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第20回「 ゲーム・ネットとのつきあい方」(令和2年1月)

更新日:2020年2月12日

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新年あけましておめでとうございます。
本年も皆様にとって希望の年になりますよう、
こども未来センター診療所スタッフ一同、祈念しております。
 
さて、冬休みのような長期休み期間の外来では
「子どもが(テレビ・スマホ)ゲーム、ネット(動画視聴)ばかりしている。」
「どうすればやめられるのか?」というご相談をよくお受けします。
 
まず、一家に一台、いや一人一台スマホやタブレットをもつ現代において、
子どもだけゲームやネットなしの生活を強いるということ自体に無理があると思いますので、
「やめさせる」のではなく「どう付き合うのか」を考えた方が良いでしょう。
(どうしてもやめさせたい場合は、親が決意してスマホやテレビを家から無くす生活をされることです。)
 
また、ゲームや動画はその業界のプロが“子どもを夢中にさせること”を目的に
非常に努力されて作られた作品ですから、子どもにとってそれに代わるものがないほど魅力的な遊びです。
なので親としては「基本的にゲームや動画にかなう遊びはない」と認めましょう。
 
私もそうでしたが、テレビゲームはやはりそれなりの楽しさ・魅力があり子ども時代には熱中したものです。
今では大人でも十分楽しめる作品も多くあります。
もし可能であれば親も一度わが子がはまっているゲームや動画について
一緒に見たり体験することをおすすめします。
ゲームを悪者のように否定するよりも、
面白い部分や子どもがはまる理由が少しでも理解できればそれを子どもに伝えてみて下さい。
後でゲームのルール作りをする際に、頭ごなしに否定する親からの提案より、
理解ある親からの提案の方が子どもは受け入れやすいからです。
 
長時間のメディア視聴は視力や思考力の低下だけでなく、
睡眠障害・ひきこもり・抑うつなど心身に悪影響を及ぼすことは明らかです。
 
ですから節度を持って遊ぶことが大切なのは言うまでもありません。
 
しかしこの「節度を持たせる」がとても難儀なことです。
 
発達障害をもつ子どもの場合、
「視覚刺激が大好き」・「こだわるとやめられない」・「時間感覚を把握しにくい」
等の特徴があるため、より難儀です。
 
確実に効果的な方法というのはなかなか無いのが実情なのですが、経験的に感じていることとして、
「○時間でやめようね」に代表される「時間制限」は失敗することが多いです。
大概は約束が守れないだけでなく、終了時に大喧嘩になったりパニック状態になるなどして
親子ともに疲れはてる結果になりがちです。
更に規制を強化したり罰則を設けるなどの対応をすると、
家族が寝静まってからやりだす・外出してやる、など行動がエスカレートします。
 
制限をかける手法よりも、「○○ができたらゲームOK」という報酬方式の方がやや効果があるように思います。
また、子どもにとっても堂々と遊べるので情緒的にも安定します。
 
毎日学校に通えているお子さんであれば、日中はゲームなしの頑張りタイムを過ごしてきた訳ですから、
帰宅後は「きちんと食べて、お風呂はいって、約束時間に消灯しお布団へ。(欲張れば宿題と明日の準備も)」
ができていればゲーム三昧でもOK、と外来ではお話しています。
 
もっとも、親が子どもと同等かそれ以上にゲーム・ネット依存になっているのは問題外です。
家族全体の生活環境を見直しましょう。

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