都市計画の概要


都市計画区域の変遷

都市計画の内容

都市計画決定手続き

 

【 都市計画の役割 】西宮の街並み

社会、経済の発展に伴い、都市には多様な機能の集積が見られるようになりました。商工業等の企業活動に必要な交通手段、市場、流通機構、金融等の各種の利便と労働力、商品の大規模市場が備わり、行政、経済、教育等の生活の利便、文化の向上等を求め、さらに都市への人口、産業の集積、多様な価値観をもつ人々の集中がみられるようになりました。

こうした都市への人口、産業の集中に伴う都市の成長、発展をいかに適正にコントロールしていくかが、都市計画の役割と言えます。

都市計画とは、言いかえれば、都市の発展を計画的に誘導し、秩序ある市街地を形成し、健康で文化的な生活と機能的な都市活動が行われるよう、道路や公園などの公共施設の適正な配置や、土地の合理的な利用を図る計画であり、また、これらの目的を効果的に達成するためのシステムと言えます。

このように、魅力ある都市づくりを適正に誘導していく都市計画の役割は、極めて重大なものであり、この役割を果たしていくためには、都市の将来像を示し、長期的な都市づくりの基本方針としてのマスタープランを定めるとともに、それを達成するため都市計画の内容の総合性と一体性が確保されることが必要です。

 

(1) 都市計画マスタープランの策定

都市の長期的なビジョンを示すとともに、土地利用、都市施設、市街地開発事業等の各種相互間の調整を図り、都市計画の総合性、一体性を確保するため、都市計画区域ごとに、整備、開発及び保全の方針を定めることとされています。

さらに、近年では、都市計画を円滑に推進するための方策の一つとして、個別具体の都市計画の指針となるマスタープランにおいて、地区ごとの将来像をより具体的に示し、地域における都市づくりの課題とそれに対応した整備等に関する方針を明らかにすることが有効であると考えられ、市町村がその創意工夫をもとに、住民の意見を反映させつつ、地域社会共有の身近な都市空間を重視したまちづくりの具体的なビジョンを示し、地区ごとの課題と方針をよりきめ細かく定める市町村の都市計画に関する基本的な方針を定めることとされています。

 

(2) 一体的総合的な土地利用計画の確立

都市計画の第一歩は、都市計画をたてるべき区域として、市町村の行政区域にとらわれず実質上一体の都市として整備し、開発し、保全する必要がある区域を自然条件、社会的条件等から総合的に判断し、その区域を都市計画区域として定めます。

さらにその区域を、無秩序な市街化の拡大を防ぐために、計画的に市街化を図るべき区域と市街化を抑制する区域に区分します。市街化区域においては、土地を構成する各部分の土地の用途をどうするか という土地利用計画と、道路、公園、下水道などの都市施設の計画をお互いに有機的に組み合せて、総合的な視点に立ち、的確な整備計画をたてます。

 

(3) 計画的な土地利用への規制と誘導

都市全体の合理的な都市機能の配分、適正な都市形態の形成を図るための土地利用計画と、その実現を図るための手段を、都市計画の制度として、市街化区域と市街化調整区域の区分、開発許可制度、その他の都市計画法に基づく制度が定められています。

都市計画法では、こうした段階的な土地利用のコントロールを行うことにより、都市における土地利用の計画的な規制、誘導を図り、計画的な市街化と良好な市街地の形成を推進するものです。

 

(4) 都市計画事業の円滑な推進

都市施設を整備するためには、下水道等の公共用地を占有する一部の施設を除いて、ほとんどの場合、その都市施設の用地を必要とします。また、市街地開発事業を実現するためにも、土地区画整理事業等の一部の事業を除いて、宅地や公共施設の整備のための用地を取得する必要があります。

そのため、都市施設に関する都市計画又は市街地開発事業に関する都市計画を予め決定し、建築制限などの法的な規制、誘導を行い、土地取得を容易にする法的な効果により、事業の円滑化を推進するものです。

 

【 都市計画制度の構成 】

都市計画制度の構成

 【 都市計画区域の指定

都市計画の第一歩として、都市計画をたてるべき都市として整備、開発及び保全する必要がある区域を指定するもので、その能力を有する都市の範囲を明らかにし、都市計画策定の権限を付与する行為としての意味をもってきます。

さらに、一定規模以上の開発行為については、許可を受けなければならないことや、都市計画税を徴収することができる、建築行為につき確認を受けなければならないなど、こうした範囲が強化され、また、建築基準法第3章に基づく建築物の敷地、構造、建築設備及び用途に関する規定が適用されるなど、法的効果をもってきます。

都市計画区域の指定は、行政区域にとらわれずに実質的に一体の都市を形づくる区域を、総合的に整備し、開発し、保全する区域として都道府県が指定します。

西宮市では、昭和2年に西宮都市計画区域が決定され、その後隣接町村の合併などにより変更されてきました。昭和44年の都市計画法の改正に伴い既成都市計画区域の再編成が行われ、阪神間都市計画区域(7市1町)として、西宮市全域が指定されています。

【都市計画区域等の指定状況】(兵庫県)都市計画区域の指定状況(兵庫県)

 

【都市計画区域の変遷】

決定年月日

区 域 の 概 要

面 積

昭和 2年12月14日

西宮都市計画区域の決定

約 6,380ha

昭和10年 3月28日

西宮都市計画区域から大字鳴尾村小字平左衛門新田を分離

約 6,343ha
昭和16年 9月19日

西宮都市計画区域から精道村を分離

約  4,765ha
昭和26年 4月 1日

有馬郡山口村、塩瀬村及び武庫郡鳴尾村を合併

約 9,645ha
昭和44年 4月 1日

尼崎市との境界を変更

約  9,648ha
昭和45年10月31日

新法施行により阪神間都市計画に改称

約  9,823ha
昭和55年11月28日

西宮地区埋立地を編入

約 9,974ha
昭和60年11月12日

枝川町地先の公有水面埋立計画の変更による一部除外

約  9,952ha
平成 3年 5月10日

甲子園地区の一部及び、鳴尾地区埋立地の追加分を編入

約10,023ha
平成10年 7月31日

鳴尾地区埋立地の追加分を編入

約10,028ha
平成16年 3月30日  苦楽園三番町、角石町の一部の緑地保全地区等の編入による一部除外 約10,028ha
平成21年 4月28日

山口町下山口倉本地区の一部及び西宮浜1丁目地区の埋立中止水面を除外

約10,025ha

都市計画の内容

都市計画とは、一般的には、都市における土地利用の計画や施設の配置計画などとされていますが、都市計画法においては、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する都市計画で、都市計画法の手続きに従い定められるものです。この都市計画の内容としては、主に次のように分類されます。

 

(1) 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針

都市計画区域の発展の方向や人口、産業の現状及び将来の見通し等を勘案して、長期的な視点に立った将来像を明確にするとともに、その実現に向けての道筋を明らかにし、今後の主要な都市計画の決定の方針、主要な施設の整備方針などを定めるものです。これを一般的に都市計画区域マスタープランと言います。

 

(2) 区域区分

無秩序な市街化(スプロール現象)を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画区域を区分して、市街化区域と市街化調整区域を定めます。これを一般的に線引きと言います。

 

(3) 地域地区

都市における住宅地、商業地、工業地などの土地利用の全体像を示すもので、市街化区域と市街化調整区域とともに、都市計画の基本となる土地利用計画を定めるものです。これにより、都市で行われる開発や建築行為などを規制、誘導し、土地利用計画の実現を図ろうとするものです。

地域地区としては、さまざまな種類がありますが、その中でも特に基本的なものである用途地域がこれに含まれ、都市施設の計画とともに、都市計画の基本的手段とされてきているものです。

 

(4) 促進区域

主として関係権利者による市街地の計画的な整備又は、開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定められるもので、市街地再開発促進区域、土地区画整理促進区域、住宅街区整備促進区域や、拠点業務市街地整備土地区画整理促進区域があります。

いずれも当該促進区域内の土地の所有者等に、事業の施行等により、当該促進区域の目的を達成するよう努力義務を課し、一定期間内に実施されないときは、公的な機関がこれらの権利者に代わって整備、開発を実現させる制度です。

 

(5) 遊休土地転換利用促進地区

市街化区域内の大規模な敷地で、未利用の状態にある土地について、当該土地が周辺地域における計画的な土地利用の増進を図るうえで、著しく支障となっている場合に、これが有効かつ適切な利用に供されることを促進し、もって、都市機能の増進を図るために定めるものです。

 

(6) 被災市街地復興推進地域

大規模な火災、震災その他の災害により相当数の建築物が滅失した区域について、当該区域の公共施設の整備状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれのある場合に、土地区画整理事業等により整備されるべき公共施設の整備に関する事業を実施し、もって、緊急かつ健全な復興を図るために定めるものです。

 

(7) 都市施設

道路、公園、下水道など、都市の生活や都市機能の維持にとって必要な施設であり、都市の骨格を形成するものです。

都市計画では、これら都市施設のうち必要なものを定めるものとし、少なくとも市街化区域については、道路、公園や下水道を定めるものとされています。また、ごみ焼却場、卸売市場など周囲の環境に大きな影響をおよぼすおそれがある施設についても、原則としてその位置を都市計画に定めることが義務づけられています。

 

(8) 市街地開発事業

一般的に、市街地の整備は、公共側が都市施設の整備を行い、民間が地域地区の規制を受けながら宅地の開発を行うことによってなされます。しかし、都市施設の整備は市街地の骨格を形成するものであり、また、地域地区による民間開発の規制も間接的な手段にとどまらざるを得ないため、良好な市街地をつくり、しかも早いテンポでそれを実現するためには、公的な機関が一定の地域について面的な開発整備を行う方法によらなければならない場合が考えられます。

こうした面的整備を行う方法として、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業、市街地再開発事業などの事業手法があり、これらを総称して市街地開発事業と言います。

都市計画には、これら事業の施行区域、事業により整備される公共施設の配置の方針、宅地の利用計画などを定めることとされています。

 

(9) 市街地開発事業等予定区域

都市における大規模な面的開発事業の施行の円滑化を図るため、事業の施行区域、施行予定者等、基本的な計画概要が明らかになった段階で、予定区域として都市計画を定める大規模宅地開発の適地をできるだけ早い段階から適正に保全し、円滑かつ迅速な実施を図ろうとするものです。

 

(10) 地区計画等

地区計画とは、地区レベルの良好な市街地の環境を形成していくために、道路や公園などの施設と建築物の形態、敷地等に関する計画を一体的に定めることのできる制度で、これに基づき開発や建築行為を規制、誘導していくものです。

さらに、地区の特性等により細やかに対応するため、応用型の地区計画ともいうべき、防災街区整備地区計画、沿道地区計画、集落地区計画も制度として設けられています。これらいろいろな地区計画を総称して地区計画等と言います。

都市計画の決定手続き

都市計画の決定にあたっては、一定の手続きを経て定めることとなります。手続きとして、決定にあたっては都市計画審議会の議を経る、案の作成にあたっては、必要に応じ公聴会などを開催するとともに、案の縦覧を行うなど、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされています。

なお、都市計画を定める者としては、原則として、広域的な見地から決定すべき都市計画は都道府県が、その他のものは市町村が決定することとなっており、区域区分、広域的な地域地区、広域的、根幹的な都市施設、大規模な市街地開発事業及び市街地開発事業予定区域を都道府県が、その他のものを市町村が定めることとなります。

(1) 都道府県が定める都市計画決定手続き

都道府県が定める都市計画決定手続きフロー

 

(2) 市町村が定める都市計画決定手続き

市町村が定める都市計画決定手続きフロー

 

 

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