とっとこ文化財 常夜灯型道標

このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します

西宮町の町勢伝える

写真:常夜灯型道標

「左 京都大坂道 右 兵庫はり満道」。高さ258センチの立派な常夜灯型道標は、寛政11年(1799年)に建てられました。現在は西宮神社の赤門の近く、神社南東角にひっそりと立っていますが、建立当時は現在の場所からえべっさん筋を挟んだ向かい側に位置し、旅人の安全を見守っていました。

この道標は江戸時代後期の西宮町の街道交通史だけでなく当時の「町勢」を今に伝える歴史資料として、市の指定文化財となっています。

西宮町は、中世以来西宮神社の門前町として発達しました。西国と京都・大坂を結ぶ重要な街道「西国街道」があることから江戸時代初期には宿駅が置かれ、宿場町としても栄えます。当時は、神社・宿場があり古くから人が住んでいた町の北側「町方」が、酒造業などを営む南側の「浜方」を含む西宮町全体を統制していました。

しかし、中期以降「浜方」は、江戸に酒を出荷するようになり経済・人口ともに大きく発展します。その結果、町内の形勢は逆転し、「浜方」の平内太郎右衛門と真宜喜一三右衛門が世話人となり、「町方」の中心地・西宮神社目前に道標を立てるに至りました。

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