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2011年5月10日 第1365号

みんなで守ろう ふるさとの自然
生物多様性にしのみや戦略の策定へ

市内にいるさまざまな動植物
ゲンジボタル
ゲンジボタル
モリアオガエル
モリアオガエル
自然風景
サギソウ
サギソウ
マアザミ
マアザミ
西宮市は、大阪、神戸という大都市の中間にありながら、市の北部には六甲山系の山並み、南部には夙川や武庫川をはじめ、多くの野鳥が飛来する甲子園浜や香櫨園浜など、豊かな自然に恵まれており、多様な動植物が生態系を構成しています。
市は30年先を見通した上で、このような環境や多様な生態系を保全するための指針として、「(仮称)生物多様性にしのみや戦略」を今年度中に策定しようと検討を重ねています。
問合せは環境学習推進グループ(0798・35・3821)へ。

生物の多様性とは?

今、地球上には分かっているだけで約175万種の生物がいますが、未だ発見されていない種も数多くいるといわれています。
これら生物は山や川、海などさまざまな環境の中で、支え合い競争しながら生活しています。このような関わりやつながりが「生物多様性」です。
生物多様性には「生態系」「種」「遺伝子」の3つのレベルがあり、これらが複雑に絡み合い、バランスのとれた状態が維持されます。
生態系の多様性

甲子園浜の干潟、甲山の湿原、船坂の棚田、武庫川の渓谷など、さまざまな種類の自然があること。
種の多様性

タヌキやトンボ、スミレなどの動植物のほか微生物に至るまで、さまざまな生き物がいること。
遺伝子の多様性
同じ種でも多様な個性があること。
異なる遺伝子をもつことにより、環境の変化や病気のまん延が起きても、絶滅する可能性が低くなります。

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なぜ生物多様性が必要?

私たちは暮らしのさまざまな場面で生物から恩恵を受けています。
生活面においては、野菜や肉などの食料をはじめ、きれいな水や空気は生物によってもたらされるものです。
安全面においては、森林が雨による土砂の流出を防止するなどの働きをします。
また、四季の変化や自然と相まって、文学や芸術が育まれるなど文化面での効果もあります。

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直面する危機に対応するために

甲山湿原での落ち葉かき
市民の皆さんも参加した甲山湿原での落ち葉かき
しかし近年、地球上での種の絶滅スピードはここ数百年で100倍~1000倍に加速しているといわれており、生物の多様性に及ぼす影響が懸念されています。
こうした事態に対応するため、本市では、生物保護地区や自然保護地区の指定を行っています。
甲子園浜生物保護地区では、干潟に渡り鳥がやってくる4・5月の2カ月間、人の立ち入りを制限し、野鳥の保護を図っています。
生物保護地区(甲山湿原)では、市民ボランティアが間伐作業や落ち葉かきなどを行い、市民との協働で湿原の保全活動をしています。
また、社家郷山では、事業者が社会貢献活動の一環として、里山整備を行うなど、市民、事業者、行政が一体となった取り組みを展開しています。

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今後の対応を検討

将来にわたって生物多様性を保全するためには、こうした取り組みを体系的に整理し、基本指針を作成する必要があります。
本市では、「(仮称)生物多様性にしのみや戦略」を策定するため、昨年4月に西宮市生物多様性地域戦略策定協議会を設置し、検討を重ねています。協議会での検討内容は、市のホームページに掲載しています。

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