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【とおかし図鑑】Vol.10「翁菓舗」 素材がきわだつ優しい風味

更新日:2021年1月29日

ページ番号:98768694

えびす餅・福だま
「翁菓舗」(甲陽園西山町)のとおかしは「えびす餅・福だま」


「とおかし」とは、西宮神社の十日参り(4月から翌年3月)の際に配られるお菓子のこと(※1月は除く)。
2017年度から始まった「とおかしプロジェクト」では、1年間に西宮市内の11の和菓子店が月替りでとおかしの制作を担当しており、それぞれのとおかしは、毎月10日限定で各店舗にて販売されます(※詳しくはこちら)。
この連載「とおかし図鑑」では、市野亜由美(ライター/西宮在住)が、それぞれのお菓子と和菓子店の魅力に迫ります。


今回、訪れたのは、阪急甲陽園駅から徒歩約2分の「翁菓舗(おきなかほ)」。同店の当番月は2018年5月、配布された和菓子は「えびす餅・福だま」でした。
 

昭和43年の開業以来、約50年の歴史

とおかし図鑑:翁菓舗
「翁菓舗」の外観。貼り出された菓子の名前に季節を感じる


とおかし図鑑:翁菓舗
見上げると、レトロな看板が。人が行き交う商店街の中にお店はあります

「翁菓舗」は昭和43年(1968年)に開業しました。
「当時、このあたりは、山ばかりでお店は一軒もありませんでした。映画の撮影所や遊園地があったそうです」と、同店で菓子作りを手がけている齋藤登紀子さん。
「元々、建築関連の仕事をしていた父が、伯父に誘われて大阪の天満橋にある『翁菓舗』本店に入り、のれん分けをしてもらったのがうちの始まりです。豊かな自然に魅せられて、甲陽園を選んだと聞いています」

とおかし図鑑:翁菓舗
店内の看板は大阪の本店から譲り受けたもの。以前は表に掲げられていたのだとか

創業者である湊豊(みなと ゆたか)さんは一昨年に他界されましたが、50年以上にわたってアットホームな雰囲気を大切に、保存料や香料などを一切使わないお菓子作りを続けています。
 

父から引き継いだ菓子作り

とおかし図鑑:翁菓舗
明るくすっきりとした、清潔感のある店内


とおかし図鑑:翁菓舗
特注で作ったもなか皮に備中大納言の粒あんを入れた看板商品の「翁甲山」などは、贈答用に人気(価格表示は2019年1月末時点のもの)

「私は和菓子店で育ったので、ときには焼き過ぎたカステラなど、父の失敗作がおやつになったりもしましたね(笑)」と齋藤さん。
そのような環境なら現在のお仕事に就かれたのは自然な成り行きかと思いきや、以前は菓子職人としてではなく、店頭で接客などを担当されていたそう。
「父は私が厨房に入るのを好まなかったんです。20年ほど前、私が製菓衛生士の資格を取得してから、だんだんと一緒に作ることが増えました」
上品な甘さのあんにこだわる父・湊さんの姿勢や、優しい味わいなどは、齋藤さんに引き継がれています。
 

とおかしのイメージは「神さまからいただくお菓子」

同店のとおかし「えびす餅・福だま」は、「神さまからいただく」というイメージで考案されたそう。体に良い素材を使うことも心掛けたといいます。

とおかし図鑑:翁菓舗
桃色の包みの上に赤い掛け紙が巻かれています


とおかし図鑑:翁菓舗
結び目をほどくのもワクワク


とおかし図鑑:翁菓舗
えびす餅と福だまが行儀よく並んでいるのがかわいらしい!

えびす餅は、上質な国産もち米を製粉した羽二重粉を蒸し、砂糖と水飴を練り上げてクルミを加え、きな粉をまぶしたもの。やわらかな求肥(ぎゅうひ)に香ばしいクルミの歯ざわりが絶妙なアクセントとなっています。
福だまは、きなこ、水あめなどを練って作る「すはま」です。宇治産の抹茶がたっぷり入っていて香りが良く、濃い緑が西宮神社の「えびすの森」を思わせます!
度重なる試作の末に完成したこの二種のお菓子は、いずれも普段は販売されていない、特製です。
 

「皆さんに喜んで召し上がっていただきたい」

お店の一角で目を引くのが、季節の生菓子のショーケース。彩り豊かなきんとんやういろうなど、毎日6から7種類が用意されるといいます。豆大福をはじめ、おやつにぴったりな餅菓子も並んでいます。

とおかし図鑑:翁菓舗
毎日6から7種類用意される季節の生菓子


とおかし図鑑:翁菓舗
どれを買うか迷ってしまうほど、素敵なデザインの数々

販売担当の妹から、『もう少し種類を減らしたら』と言われることもあるのですが、お客さんの笑顔を見ると、つい作ってしまうんです(笑)」と齋藤さん。


「皆さんに喜んで召し上がっていただけるのが一番です」という齋藤さんの思いに応えるように、地元を中心に根強いファンが多い「翁菓舗」。子ども連れで来店する人も多いそうなので、ぜひ家族揃って、素敵なお菓子の数々に出会いにきてください。


2018年度の「とおかし」を紹介してきた本連載。今回が最終回となりますが、2019年度も「とおかし」は続きます。とおかしを知ることは、地元の魅力を再発見することでもありました。皆さんも西宮神社へ、そして、それぞれのお店へ!


*****
「毎月十日はとおかしの日」。西宮のスペシャルな銘菓を楽しめる特別な機会をお楽しみください。
※11店舗の「とおかし」(2018年度版)は、こちらのファイルダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。紹介リーフレット(PDF:2,582KB)でご覧いただけます。


 

市野亜由美


市野亜由美
西宮市在住のライター。"どこへでも実際に行ってみたい派"です。読者に「私も!」と思ってもらえるような、再現性のある情報を届けられるとうれしいです。好きなジャンルは、食べものやアート。

NISHINOMIYA COMMONS編集部
ライター・市野亜由美

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電話番号:0798-35-3400

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