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西宮湯川記念事業

第22回 西宮湯川記念賞受賞者

更新日:
2017年1月25日
ID:
26571

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諸井健夫先生贈呈式年月日 2007年(平成19年)11月6日

〔受賞者〕
 諸井 健夫(もろい たけお)
  東北大学大学院理学研究科 准教授

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  受賞研究  
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 「グラビディーノの宇宙論的影響の研究」

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  受賞理由  
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自然界の4つの基本的相互作用である、重力、電磁気力、強い力と弱い力を統一的に扱う理論として、超対称性をもつ統一理論が最も有望視されている。超対称性があれば素粒子標準模型の特徴的エネルギースケールが統一理論のそれよりはるかに小さいという状態を安定に保ってくれるからである。超対称理論では、通常の素粒子のそれぞれに対して、スピンが1/2だけ異なる粒子がパートナーとして現れることが予言される。

諸井健夫氏は、重力を媒介する素粒子グラビトン(スピン2)の超対称パートナーであるグラビティーノ(スピン3/2)が他の超対称性粒子よりもはるかに小さな相互作用しかしないことに注目し、その存在によって、宇宙創成の歴史がどう変わるかを研究してきた。

特に、グラビティーノが宇宙の暗黒物質である場合と暗黒物質に崩壊する場合とを共に考察し、暗黒物質密度と原初宇宙の軽元素比の観測値から、宇宙初期のグラビティーノの生成量、すなわちインフレーション後の宇宙の再加熱温度に対して厳しい上限が得られることを明らかにした。

諸井氏は、90年代初めからこの研究を開始し、以後素粒子理論と観測宇宙論の進展に呼応して、その予言の精密化・一般化を行ってきた。氏の研究結果は、現在では超対称性を持つ全ての素粒子模型が満たすべき条件として受け入れられ、素粒子と宇宙双方の研究に多大な影響を与えている。
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