撤退に伴う財政への影響等を見極めながら、今後の経営のあり方について検討していきます。

下水道については、浸水対策や水環境保全の推進と併せ、計画的な改築更新を図るとともに、効率的な経営改善への取り組みを進めていきます。

また、上下水道の組織統合については、具体的な課題解決に向け調整を行っていきます。

今年度中に改定予定の「にしのみや住宅マスタープラン」に基づき、今後の住宅政策の重点課題である入居者の高齢化や空家、マンションの空室などの対策を検討するため、高経年マンションの実態調査を行うほか、市民やNPOなどが参加するセミナーやワークショップを開催していきます。また、吹きつけアスベスト等が施工されている民間建築物に対し、含有調査や除去等にかかる経費の助成を行っていきます。

市営住宅については、引き続き、甲子園九番町団地等の建て替えに取り組んでいきます。

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うるおい・かいてき
生物多様性地域戦略の策定 など

豊かな自然
市民・事業者とともに
緑ゆたかなまちづくりを進めます

「うるおい・かいてき」については、水と緑ゆたかな美しいまちづくりを進めます。

本市の豊かな自然環境を、より良い状態で次世代へ引き継いでいくため、「西宮市生物多様性地域戦略」を策定するなど、 環境学習の推進を図っていきます。

また、太陽光発電システム等を設置する住宅に対し、引き続き補助を行い、地球温暖化対策を進めていきます。

市民生活にとって欠かすことのできない公園について、誰もが安全に安心して利用できるよう、老朽化した遊具の更新などを行います。

「リゾ鳴尾浜」は、市民の重要な健康増進の拠点であることから、株式会社鳴尾ウォーターワールドに対し、過去に同社が市に代わって支出してきた工事費相当分を負担するほか、東部総合処理センターの稼動に合わせ、平成25年から蒸気供給を再開できるよう準備を進めていきます。

容器包装リサイクル法に基づき、その他プラスチック製容器包装の再資源化に向けた取り組みを進め、循環型社会の形成を図っていきます。

西宮北口駅北西地区まちづくり整備事業については、津門川の修景整備や駅北西口のエスカレーター整備などに取り組みます。

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にぎわい・そうぞう
(仮称)まち旅博覧会のプレ開催 など

西宮酒ぐらルネサンスと食フェア
にぎわいみせる「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」

「にぎわい・そうぞう」については、人々が楽しく交流する元気なまちづくりを進めます。

大学交流センターでは、開館10周年を記念したシンポジウムを開催するほか、カルチャーパスポート事業を新たに実施します。

産業振興については、今年度に策定する「西宮市都市型観光推進計画」に基づき、まち歩きや体験交流型プログラムを全市域で実施する「(仮称)まち旅博覧会」を新年度にプレ開催するなど、西宮の多様な魅力を発信し、地域経済の活性化を図っていきます。また、今年度に実施した産業実態調査の結果に基づき、「第2次西宮市産業振興計画」を策定し、さらに、地域経済の基盤強化を図るため、企業立地促進法に基づく基本計画の策定に向けて取り組み、企業定着・立地の促進を図ります。

阪神・淡路大震災の影響により、平成7年春夏と平成8年春の高校野球大会の甲子園出場選手に対し、記念品贈呈事業が実施できませんでした。改めて、当時の球児たちに記念品を贈呈し、震災からまちの復興をなし得たことを伝えるとともに、本市の観光PRにもつなげていきます。

西宮都市管理株式会社に対しては、これまでの反復・継続的な短期貸付による支援を長期貸付等に改め、経営基盤の強化が図られるよう指導監督を行っていきます。

厳しい雇用情勢が続く中、県の基金を財源とする緊急雇用対策を実施し、引き続き、若年者等就労支援などに取り組んでいきます。

計画の推進
西宮版事業仕分けの実施 など

「計画の推進」については、改革を継続し市民主体のまちづくりを進めます。

行政経営改革の推進においては、西宮版の事業仕分け「ザ・チェック!西宮」をモデル的に実施します。事務事業を外部の視点で評価し、改善につなげるとともに、職員の意識改革を図っていきます。また、補助金について、学識経験者等の第三者による評価を行い、補助金制度の再構築に取り組みます。

第三セクター等経営検討委員会では、引き続き、改革が必要な外郭団体の評価と抜本的な処理策の検討を行っていきます。

参画と協働のまちづくりを一層推進するため、市が設定したテーマに対して事業提案を募集するテーマ設定型協働事業を新たに実施し、協働事業提案の制度を拡充していきます。

自治体を取り巻く社会情勢の激しい変化に対応し、多様化・高度化する行政課題に対処していくためには、職員一人ひとりの意識改革と能力開発が不可欠です。このため、職員が先進自治体などの現地に赴き、調査および研究を行い、業務遂行能力の向上に取り組んでいきます。

また、子育て支援の充実や保健衛生の施策を総合的・計画的に推進するため、健康福祉局の組織体制を強化していきます。

電子自治体の推進については、「第3次西宮市情報化推進計画」に基づく施策の展開を図り、総合住民情報システムの最適化・再構築に取り組むとともに、ホームページの充実や情報セキュリティの強化などを進めていきます。

土地開発公社の経営健全化を図るため、長期保有地について事業用地として買戻しするとともに、債務負担行為に係る後年度負担分を一括償還します。

公共施設の適正な維持管理や全市的な配置などを検討する公共施設マネジメントについては、今年度に取りまとめる公共施設白書を踏まえ、施設の最適化を目指した基本方針の検討および作成に向けた取り組みを進めていきます。

住民基本台帳カードの利活用については、全国のセブン―イレブン内キオスク端末による住民票の写しや印鑑登録証明書の交付を本格実施し、市民サービスの向上と効率化を促進していきます。

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教育委員会行政方針

教育委員会は、新年度も、第4次西宮市総合計画の基本目標である「ふれあい 感動 文教住宅都市・西宮」の下、教育推進の理念として「夢はぐくむ教育のまち西宮」を掲げ、教育の振興に取り組んでいきます。

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家および社会の形成者を育成する普遍的な営みでありますが、西宮市では、昭和38年の「文教住宅都市宣言」に象徴されますように、教育に寄せる市民の皆さんの熱い思いに支えられながら、教育の発展に尽くされた先人の大きな努力の積み重ねにより、今日の教育環境を築き上げてきました。

このような教育に対する大きな期待と負託に応えるため、教育委員会は、引き続き、平和・人権・国際・環境教育を要とし、学習者一人ひとりが学びに対する関心・意欲を高め、志を持ち、可能性を開花させる創造的な営みが盛んになるよう、全力を注いでいきます。

また、教育行政の推進に際しては、市民の皆さんと情報を共有し、教育をめぐる諸課題について細かく心を配りながら、解決するよう努めていきます。

昨年度は、地域全体で学校教育を支援する組織である教育連携協議会の全小・中学校への設置を完了しました。新年度はその充実に努め、地域の学校教育活動への参画と協働を促進する教育連携事業を推進していきます。

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社会教育~地域との連携を深め

宮水ジュニア事業
地域の教育力を生かした宮水ジュニア事業で、
子どもたちは異学年・異世代交流を図ります

社会教育においては、社会の変化に伴う市民のさまざまな課題の解決につなげる学習機会と地域における人と人との交流の場を提供するとともに、その学習成果が社会に還元される仕組みづくりを目指し、学校、家庭及び地域との連携を図りながら、学校教育、家庭教育への支援の取り組みを進めていきます。また、地域で取り組まれている子どもの居場所づくりにつながる活動を支援できるよう検討を進めていきます。

スポーツ振興については、市民の生涯にわたる健康保持・増進や体力向上のため、地域におけるスポーツ環境の整備・充実に努め、スポーツ振興基本計画の策定に着手します。

図書館では、山口分室において地域に拠点館がないという立地条件に配慮し、日曜日の開室を実施します。

公民館では、地域の教育力を活用しながら、宮水ジュニア事業を含む主催事業等において、食育などの課題に関わる多様な講座を実施します。

文化財については、古墳時代後期の市指定史跡である老松古墳の平成23年秋からの公開に向けた整備に取り組むとともに、国指定史跡西宮砲台の保存管理計画を策定するなど、史跡の保存に努めていきます。

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学校教育~自主・自律の学校へ

小学校連合体育大会
昨年4年ぶりに再開された小学校連合体育大会。
子どもたちの「生きる力」の醸成に努めます

学校教育においては、学校・家庭・地域の緊密な連携のもと、総がかりで、児童・生徒一人ひとりの個性や特性を生かし、育むとともに、集団生活を通して自他を尊重し、将来において社会的に自己実現ができるよう、「生きる力」の醸成に、より一層努めていきます。

また、校園長のリーダーシップの下、子どもや地域の実情に応じた創意工夫ある教育活動を展開する「自主・自律の学校」を目指します。

子どもたちが未来に向かってたくましく生きていくために、育ちや学びの連続性を踏まえた教育の充実に努め、校種間の連携による一貫教育を進めていきます。今年度は、義務教育に焦点を当て、モデル校区を設けることで、西宮型の小中一貫教育の推進を図っていきます。

確かな学力を身に付けるため、本市独自の学力調査を拡充し、PDCAに基づく、きめ細かな指導と評価の充実を図り、一人ひとりの学力の向上に努めていきます。また、小学校の新学習指導要領の全面実施の年を迎え、理科基礎学力の一層の定着と理科への興味・関心を育むため、全小学校に、高学年の観察、実験等に関わる理科支援員を配置していきます。

幼稚園教育では、「西宮市幼児期の教育・保育審議会」での審議を見極めつつ、就学前教育全体の視点から、市立幼稚園の果たす役割や適正配置について整理していきます。

高等学校教育では、大学の理数系学部等と連携する西宮版SPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)による理数教育推進事業を実施するとともに、地域に学ぶ「西宮学」がさらに発展できるよう支援していきます。

特別支援教育では、引き続き、全小・中学校に特別支援教育支援員を配置し、コーディネーターを中心とした学校体制の充実を図ります。また、西宮養護学校の通学バスについては、一部を中型バスからマイクロバス2台に変更するなど、きめ細かな通学経路への対応を図り、児童生徒の安全・安心に配慮していきます。

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