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西宮湯川記念事業

第10回 西宮湯川記念賞受賞者

更新日:
2017年1月25日
ID:
26557

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永長直人先生贈呈式年月日 1995年(平成7年)11月1日

〔受賞者〕
 永長 直人(なかおさ なおと)
  東京大学大学院工学系研究科超電導工学専攻 助教授

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  受賞研究  
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 「強相関電子系のゲージ場理論」

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  受賞理由  
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強く相互作用をしながら運動する固体内の電子系(強相関電子系)の問題は現代物性物理における中心的な課題であり、モット転移、その近傍の異常な金属状態、高温超伝導を代表とする顕著な諸現象が精力的に研究されている。

永長氏はこの問題に対して、共同研究者である米国のP.A.Lee教授とともに、実験データを矛盾なく説明し得るモデルとしてスピンと電荷をそれぞれ担う二種の粒子(スピノンとホロン)がゲージ場を介して相互作用するというモデルを提唱し、その物理的な性質を詳細に検討した。

この仕事は初めてスピン-電荷分離がどのように実際の現象に現われるかを具体的に示し、温度に比例する電気抵抗などのいくつかの特異な性質を見事に説明した。

さらに格子ゲージ理論の手法やインスタントン理論を駆使し、大きなフェルミ面の存在からくる散逸(摩擦)の効果がスピンと電荷の分離を安定化することを見いだした。このように永長氏はゲージ理論が物性理論において強力な方法論を与えることを具体的に示すとともに、物性論を素粒子論の間の交流に大きな寄与をなした。

このゲージ場理論は量子ホール系、特に偶数分母のフェルミ流体的量子ホール系の理論、ランダムなゲージ場中の電子の運動等の広い範囲の問題にも波及、発展している。
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