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2013年2月25日 第1406号

津波避難訓練を実施 災害に強いまちへ

1月27日、“津波くる 近所にひと声 さあ避難”をスローガンに、「にしのみや津波ひなん訓練」を実施しました。
本市初となる大規模な住民避難行動を中心とした実践的な避難訓練でした。
当日は、延べ4万6300人が参加し、防災について考える1日となりました。
問合せは災害対策課(0798・35・3626)へ。

訓練の概要

にしのみや津波ひなん訓練は、近い将来予期されている南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.0、最大震度6弱)が発生し、5メートルの津波が到達するという想定で実施されました。
訓練内容は、市内全域を対象に防災スピーカーやにしのみや防災ネットなどによる津波情報伝達訓練や地震の揺れから身を守る「シェイクアウト訓練」、JR神戸線より南の地域を対象に津波避難ビルやJR神戸線より北に避難する訓練でした。
また、ゴール会場では炊き出し訓練や応急手当指導なども行われました。

訓練の結果

訓練の参加者は、表のとおりです。
シェイクアウト訓練は、住居以外に商業施設や公共施設等でも積極的に行われました。
また、津波避難ビルである病院や学校には、入院患者や車いす利用者を上階に移送する訓練などを独自に行う所もありました。
JR神戸線より北へ向かう訓練には、子どもから高齢者まで家族での参加も多く、障害のある人も参加しました。
津波避難訓練の参加者(延べ)
全市対象
シェイクアウト訓練(事前登録者)1万1400人
JR神戸線より南の地域対象
津波避難ビルへの避難訓練2万2700人
JR神戸線より北への避難訓練1万2200人
合計4万6300人

今後の取り組み

津波避難ビルなどで実施したアンケートでは、「災害が起こったときどうすればいいか家族で話し合った」「幅員のある国道などは、信号機が故障すれば避難に支障が出るのではないか」などの意見がありました。
今回の訓練結果から、各避難ビルへ避難した市民の皆さんの居住エリアや避難想定数などが検証できるとともに、避難経路における交通状態の問題点など地域ごとの課題が分かると考えています。
災害が発生すれば、さまざまな状況に応じて避難する必要があります。
市民の皆さんが避難先の選択肢を1つでも増やして、状況に応じて最善を尽くせるように今後も継続して訓練などを実施し、災害に強い安全なまちづくりに取り組んでいきます。

河野市長からのメッセージ 災害対策の第一歩に

河野市長

津波避難訓練に参加された皆さん、寒い中大変お疲れ様でした。また関係機関の皆さんには、朝早くからご協力いただき心よりお礼申し上げます。

本市初の大掛かりな訓練でしたが、市民の皆さんのご協力・ご理解のもと事故や混乱もなく無事終えることができました。いざという時に自分の命は自分で守り、また自力での避難が困難な高齢者や体の不自由な方を地域の力で守る方法を確認していただきたく、このたびの訓練を実施いたしました。大変多くの方に参加していただき、災害に対する意識の高さを感じました。

この訓練は第一歩であり、明らかになった課題やアンケート結果などを検証し、今後の防災・減災の取り組みに生かすとともに、防災力のより一層の向上に努めてまいります。

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日頃からのコミュニケーションが大切

西川彰一会長
用海地区団体協議会
防災会・西川彰一会長

私たちの防災会では、地域でのコミュニケーションは災害時に大いに役立つものと考え、日頃から大切にしています。また、毎年消防訓練や防災訓練を実施していますが、今年度は市の津波避難訓練に伴い、各町の自主防災会による参加を呼び掛けるチラシの配布や市職員を招いた説明会の開催、避難時に目印になる防災会旗の作成など防災意識を高める取り組みを進めました。その結果、津波避難ビルを確認する訓練も含め、多くの人に参加していただき、訓練の大切さと避難意識も以前より浸透しました。

市民全体を巻き込んだ良い訓練だと思いましたが、これで終わりではなく、今後さらに参加者を増やすにはどうしたらいいか、体の不自由な方の避難はどうするかなど、課題はまだまだあります。これからも市と連携して災害対策に取り組みたいと思います。

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