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第32回「発達障害に合併しやすい症状2 不器用」(令和3年4月分)

更新日:2021年6月2日

ページ番号:89680024

遊んだり、ごはんを食べたり、勉強したり、どんな時も私たちは身体を動かします。
活動を行う際の不器用さ、
具体的には
「なめらかに体を動かせず、ぎこちない」
「手先を使った作業が苦手」
「姿勢を保てない、崩れやすい」
といった特性をもつ子どもがいます。
 
医学名では「発達性協調運動症(協調運動障害)」と呼ばれ、
発達障害のひとつに分類されています。脳機能が独特なために生じるとされています。
 
少し運動が苦手なくらい、、と思われるかもしれませんが、
診断がつくレベルの特性のある子どもの場合、
普段の授業・遊び・生活動作に至るまで困難がつきまといます。
例えば学校の授業では板書についていけず、字も乱れがちなのでよい評価が得られません。
食べこぼしが多かったり姿勢が崩れているとだらしなく見えるため、
叱られがちになります。
運動会のリレーや体操などは苦手で、
場合によっては周囲から非難されたり、からかいの対象になることもあります。
 
就学前の子どもは不器用さをあまり気にしないかもしれませんが、
小学生以上になると自覚し始め、次第に運動だけでなく精神的にも自信をなくす恐れがあります。
 
では運動の「不器用さ」をもつ子どもたちには、どのように関わるとよいのでしょう?
 
発達性協調運動症の子どもも、運動自体は大好きなことが多いです。
楽しみながら運動経験を積むことでその子なりに成長できます。
ですから子どもが運動を楽しめる雰囲気作りがとても重要です。
運動や作業の出来ばえよりも、活動自体を楽しんで行うこと、
「もう一回やりたい!」と意欲を引き出すよう関わりましょう。
失敗しても大丈夫、と子どもが安心感をもてることも大切です。
他の子と比べたり、ダメ出し、無理な反復練習はしてはいけません。
 
家のお手伝いをする・でこぼこ道を歩く・アスレチック遊具や
トランポリン・(ゲーム感覚で)お箸で挟む練習をする、
などは有用です。
経験不足を解消しましょう。ただし楽しめる範囲で行うことが肝要です。
 
力加減や手先の使い方がどうしてもうまくいかない場合、
使いやすい道具(グリップ付きの鉛筆、補助箸など)を用いるとよいでしょう。
 
こども未来センターでは作業療法士が本人向けの運動プログラムを提案し、
道具の工夫を一緒に考えたりしています。
 
「運動ができる」=「いいこと・かっこいいこと」と無意識に大人も思い込んでいるため、
運動が苦手な子は早い段階から劣等感を持ち、自己肯定感も低くなりがちです。
チャレンジすることを諦め、できるはずのこともできなくなり心の発達にも影響を及ぼすのです。
 
小さいころから運動経験を積み少しずつできることを増やす一方で、
運動の出来ばえが人の価値には関係のないことを伝えていくことが重要です。
 
※こども未来センター診療所の開所状況はホームページ、公式twitterで随時お知らせしております。引き続きご参照ください。

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