生涯学習

西宮湯川記念事業

第24回 西宮湯川記念賞 平野 哲文

更新日:
2017年1月25日
ID:
26584

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○受賞研究について
「ものを細かくしていくとどうなるか?」、「宇宙の始まりはどうだったのか?」、誰しも一度は抱いたことのある疑問ではなかろうか?クォーク・グルーオン・プラズマはどちらとも多少なりとも関わりのある新奇な物質である。
物理学の理論によれば実験的に確証されている最小粒子の一つに、皆さんご存知の「電子」がある。
それ以外にも物質を形作る粒子として「クォーク」、その粒子の間に力を及ぼしあう「グルーオン」という粒子もあり、これらがたくさん集まってできた物質をクォーク・グルーオン・プラズマと呼んでいる。
通常、クォークやグルーオンは陽子や中性子の中に閉じ込められている。
一方、とてつもなく高い温度では、これらの粒子が壊れてバラバラになり、クォークやグルーオンになるだろうと考えられてきた。
その予想される温度は2兆度、太陽の中心ですら1500万度程度であるから、想像を絶する値である。
実は、我々の宇宙が創られてから数マイクロ秒後には、これほど高い温度の物質で満たされていたと考えられている。
驚くべきことに、このような極限状態の物質を一瞬だけ地球上に創りだすことが可能である。
加速器と呼ばれる大型の実験施設を用いて、その性質を調べる研究が行われてきた。
水の流れを記述する学問である「流体力学」を援用し、クォーク・グルーオン・プラズマの流れる振る舞いを記述することによって、あらゆる物質の中で最もサラサラと流れる流体であることが分かった。


○プロフィール
高校生のころ、友人の影響もあって、宇宙の深遠さに憧れ、物理を志す。
早稲田大学で研究室配属後、クォーク・グルーオン・プラズマの物理を知り、それ以来、この研究をずっと行っている。
早稲田大学で博士号を取得後、東京大学、理研BNL研究センター、コロンビア大学で博士研究員を5年半務め、東京大学講師を経て、2011年に上智大学准教授となる。
最近、趣味と言えるほどのものがなくなったが、週末、目に入れても痛くない4歳になる息子に遊んでもらうのが何よりも楽しみ。


○近況
所属を上智大学に移して、研究、教育に励んでおります。
ツイッターは@tetsu_hirano
ホームページはhttp://www.wix.com/tetsuhirano/tetsuhirano

(2011年9月)

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