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西宮湯川記念事業

第20回 西宮湯川記念賞受賞者

更新日:
2017年1月25日
ID:
26569

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白水徹也贈呈式年月日 2005年(平成17年)11月2日

〔受賞者〕
 白水 徹也(しろみず てつや)
  東京工業大学大学院理工学研究科基礎物理学専攻 助教授
  東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 助教授

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  受賞研究  
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 「ブレーン宇宙上のアインシュタイン方程式」

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  受賞理由  
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重力を含む力の統一理論でもっとも有名な超弦理論では、定式化のために4次元より高い次元の時空を基礎にする必要があると考えられてきた。特に、近年の研究で、超弦理論では、ブレーン(膜)と呼ばれる古典的な場の配位が存在することが明らかにされた。

この配位では、高次元時空の中に広がりをもつ物体であるブレーンが埋め込まれ、その上に物質やエネルギーが閉じ込められる機構が存在する。このブレーンを我々の住む世界と考えれば、我々の宇宙は高次元時空に埋め込まれたブレーンであるという新しい宇宙モデルに導かれる。

一方、ブラックホールなどコンパクトな天体の物理現象や宇宙膨張といった強い重力に関する現象は、アインシュタインの一般相対性理論によって良く説明されている。それゆえ、ブレーン宇宙が現実的な宇宙モデルとなるためには、ブレーンの上の重力がアインシュタイン理論で記述されている必要がある。

白水徹也氏は、ブレーン宇宙モデルの幾何学的な構造を研究し、高次元時空の曲率をブレーンに関して分解することにより、ブレーン上に第一近似としてアインシュタイン方程式が導出されていることを明らかにした。この先駆的な研究を口火に、全世界的にブレーン宇宙論の理論的研究が始まり、ブレーン宇宙モデルにおける重力現象が盛んに研究されるようになった。

この白水氏の業績は、宇宙物理学の発展において、ブレーン宇宙モデルにおける重力理論の基礎を与えるという、重要な役割を果たした。
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