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仲間と働き、毎日を豊かに!「ゼロエンファーム目神山」から学ぶ、温かなコミュニティづくり

更新日:2019年1月22日

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収穫した野菜で食事会
収穫した野菜で食事会を開催!

阪急甲陽園駅から北へ、坂道を30分ほど上っていったところに、緑豊かな住宅地があります。ここ、甲陽園目神山地区は、六甲山麓の南斜面に位置する自然に恵まれた地域で、住民が主体となってその美しい景観を守り続けてきたことから、平成24年度都市景観大賞なども受賞しています。
「ゼロエンファーム目神山」は、そんな地域で暮らす中・高齢者によるコミュニティです。活動の中心は農園での野菜づくり。7世帯15名のメンバーが日々助け合いながら、畑仕事を通じた健康づくり、生きがいづくりに取り組んでいます。

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メンバーの自宅に隣接する山林を開墾してつくりあげた農園


ゼロエンファーム目神山02
種まきや水やりなど、みんなで協力して行います

平均年齢70歳ながら、自分たちの手で山林を開墾したり、小屋を建てたりと、とてもパワフルな「ゼロエンファーム目神山」のメンバー。今回はそんなみなさんに、地域の仲間とともに、元気に、豊かに生きるための秘訣を伺ってきました!

キャッチフレーズは「自分で作るデイサービス」

「ゼロエンファーム」が生まれたきっかけは、この地域で定期的に開催されていた「目神山ぶんか茶論(サロン)」という取り組みです。2014年の夏頃から、甲陽園目神山町に住む前田豊さんらが始めた活動で、建築や音楽、食文化などさまざまな分野の専門家を講師として招き、お話を聞いています。
その中で、東京農業大学教授の浅野房世さんが紹介したのが「園芸療法」。専門家の指導のもと、草花や野菜などの植物に触れたり、育てることによって、心や体の健康に良い効果をもたらすというものです。最近では、病院や福祉施設などでも活用されています。

ゼロエンファーム目神山03

その話を聞き、「ぜひ自分たちでもやってみたい!」と盛り上がったメンバーが集まり、自分たちの健康のために働く農園を始めました。それが「ゼロエンファーム」です。
「ゼロエン」には、お金をかけずに自分たちでつくる場、縁がゼロでも仲間ができる場、といった意味が込められています。
そもそもこの地域は坂が多く、最寄り駅からも離れているなど、高齢者にとっては必ずしも便利とは言えない、と言われてきました。それでも緑豊かで美しいこの町に住み続けたいと願う住民は多くいます。そうした住民にとって、健康な体と、いざというときに助け合える仲間を持つことは重要です。
「ゼロエンファーム」は、"自分で作るデイサービス"をキャッチフレーズに、高齢者が農作業で体を動かすことによって、心身の健康を保つだけではなく、ともに作業をする中で交流を深め、日頃から助け合える関係を築くことを目指しています。

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それぞれの体力や得意分野などに応じて作業を分担します


お互いに自然と助け合う、心地よい関係性

本格的に活動をスタートしたのは2017年の春。まずは、浅野さん宅の横手にある山林を開墾。クワやスコップで山を切り崩し、チェーンソーで木を切り倒し、1年近くかけて行いました。

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なるべくお金をかけず、すべて手作業で行いました

なるべくお金をかけず、すべて手作業で行いました また、料理やミーティングをするための小屋も作りました。なんとこちらも、すべて手作りです!同じ目的に向かって、力を合わせて作業をしたことがメンバーの結束を強めました。

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資材はホームセンターなどで調達


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力仕事は男性メンバーを中心に担当

できあがった小屋がこちら。手作りとは思えない完成度です!メンバーの中に建築の専門家がいたこともあり、こうした本格的な小屋ができました。また、日曜大工が趣味の人が花壇や道具を作ったり、女性は料理や手芸をしたり、それぞれが得意なことを活かし、工夫しながら居心地の良い場所を作っていきました。

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水道も通り、簡単な調理もできます!


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腰をかがめずに作業できるように床面を高くした花壇。高齢者が作業しやすいように工夫しました

野菜づくりも協力して行います。水やりは当番を決めて毎日行い、月2回はみんなで集まって種まきや収穫などの作業とミーティングをします。

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次は何の種をまくか、みんなで話し合って決めます

これまでに栽培したのは、ホウレンソウや菊菜、ブロッコリー、大根、ニンジンなど。最初のうちは失敗したこともあるそうですが、今では家族や友達に食べさせても、「おいしい!」と大評判。自分で作った野菜を他の人に食べてもらうことで、「おいしいね」「どうやって作ったの?」と話題が広がるのも楽しみとのことです。メンバーで集まり、収穫した野菜を使って食事会をすることもあります。

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収穫した野菜


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収穫したキュウリで乾杯!

こうした作業を通じて絆を深めたメンバーは、「ゼロエンファーム」に集まるときではなく、日頃から自然と助け合うように。
あるとき、メンバーの一人が、買い物に行く途中で具合が悪くなってしまったことがありました。その際は他のメンバーが現場に駆け付け、家族へ連絡したり、救急車に同乗して付き添ったり、サポートしました。また、車が脱輪してしまったときには、みんなで集まって溝から車を出そうとしたり、業者へ連絡をとったりしました。

地域の人とのつながりを広げていく

「ゼロエンファーム目神山」の活動が始まって約1年半。この活動によってどのような変化があったのか伺うと、
「心が子どもに返ったような、そんな気持ちです。木を切ったりするのも、みんな夢中になってやりました。やり始めたらものすごいスピードで(笑)」
「野菜を作るとか、小屋を建てるとか、目標があるのがいい。目標があると明るくなれる」
「みんなそれぞれ得意なものがあるからね。今までは特技だと思ってなかったようなことでも、ここでみんなのために何かしたい、自分のできることをしようと思うと何かしら役に立てることがあるんだよね。そういうことを思い出させてくれます」
など、それぞれの思いを生き生きと語ってくださいました。

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ゼロエンファーム目神山15

お互いのことを心から尊敬し、信頼し合っている「ゼロエンファーム」のみなさん。ただ、自分たちの活動を特別なものとは捉えていないと言います。
「私たちの活動を知って『いいな』と思ってもらえたら、ぜひ他のところでもやってください。誰とでも、どこでもやれると思います。自分の周りでグループを作ってください。園芸じゃなくてもいい。何か目的を持って、自分たちで取り組むことが大事。そして、お互いを思いやる気持ちです。そういうものが培われていったらいい街になると思います。友達なら助け合おうって自然に思うはずです。そういう精神が広がってくれたらいいなと思います」

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家族のように仲がいい「ゼロエンファーム」のみなさん

NISHINOMIYA COMMONS編集部


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