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西宮湯川記念事業

第21回 西宮湯川記念賞受賞者

更新日:
2017年11月15日
ID:
26570

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肥山 詠美子贈呈式年月日 2006年(平成18年)11月2日

〔受賞者〕
 肥山 詠美子(ひやま えみこ)
  奈良女子大学理学部物理科学科 助教授

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  受賞研究  
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 「量子少数粒子系の精密計算法の開発とハイパー原子核への応用」

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  受賞理由  
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3体以上の少数粒子系の問題を厳密に解く課題はニュートン力学、量子力学を問わず困難だが重要な理論物理学の課題である。実際、できるだけ精密に問題を解くことにより思わぬ発見や予言のできることがしばしばある。肥山詠美子氏は、無限小ガウスローブ法という新しい計算法を提唱し、これまで事実上不可能であった複雑な力の働く場合を含め、量子力学的3体、4体問題を精密に解くための非常に強力で普遍的かつ高速な方法を開発した。

さらに、肥山氏はこの手法をその存在形態や構造が未解明であったハイパー原子核(ステレンジネスと呼ばれる自由度をもつハイパー粒子が混入した原子核)の問題に適用し、ハイパー粒子混入が原子核構造に与える影響についてその後実験的に検証されることとなる様々の予言を行うとともに、それまで解釈論争に決着のついていなかった実験結果に対して明確な意味づけを与えることに成功した。

そして、未解明のハイパー粒子の相互作用を実験的に決定するための研究の道筋を開いた。特に、ハイパー粒子が混入すると原子核が縮むという予言と、二つのハイパー粒子を含む原子核が存在することの実験的確立への貢献につながる一連の精密な構造計算は大きな成果である。

これらの肥山氏の研究は、量子少数系の精密計算に基づいたハイパー原子核の構造およびハイパー粒子の関与する力の解明という原子核物理学の新しい潮流を生み出すと同時に、これからのハイパー原子核構造に関する精密実験にも大きな影響を与えている。
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