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西宮湯川記念事業

第29回 西宮湯川記念賞受賞者

更新日:
2017年1月25日
ID:
32045

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受賞について

【記念賞贈呈式年月日】
 平成26(2014)年10月31日(金)


【受賞者】
 立川 裕二(たちかわ ゆうじ)氏
  東京大学大学院理学系研究科 准教授
                  立川氏顔写真      







(受賞者写真の無断使用を禁じます)


【受賞研究】
 「次元の異なる場の量子論の間に成り立つ対応関係の発見」

【受賞理由】
 素粒子の理論は場の量子論と呼ばれる基礎理論をもとに構築されている。例えば、2012年のヒッグス粒子の発見によって実験的に確かめられた素粒子の標準模型は空間3次元に時間1次元を加えた4次元時空間の場の量子論である。素粒子の標準模型は、素粒子の間に働く4つの力のうち電磁気力・弱い力・強い力を記述することができる。しかし、重力を含む統一理論の構築は非常に困難で、未だに完成していない。
 重力を含む統一理論の候補として提案されたのが超弦理論である。超弦理論とは、素粒子を大きさのない点と考えるのではなく、長さを持ったひものようなものであるとする理論であるが、その全容は未だに明らかでない。超弦理論が理論的に無矛盾であるためには時空の次元が10次元である必要がある。そこで、4次元以外の一般の次元の時空間における理論が活発に研究されるようになり、様々な状況における場の量子論の相互の関係が明らかになってきている。
 この流れの中で立川氏は2010年に共同研究者のAlday氏、Gaiotto氏らとともに行った研究で、一見何の関係もない4次元と2次元の場の量子論でそれぞれ独立に計算された量が一致する事を見いだした。この結果は、物理学者・数学者に大きな驚きを与えた。この発見によって、4次元・2次元の場の量子論の研究者は、それぞれの研究対象をまったく新しい見方で捉えるようになり、大きな進展の契機となった。立川氏らの結果は、その一般化を通して、数理物理学の多くの研究者にとって研究の指針となっているだけでなく、重力の量子論、そして超弦理論の全容解明に手がかりを与えるものとして高く評価される。
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