浸水対策 効果を発揮 下水道整備 着実に進めます

市は、近年の局地的な集中豪雨による浸水を防止するため、下水道施設の整備に積極的に取り組んできました。
今年の8月25日に起こった集中豪雨では、市内各所で浸水被害が発生しましたが、過去の被害と比べて大きく減少しており、施設整備の効果が現われています。今後も、安心・安全なまちづくりに向けて浸水対策を進めていきます。
問合せは下水計画課(0798・35・3656)へ。

これまでの取り組み

西宮市は、ジェーン台風に襲われた昭和25年度に、本格的な下水道整備を開始しました。
当初は、1時間に36ミリ降る雨(4年に1度発生する確率)を処理できる下水道管などの施設整備を進めました。
その後も、36年の第2室戸台風などの自然災害に見舞われ、46年度からはこの施設整備の目標を1時間に47ミリ降る雨(6年に1度発生する確率)に向上させ、現在までにこの整備水準でおおむねの施設整備を完了しています。
また、平成12年度からは、雨水を広い土地などに一旦ためて、下水道管へ雨水の流入が一時に集中するのを防ぐ貯留施設の整備に取りかかりました。
22年度からは、さらに水準を1時間に55ミリ降る雨(10年に1度発生する確率)に向上させて施設整備に取り組んでいます。

雨水貯留施設を紹介

下水道管から雨水を速く川や海に流す方法に加え、雨水をためてゆっくり流す方法や雨を地面へ浸み込ませる方法(以下、流出抑制)を進めています。
流出抑制を行う代表的な施設は、学校の広いグラウンドなどに降った雨をその場に貯める「オンサイト貯留施設」や、下水道管に流れる雨を一時的に地下の大きな空間に貯留する「オフサイト貯留施設」などがあります。これらを活用し、台風や近年頻発する集中豪雨などに備えています。
《図1》オンサイト貯留施設(平成24年度現在、42カ所) ・グラウンドに貯めた雨水があふれないように壁をつくる ・下水道管への出口を小さくして、大雨時に下水道管へ流れ込む量を少なくする
《図2》オフサイト貯留施設(平成24年度現在、7カ所) ・下水道管を流れる水を一時貯留し、下水道管が満杯になるのを防ぐ ・下水道管が満杯でない時にポンプで排水する

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施設の整備効果

市では、過去に集中豪雨や台風による浸水被害があった箇所から優先的に、下水道施設の整備を進めてきました。
平成10年度から24年度までに費やした整備経費は約91億円に上ります。
11年9月に起こった集中豪雨では、甲陵中学校に設置した市の観測所において1時間に74.5ミリの雨が観測され、6月の集中豪雨とあわせて、床上浸水217件、床下浸水649件の被害が発生しました。
しかし、施設整備の結果、今年8月25日の集中豪雨では、気象庁の市内観測所史上最大の1時間に78ミリの降雨量を記録しましたが、市内での被害は、床上浸水17件、床下浸水68件と11年の被害件数よりも大きく減少しており、浸水範囲も小さくなっています。

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今後の浸水対策

浸水に対する安全性をより向上させるため、引き続き必要な箇所から下水道の施設整備に積極的に取り組んでいきます。
しかし、整備には多額の事業費と長い時間を要するため、道路より低い住宅や駐車場などでは敷地のかさ上げや、止水板の設置など市民の皆さんによる浸水対策も重要です。
浸水被害をより少なくするため、今後も市民の皆さんと協働しながら浸水対策を進めていきます。

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