その他記事

2013年3月10日 第1407号

にしのみや歴史見聞録 石造七重塔(鷲林寺町4)

このコーナーでは、西宮の歴史スポットを紹介します

西宮に存在する武田信玄の墓

写真:石造七重塔
《アクセス》
阪急・阪神バス「鷲林寺」下車、
西へ徒歩15分

弘法大師によって創建されたと言われている鷲林寺。

参道に面した墓地に「武田信玄の墓」と伝えられる「石造七重塔」が建っています。市内最古の石造品とされ、市の有形文化財にも指定されています。高さ約2・5メートル、軸石の四面には大きく薬研彫りで金剛界四仏種子を配しています。

しかし、七重塔は鎌倉時代に建てられたと推定されており、戦国時代に活躍した信玄とは時代が合いません。では、なぜ信玄の墓と伝えられているのでしょうか。

その事実を裏付ける古い書物は残っていませんが、鷲林寺近くに住む人の話によると、七重塔の下には信玄の遺髪や爪が納められていると子どもの頃に祖父から聞いていたそうです。その大昔からの言い伝えが現在まで伝わり「武田信玄の墓」と言われているようです。

一方、「大社村誌」には“墓地にある五輪塔が信玄の墓”という記載もあります。ところが現在、五輪塔として体裁のある石造品はなく、信玄の墓らしきものは存在していません。

西宮市にある信玄の墓については、地元の伝承説と大社村誌説の2つが存在し、鷲林寺地区の歴史を興味深いものにしています。

このページのトップへ戻る