平成29年度 きのこクラブ・植物バイテククラブの開催状況について
更新日:2021年2月6日
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目次
きのこクラブの開催状況
植物バイテククラブの開催状況
平成29年度きのこクラブ・植物バイテククラブの開催状況について
平成29年度きのこクラブ・植物バイテククラブの開催状況を紹介します。
西宮市植物生産研究センターでは、きのこをきっかけに身近な自然について考える「きのこクラブ」、植物バイオテクノロジーについて、わかりやすく楽しく学ぶ「植物バイテククラブ」を開催しています。
《きのこクラブ》
- 期間:平成29年5月から平成29年12月まで
- 会場:植物生産研究センター・北山緑化植物園周辺など
《植物バイテククラブ》
- 期間:平成29年8月から平成30年1月まで
- 会場:花工房・リゾ鳴尾浜など
平成29年度のきのこクラブ、植物バイテククラブの参加申し込みは終了いたしました。今年度も申し込み頂きましてありがとうございました。来年度の会員募集は、平成30年4月ごろを予定しています。
各クラブの卒業生の有志が、知識をより深めるため、ガーデンクラブ自主活動グループ(植物バイテククラブの卒業生)や、きのこクラブOB会(きのこクラブの卒業生)として自主的な活動を行っています。また、クラブの実習時には作業のサポートもしています。
下記より各クラブのカリキュラムをダウンロードできます。クラブの紹介については以下のリンク先をご覧下さい。
ダウンロード
リンク
12月14日(木曜)に第6回植物バイテククラブが開催されました。
- 実習: 「“ビン育ち”からの卒業 ~順化~
「新しい細胞が生まれるところ ~成長点の観察~」 - 説明:花工房職員
今回は、まず初めに10月の実習で初代培養を行ったエンジェルス・イヤリングと、11月の実習で継代培養したサマー・アメジストの順化を行い、次に実体顕微鏡を使って植物の成長点を観察しました。
実習の様子1
順化の実習では、培養ビンから取り出した植物を、バーミキュライトと呼ばれる無菌に近い土に挿しました。実習後は花工房で一旦預かり、徐々に外気に慣らしていきます(順化)。次回の講義までに順化を終了させ、皆さまにお渡しする予定です。
自宅に持ち帰って頂いた培養植物は、室温の差があったせいか、まだまだ小さい状態とのことでしたが、大きく育ちましたら、ぜひ順化にチャレンジしてください。
実習の様子2
次に、実体顕微鏡の使い方について学び、アベリアなどの植物の成長点を観察しました。
顕微鏡を見ながら、ピンセットを使い、小さく軟弱な芽を剥いていく作業は大変だったと思いますが、実際の組織培養では、これを消毒・殺菌し、クリーンベンチの装置の中で行いますので難易度はさらに上がります。
実習の様子3
最後に、クラブの実習をサポートして頂きました市民ボランティア「ガーデンクラブ自主活動グループ ”バイオII"」より、グル―プの活動紹介と入会についての案内を行いました。興味を持たれた方は、ぜひ、ご入会下さい。
12月9日(土曜)に第11回きのこクラブが開催されました。
- 講義:「森林と菌根菌」
- 講師:藤田 徹 先生(きのこアドバイザー)
第11回きのこクラブ(最終回)はきのこアドバイザーの藤田徹先生に、「森林と菌根菌」をテーマにお話をしていただきました。講義の内容は、菌根菌の一般的なお話からはじまり、マツタケなどの身近な菌根菌(きのこ)の話、菌根菌を利用した樹勢回復の話など多岐に渡るものでした。
また、講義の合間に顕微鏡による菌根菌の観察を行った際には、受講者から多くの質問がなされるとともに、先生との対話を楽しんでいました。
講義後には、修了証の授与が行われ、多くの方に修了証が授与されました。
今年度のきのこクラブは今回(第11回)をもって終了させていただきます。約8か月にわたる講座を受講いただき、ありがとうございました。これをきっかけに身近な環境に興味を持っていただければ幸いです。
11月11日(土曜)に第10回きのこクラブが開催されました。
- 実習:「きのこの発生観察(4) シイタケの原木栽培」
今回は、日本の代表的な食用きのこであるシイタケの原木栽培を行いました。
原木栽培とは、一定の長さに切断した原木(丸太)に、きのこの種菌を植え付けて栽培する方法です。原木は一般的にはクヌギ、コナラ、ミズナラなどがよく使われます。
発生するきのこの形や味は天然のものに近いとされていますが、気候によって発生量が変動したり、発生までの時間がかかる、などの問題もあります。
まずは、2人一組に分かれて、種菌を植え付ける場所に目印を付けました。原木は直径15cm位のものを使用し、樹種はコナラです。
目印を付けた場所に電気ドリルで穴を開けました。皆さん助け合いながら上手く穴を開けられました。
シイタケの種菌を金槌でトントンと打ち込みました。
作業後は、風通しのよい雨の十分あたる場所に並べて、きのこの発生を待ちます(仮伏せ)。シイタケの発生までに1年位はかかります。参加された皆さんには、1年以上前に作業した原木を持って帰って頂きました。
たくさんのシイタケが出るといいですね。
11月9日(木曜)に第5回植物バイテククラブが開催されました。
- 実習:「分身の術! ~継代培養~」(材料:サマー・アメジスト)
- 説明:花工房職員
今回の実習では、クリーンベンチの無菌状態の中で、植物をメスを使って切り分け、新しい培地に植え替える「継代培養」を行いました。使い慣れないメスを使う作業に最初は戸惑いもありましたが、皆さん手際よく作業が出来ていました。この継代培養を繰り返すことにより、健全な苗を大量にふやすことが可能となります。
実習の様子1
実習では、2本のビンに植え替えを行いました。そのうち1本は各自で持ち帰って観察します。もう片方は花工房の施設で育て、次回の「順化」の実習で使用します。
実習の様子2
作業前後の写真(左が作業前、右が作業後)
また、前回の初代培養でふやしたエンジェルス・イヤリングは、カビなどによる汚染もなく、順調に生育しています。2種類の培地に植え込みましたが、植物ホルモンを添加した培地の方が、たくさんの芽が出ているのが確認できました。引き続き観察を続けていきたいと思います。
10月19日(木曜)に第4回植物バイテククラブが開催されました。
- 実習:「無菌の世界へ ~初代培養~」(材料:エンジェルス・イヤリング)
- 説明:花工房職員
西宮市オリジナル植物の「エンジェルス・イヤリング」を使って初代培養の実習を行いました。
あらかじめ殺菌された植物の一部(組織)を、植物ホルモンを添加した培地(前回の実習で作ったもの)と、植物ホルモンが添加されていない培地に植え込みました。
実習終了後は自宅に持ち帰り、植物ホルモンの有無による成長の違いを観察してもらいます。
実習の様子1
今回の実習では、初めてクリーンベンチと呼ばれる装置を使用し、無菌状態の中で作業してもらいましたが、中には戸惑いを感じた方もおられるかもしれません。
次回は手術用にも使用されるメスを使って植物を切り分ける作業を予定しています。少し難易度があがりますが、またぜひ参加してください。
実習の様子2
作業後の写真
10月14日(土曜)に第9回きのこクラブが開催されました。
- 実習:「きのこの発生観察(3) ヒラタケのビン栽培」
きのこのビン栽培は今回で2回目となります。作業は前回と同じで、オガくずと米ぬかと水を混ぜ合わせて作った培地に、クリーンベンチの装置の中でヒラタケの菌を植えつけました。皆さん非常に慣れた手つきで、スムーズに作業を行うことができました。
作業後はビンを持ち帰り、きのこの成長を観察します。前回のタモギタケは、こちらの施設でも発生を確認できました。今度はどんなきのこが観察できるのでしょうか?
実習の様子
作業後の写真
第6回きのこクラブ「タモギタケのビン栽培」
作業後の写真(9月30日撮影)
10月12日(木曜)に西宮市職員会館において、きのこクラブ・植物バイテククラブの合同講義が開催されました。
この合同講義は、2つのクラブの受講生だけでなく、市民ボランティアの「花と緑のまちづくりリーダー」として、これから新しくリーダーになる方やこれまでリーダーとして市内で活躍されている方、また、北山緑化植物園の花壇管理のボランティアをされている「北山サポーター」の方なども一緒に受講し、会場はとてもにぎやかなものとなりました。
- テーマ:「知っておきたいガーデニングの基礎知識~失敗の少ない花壇づくりの基本~」
- 講師:週末園芸家 吉田 健一 先生
今回の講義は、平成28年に開催した「知っておきたいガーデニングの基礎知識」の第2弾として、花壇の土づくりや植物の植付けなど、花壇づくりについての興味深いお話をしていただきました。
花壇づくりにおいて大切となる土の状態を知ることや、よい土を作るうえで必要な作業、また、やってはいけないことなど、いろいろなエピソードを交えてお話していただきました。
また、講師の吉田先生は北山緑化植物園における緑の相談員もされており、当日は今までに受けた相談などをもとにした、身近に感じるお話についても数多くしていただきました。
受講された皆さまにとって思い当たる話も多く、早速実践したいとの声も聞かれました。
9月30日(土曜)に第7回きのこクラブが開催されました。
- 実習:北山の植生ときのこ「きのこ採集会(秋)」
- 講師:栗栖 敏浩 先生(樹木医)
採集会の様子1
今回は北山緑化植物園周辺で2回目のきのこ採集会を行いました。前回に比べて、上り下りのある道が多く、距離も長いコースでしたが、たくさんのきのこを持ち帰りました。途中、オオノウタケと呼ばれるビッグサイズのきのこを発見し、参加者から驚きの声があがりました。
採集会の様子2(写真のきのこはオオノウタケの裏側)
午後の同定会では、採集したきのこを紙に広げ、図鑑を片手にきのこの名前を調べました。
先生の話によると、「きのこには大きく3種類の働きがあり、落ち葉や木材を腐らせる腐朽菌、木の根に菌根菌を作って共生する菌根菌、他の生物に寄生するもの、の3つのグループに分かれます。いきなりきのこの名前を覚えようとすると大変ですが、そのきのこがどんな環境に生えているのかに着目し、どのグループに属するのかを考えるときのこについて理解しやすくなる」とのことです。
私たちの身の回りに生えているきのこについても、その発生している環境や働きについて考えてみてはどうでしょうか?
同定会の様子
9月14日(木曜)に花工房で第2回植物バイテククラブが開催されました。
- 実習:植物再生のための特製”ゼリー” ~培地づくり~」
- 説明:花工房職員
今回が初めての実習となり、培養の基礎となる「培地(ばいち)づくり」を行いました。
電子天秤やマイクロピペットを使った試薬の計量や、培地のpH調整など慣れない作業が多く、戸惑うことも多かったかと思いますが、無事に培地を作ることができました。
実習では、液状の培地に凝固材を加えて培養ビンに分注し、オートクレーブにセットする所までで終わりましたが、その後、滅菌が終わって冷えると、培地は傾けても崩れないほど、しっかりと固まりました。
次回は10月12日(木曜)に特別講義「失敗の少ないガーデニング」が開催されます。
9月9日(土曜)に第6回きのこクラブが開催されました。
- 実習:「きのこの発生観察(2) タモギタケのビン栽培」
実習の様子1
今回のきのこクラブでは、オガくずと米ぬかと水を混ぜ合わせて作った培地に、クリーンベンチという装置の中でタモギタケの菌を植え付ける作業を行いました。
培地は菌の生育環境となるもので、今回使用した培地には、生育に必要な水や酸素を供給するなどの働きがあります。
実習の様子2(クリーンベンチでの作業)
手をアルコールで消毒し、クリーンベンチの無菌状態の中で菌を詰めこんでいきます。培地の中に他の菌が混ざらないように、みなさん少し緊張した様子で作業をされていました。
作業を終えた後は各自で持ち帰り、自宅できのこを観察します。どんな変化が観察できるのでしょうか?
作業後の写真(9月13日撮影)
8月31日(木曜)に第1回植物バイテククラブが開催されました。
- 講義:「植物バイオテクノロジーとは? ~夢と現状~」
- 講師:金地 通生 先生(神戸大学大学院 農学研究課 准教授)
前半は、バイオテクノロジー全般のお話に引き続き、植物バイオテクノロジーとはどういうものか、その目的や方法などのお話がありました。
また、花工房において培養中の様々な培養物を実際に見ながら、培養する目的によって培養の方法が異なることなどを解説していただきました。
後半は、遺伝子組換え植物に焦点をあて、その現状についてのお話と、ランを例にした組織培養による大量増殖のお話がありました。
本日より始まりました植物バイテククラブ、約半年の間ですが、よろしくお願いします。
8月5日(土曜)に第5回きのこクラブが開催されました。
- 講義:「毒きのこについて」~被害に遭わないために~
- 講師:奥田 彩子 先生(兵庫きのこ研究会)
今回は奥田先生から毒きのこについて詳しく講義していただきました。
きのこの迷信のお話では、「色鮮やかなきのこは毒きのこ」「ナメクジや虫に食われないきのこは毒きのこ」といった迷信がありますが、信じたりせずに確実に同定されたもの以外は食べないで下さい、との注意がありました。
また、食べられるきのことそっくりな毒きのこもあったり、食用のきのこでも、生で食べたり大量に食べたりすると中毒するものもあり、注意が必要です。近年、甲山で増えているカエンタケなど、触れてはいけないきのこもあります。
講義の途中には、「どちらが食べられるきのこ?」を当てる二者択一のクイズも行われ、大人だけでなく子供の方にも参加してもらいました。
みなさん、毒きのこには十分注意をして、きのこ狩りなどを安全に楽しんでくださいね。
7月8日(土曜)に第4回きのこクラブが開催されました。
- 実習:きのこ採集会「夏場のきのこを探そう」
- 講師:山上 公人 先生(兵庫きのこ研究会)
今回のきのこクラブでは、北山緑化植物園周辺におけるきのこ採集会を行いました。
午前中に、1時間半程度、参加者全員で植物園周辺のコースを歩きながら、各自見つけたきのこを採集しました。
きのこ採集会の様子
午後の同定会は、持ち帰ったきのこを紙の上に広げて、図鑑を片手にその名前を調べました。
初心者ではきのこの判別が難しかったのですが、採集したきのこの中には、強い匂いのするものや咬むと辛い味のするもの、また、ちぎると色が変色するものなど、わかりやすい特徴を持つものもあり、図鑑だけではなく五感を働かせながら同定を行いました。きのこには不思議がいっぱいです。
午後の同定会の様子
採集されたきのこの一部
6月24日(土曜)に第3回きのこクラブが開催されました。
- 講義:「兵庫県で見られるきのこ:きのこの見つけ方」
- 講師:山上 公人 先生(兵庫きのこ研究会)
今回の講義では、次回のきのこ採集会を控え、兵庫県で見られるきのこの特徴や観察できそうな場所、見つけ方などについて話を聞きました。
きのこを探す上でどういった場所に目を向けたらよいのか、初めは見つけにくいですが、コツがわかってくると見つけられるようになる、とのことです。
講義の様子1
きのこと言っても、本当にたくさんの種類があることがわかります。また、食べられるもの、毒があって危険なもの、光るものや香りのするものなど、その特徴もさまざまです。
きのこの色や形、特徴を楽しみながら、そのきのこが生えている自然について考えてみるのもいいかもしれません。
講義の様子2
6月10日(土曜)に第2回きのこクラブが開催されました。
- 実習:「きのこの発生観察(1) マンネンタケの原木栽培」
マンネンタケはクヌギやコナラなどの落葉樹の切り株や枯れ木に発生する、きのこの一種です。薬用や観賞用に利用されています。
今回のきのこクラブでは、このマンネンタケを観察するため、あらかじめ用意しておいた落葉樹の原木(長さ15cm位)に、マンネンタケの種菌を植えつける作業を行いました。作業では、無菌状態で作業ができるクリーンベンチという機械を使用しました。
種菌を植え付けた原木は各自で持ち帰り、自宅できのこを観察します。
作業日から1ヶ月ほど経つと、原木に白い菌糸が広がります。どんなきのこが発生するか楽しみですね。
実習の様子
マンネンタケ栽培の様子(6月29日撮影)
5月13日(土曜)に第1回きのこクラブが開催されました。
- ガイダンス:きのこクラブの概要や年間スケジュールの説明など
- 講義:「きのことはどんな生き物?」
- 講師: 藤田 徹 先生(きのこアドバイザー)
きのこという生き物について、きのこの一生や分類など基本的な内容について学びました。
講義では、食べると非常に危険な毒きのこがあれば、環境保護に役立つきのこもあるなど、きのこと人の生活との関わりなどについて話を聞きました。日本の国土は森林が豊かで、私たちの身の回りでたくさんのきのこを見かけることができます。先生によると、まだまだ新種が見つかる余地がある、とのことです。
休憩時間には、先生が持参されたきのこや菌糸の標本を顕微鏡で観察しました。顕微鏡で見ることで、肉眼で見るのとはまた違う発見があるかもしれませんね。
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