とっとこ文化財 五ヶ山古墳群2号古墳

このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します

豪族眠る巨大石室

写真:五ヶ山古墳群2号古墳

宝塚市との市境、標高約140メートルの住宅地にある「五ヶ山古墳群2号古墳」。

この古墳は調査が終わった後埋め戻され、「仁川古墳公園」として整備されています。今は古墳に立ち入ることや内部を見ることはできませんが、公園の盛り土の中には7世紀初めに作られた古墳が約1400年の時を越えて存在し続けています。

五ヶ山古墳群2号古墳は直径23.5メートルの円墳で、長さ10メートルの横穴式石室を持ちます。この石室は同時期に阪神間で作られた古墳では最大級の大きさです。発掘時はかなりの盗掘を受けていましたが、儀式の時に馬を装飾する黄金色の馬具の一部などが出土しました。

石室の大きさや出土品から、まつられているのはヤマト政権下の一翼を担い、ある程度の地位と財力を持っていた豪族だと推測されます。また、この豪族は古墳が位置する高台から東に見下ろした現在の仁川や宝塚周辺を治めていたとも考えられています。

豪族は生前きらびやかに飾られた馬にまたがり、武庫川のほとりから隊列を組んでヤマト政権の儀式に赴いていたのかも知れません。

このページのトップへ戻る